【初心者向け】小型株は危険?「財務健全な割安銘柄」を見抜くポイント3選
みなさん、こんにちは!TJです。
本日は、『小型バリュー株の世界へようこそ!』の第2弾。
前回の記事で紹介した、「なぜ、プロは小型バリュー株を買わないのか?」の続きです。

以前紹介した記事を見たことがない人は、下記を参考にしてみてね。

前回の記事をまとめると、ポイントは以下の3つでした。
- 機関投資家が小型バリュー株を買わない理由
- 歴史に名を残した伝説の投資家も小型株を推奨していた
- 小型バリュー株のメリットとデメリット
前回の続きで、今回はもう一歩レベルアップ!小型バリュー株の長期投資で、TJがこれまで経験してきた中でわかった失敗しない3つのチェックポイントを紹介するよ!
- 財務優良な小型バリュー株の見極め方法を知りたい
- 小型バリュー株の長期投資で安心材料が欲しい
- TJが失敗した体験談を知りたい
大型銘柄や、よく目にする有名企業などは時価総額が多い・認知度が高いことが一つの安心材料になることもあります。一方で、時価総額の少ない小型株は認知度が低い会社も多いため、私たちがあまり聞きなれない企業だったりするから、何の会社なのかよくわかりません。
だから、「本当にこの会社って投資してもいいのかな?」って思ってしまいます。
その不安材料を減らすために、どんな企業が財務健全なのか、その判断材料の知識を深めていきましょう。
- 高配当株投資家
- 一度買ったら長期保有
- 2022年から株式投資をスタート
- 小型株とバリュー株が好き
- スーパーの半額シールも好き
小型バリュー株のチェックポイント3つ
プロの機関投資家が参入できない小型株の中にこそ、財務健全な企業や好業績銘柄、キャッシュリッチなどのピカピカの「お宝」が眠っています。重要なのは、危ない会社を避けるフィルターを持つことです。
難しい会計知識はほぼ不要。決算書の「たった3つのキホン」を見るだけで、安全性の高い小型株を見分けるプロの技術をわかりやすく解説します。
1.自己資本比率が40%以上
決算書に目を通すときに優先的に確認して欲しいのは、企業の「防御力」=自己資本比率です。

自己資本比率ってナニ?

自己資本比率というのは、誰かに返済しなくてもいい「自分のお金」が、会社全体の何割あるかを示す数値のことだよ。この数字が高いほど借金が少なく、不景気でも倒産しにくい「安全で筋肉質な経営」って言えるんだ。
それでは、株式投資において、なぜここを見た方がいいのか?
小型株の特に大きなリスクの一つが会社の「倒産」。不況が来ても、銀行がお金を貸してくれなくなっても、自分のお金がたっぷりあれば会社は潰れません。自己資本がたっぷりの企業は、自分たちの企業努力でしっかり経営を続けていくことができます。
だから、どんな不況がきても、一時的に売り上げが落ち込んでも、自己資本比率が高ければ高いほど倒産確率は低く、安心してその企業に投資できる材料になります。
一般的に、中小企業庁や信用リスク情報(CRD協会)のデータでは、自己資本比率と倒産リスクの関係は以下のようになっています。
10%未満: 倒産リスクが高まる危険水域
20〜30%: 一般的な企業の平均ライン
40%以上: 倒産リスクが低くなる安全水域
出典:東京商工リサーチ「倒産企業の財務データ分析」
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1190572_1527.html
TJのこれまでの投資経験から、投資する企業の自己資本比率は、最低でも40%以上、50%以上は合格ライン、60%以上は超優良を一つの目安にしています。
各企業の自己資本比率は決算短信や証券会社で確認できます。過去の推移を確認する場合は、IR BANKがおススメです。

ただし、自己資本比率が低い業種もあります。銀行、保険、証券などの金融業やリース業は会計上、たとえ優良企業であってもどうしても自己資本比率が低くなりますから、こういった場合は例外です。
合格ライン
40%以上 : 最低ライン
50%以上 : 合格(安全圏)
60%以上 : 超優良(鉄壁の要塞)
例えて言うと、200万円の車を買うとき、借金(ローン)で買う人よりも、貯金がたくさんあって、現金一括払いで買う人の方が、金利上昇や給料カットがあっても自己破産しませんよね?それと同じ。自己資本の多さは、安心できる人・会社かどうか見極める一つなんだ。
2.営業活動によるキャッシュフローが毎年黒字
見るべきポイント2つ目は、営業活動によるキャッシュフロー(以下、営業CF)が毎年「プラス」であることを確認します。

営業CFって、ナニ?

営業CFは、本業で実際に稼いだ結果、手元の現金がいくら入ってきたのか?」を示してくれる指標のことだよ。
なぜここを見るべきかというと、個人の家計管理で例えるなら、お父さんが頑張って働いてきた結果、年間の『収入-支出』で、ちゃんと現金が手元に残っているのか?がわかるからです。
例えば、家庭Aのお父さんの年間手取りが400万円。その家庭の年間支出が350万円だったら、その家庭は1年でプラス50万円、手元の現金を増やしたことになります。黒字家計ですね。
一方で、家庭Bのお父さんの年間手取りが400万円。その家庭の年間支出が430万円だったら、その家庭は1年でマイナス30万円、手元の現金を減らしたことになります。赤字家計ですね。
よって、営業CFは収入ー支出=営業CFのように捉えるとイメージが付きやすいでしょう。
会社も家計も同じで、稼いできた結果、手元の現金を毎年増やしている黒字経営が理想です。
この営業CFのチェック方法は簡単です。
合格ライン
毎年黒字であることを確認
最低でも過去10年間は黒字を確認
長期的に見て毎年のように増加傾向
各企業の営業CFは決算短信や証券会社で確認できます。過去の推移を確認する場合は、IR BANKがおススメです。

ただし、コロナ禍などの特殊要因による一時的な赤字は例外的にギリギリOKとみなすこともあります。
このあたりの判断基準は個人の投資スタイルや個人差で左右されます。徐々に投資経験を積んでいってアナタが安心できる基準を見つけていくと良いでしょう。

あと一つ。上級者向けの視点があります。時価総額が小さい企業で、営業利益はちゃんと出ているのに、営業CFがマイナスの会社は要注意だよ。売掛金(ツケ)ばかり多くなって、取引先から現金が回収できていないって可能性もあるんだ。
3.PBRが1倍以下
3つ目のチェックポイントは、PBRが1倍以下(割安の保証)。投資を検討する銘柄が、「お買い得かどうか」です。

PBRって、よく聞くけど一体どういう意味?

PBRは日本語で言うと、「株価純資産倍率」。株価が「会社の解散価値(純資産)」に対して、何倍かを示しているんだ。 PBRが1倍ちょうどなら、株価と会社の持っている資産価値が同じ。一方で、1倍未満なら、会社のお財布に入っている現金(資産)よりも、安い値段で財布ごと売られている状態を意味しているんだ。
PBRのチェック方法も比較的簡単です。
合格ライン
1.0倍以下 : 割安(下値リスクが低い)
0.6倍〜0.8倍 : 激安(狙い目!)
各企業のPBRは証券会社等で確認できます。過去の推移を確認する場合は、IR BANKがおススメです。

PBR1倍以下ということは、市場で既に「解散価値」より安く株が売られているため、これ以上にその銘柄の株価が下がりにくく、負ける確率を極限まで下げることができます。
ただし、PBRが1倍割れということは、会社が資本を効率的に活用できていない可能性も高く、市場では投資家から「将来、稼ぐ力や成長性があまり期待できない」という評価の意味合いもあります。

まあ早い話、「会社を解散して資産を分け合ったときの解散価値」よりも株価が安くなっているから、投資家から「この会社って、事業を続けるよりも、解散して資産をわたしたち投資家に配ってくれたほうがマシじゃん」と考えられている状態です。
注意点としては、今後の成長性がほどんど見込めず、ずっとPBRが低いままの不人気なバリュー・トラップ株を買わないことです。
アナタが投資対象にして欲しい銘柄は、稼ぐ実力はあるのに、一時的な要因で人気がなく株価が下がっている割安な状態=バリュー株です。
2023年3月31日、東京証券取引所がPBR1倍割れ企業に対して、『資本コストや株価を意識した経営』の実現に向けた改善要請を正式に行いました。
この改善要請にしっかり向き合い、投資家に対して積極的にPBR1倍割れの対策を、決算プレゼン資料等で開示している企業を一つの投資対象の目安にしてください。
事実、東証のこの改善要請公表以降、低PBRの企業は自社株買いや配当金の増配を行う「期待銘柄」に変わるケースも増えています。
出典:日本取引後グループ 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願いについて(2023.03.31)
https://www.jpx.co.jp/news/1020/20230331-01.html
アナタが銘柄分析をしている中で、気になる銘柄があったら、「人気がないだけ」なのか、それとも「変革の兆しがある」のか、PBR1倍割れを意識しているか、決算プレゼン資料や四季報などの業績予想もあわせてチェックしてみよう!
投資の失敗談。まさかの減配
投資を始めた頃、ホントに後悔してしまった話なんですが、割安な小型株を見つけた時の失敗談です。
投資の知識・経験が今まで以上に浅かった時、クミアイ化学工業 (4996)という銘柄を見つけて、ある程度の基準で銘柄分析を行って2023年の夏頃に投資したのですが、翌期に減配してしまったんです。
- 低PBR&低PERで割安
- 自己資本比率も50%を超えている
- 売上高も利益も増やしている
- 配当利回りも3.0%超えている
「これはなかなか良い条件ではないか。よし!投資しよう!」
…と、その株を買ったら、その後の決算で、まさかまさかの減配発表。

これは痛い経験でした。
判断基準はどこでミスったのかと言うと、銘柄分析する時間が圧倒的に少なかったこと、そして決定的だったのは、SNSによる情報を盲信していたことです。
当時、クミアイ化学工業 (4996)のことについてSNS「X」で投稿する投資家さんが比較的多く、よく目にする銘柄だったので、「他の人も買っているんだな!」と、露出度が多いという不確かな投稿から、わけもわからずに信じ込んで買ってしまいました。
加えて、銘柄分析の材料が少なかったことも仇(あだ)に。EPSや営業CF、決算資料の深読みもしないなど、当時は分析力が非常に乏しく、判断基準が甘すぎました。
右も左もわからず、とりあえずSNSで多くの情報を収集していたから、SNSの情報を盲信せず、一歩立ち止まってより深く銘柄分析すべきと反省しました。
減配発表後、株価は暴落。2026年2月時点、3年経過しても株価水準は回復しておらず、業績においては減益が続いています。今となっては損切りして売っちゃいましたが、高値掴みしてしまったことはいい思い出。大変ありがたい勉強代でした…。

結論。SNSの情報は盲信しない。他人がたとえ紹介していた株であっても、銘柄分析は徹底的に行う!これを鉄則にしよう!
まとめ:投資で失敗しないために…!
小型バリュー株で「危険な毒キノコ銘柄」を買わないためには、TJの投資経験上、徹底的に銘柄分析することを強くおススメします。
- 借金が少ない=自己資本比率40%以上をチェック
- 現金収入あり=営業CFが最低でも過去10年間毎年黒字をチェック
- 持っている資産より安く売られている=PBR1倍割れをチェック
- SNSの情報に盲信しない
- 他人の情報に振り回されない
最低でもこの5つを意識して「負けない投資」をしましょう。このフィルターを通すだけで、約3,900社ある銘柄から危ない銘柄を排除し、個人投資家が勝てる確率の高い「堅実な小型バリュー株」だけを残すことができます。
1銘柄につき、原稿用紙3枚程度にその銘柄の魅力やデメリットが書けるくらいの銘柄分析力を身に着けて欲しいものです。だって、アナタは何万円ものの大切なお金を企業に投資するんですから。
これは小型バリュー株においても、大型株においても、どんな銘柄に投資するにおいても同じことが言えます。
安心材料をたくさん見つけて、夜は安心して眠りましょう。不安がたくさん残り続ける銘柄に投資していては仕事中も寝るときもソワソワして精神的によくありません。
まずは、特定の銘柄を使って、証券会社の「銘柄詳細」や「四季報」、IR BANKなどから、この3つの数字だけを確認する練習から始めてみてください。
魅力ある小型バリュー株を見つけて、配当金が今まで以上にチャリンチャリン入ってくることを願うよ!それでは、また!
【免責事項】この記事は個人の見解で、投資の推奨を目的とするものではありません。不利益が生じた際には一切の責任を負いませんので、最終判断は自己責任でお願いいたします。