なぜ、プロは小型バリュー株を買わないのか?
みなさん、こんにちは。TJです。
今日は、小型バリュー株の世界へようこそ!

小型バリュー株って、ナニ?

中身は立派な優良企業なのに、時価総額300億円以下などの小型株において、知名度が低いためにバーゲン価格で放置されている『掘り出し物』のような株のことだよ。
私の投資スタイルは、高配当株投資において、小型バリュー株も意識して新規投資、コツコツ買い増ししています。
今回は機関投資家や大物投資家といったプロの投資家が、その小型バリュー株の購入をあえて避けているのはナゼか?「小型株=時価総額が小さい会社」の秘密と、そこにあるチャンス・魅力について、わかりやすく解説します。
なぜ、機関投資家は小型バリュー株を買わないのか?
プロの投資家たちが、いくらその会社が「優良銘柄」で「割安(バリュー)」だと分かっていても、小型株を買わない(買えない)のには、明確かつ構造的な理由があります。好き嫌いではなく、物理的に無理な問題があるんです。
その理由は、主に3つ。
1.資金が大きすぎて買えない「流動性のカベ」
投資信託会社や生命保険会社、信託銀行などの機関投資家は、数千百億円、数兆円という莫大なお金を運用しています。彼らが時価総額の小さい企業、例えば時価総額50億円〜300億円程度の企業の株を買おうとすると、以下のような問題が起きます。
①値段を吊り上げてしまう(マーケット・インパクト)
彼らが買いたい量(数億円分など)を注文すると、売り注文が足りず、株価が急激に跳ね上がってしまいます。結果、高い値段で買うことになり、利益が出せません。
③売りたいときに売れない
逆に、何か悪いニュースが出て逃げたいと思っても、市場には買い手が少なすぎて売れません。無理に売ろうとすると株価が大暴落します。

例えばさ、あなたが「学校のプール(小型株市場)」に「巨大なクジラ(機関投資家)」を放そうとしていると想像してください。水があふれまくって大騒ぎになりますよね?プロは「太平洋や大西洋(大型株市場)」くらい大きな海でしか自由に泳げないんだ。
彼らが買いたい量(数億円分など)を注文すると、売り注文が足りず、株価が急激に跳ね上がってしまいます。結果、高い値段で買うことになり、利益が出せません。
2.調査の手間に見合わない「投資効率」の悪さ
ファンドマネージャー(投資家から集めた資金を株式や債券などに投資・運用し、利益を生み出すことを目指す金融の専門家)は、何百億もの資金を効率よく増やす必要がありますが、小型株はすごくコスパが悪いんです。
例えば、時価総額100億円の会社なら、その5%はたった「5億円」です。1000億円など大きな金額を運用しているファンドにとって、この金額は全体の利益がごくわずか。誤差レベルなんです。
それなのに、企業調査(リサーチ)にかかる手間は、トヨタ自動車のような大企業を調べるのと変わりません。これでは「コストパフォーマンス」が悪すぎるのです。
さらに、保有比率の制限もあります。多くのファンドには「1つの会社の株を買い占めてはいけない(例:発行済み株式の5%まで)」というルールがあるので、時価総額の小さい会社に狙って投資しません。
3.「5%ルール」による制約(大量保有報告書の提出義務)
日本の法律では、上場企業の株を5%以上持つと、「私はこの株を5%以上持ちました」と、国に届け出て、世間に公表しなければなりませ。
これが、いわゆる「大量保有報告書の5%ルール」です。
多くの機関投資家は、自分の「手札(戦略)」をあまり他人に知られたくありません。
小型株だと、少し買っただけですぐに5%を超えてしまい、手の内がバレてしまうため、あえて買わないようにコントロールしていることも考えられます。
<参照> 金融商品取引法
第27条の23(大量保有報告書の提出義務)。「株券等保有割合が5%を超えた場合、5営業日以内に提出」という法的ルールが、大口投資家の行動を制限する物理的な壁となっています。
以上のような理由から、プロはたとえ優良銘柄であっても、小型バリュー株を買わない・買えないんです。
ピーター・リンチなど「伝説の投資家」も小型株を推奨する理由
この「プロが小型株を避ける」という事実は、投資の世界では常識として語られており、以下の成功投資家による書籍においても有名な話です。
『ピーター・リンチの株で勝つ』(著:ピーター・リンチ)
世界で最も成功したファンドマネージャーの一人、ピーター・リンチは、著書『ピーター・リンチの株で勝つ』の中で「機関投資家がまだ気づいていない、あるいは買えない(小さすぎる)株にこそ個人投資家の勝機がある」と明言しています。
『賢明なる投資家』(著:ベンジャミン・グレアム)
バリュー投資の父と呼ばれるグレアムも書籍『賢明なる投資家』で、市場の効率性(プロが見ている場所)と非効率性(プロが見ていない場所)について言及しています。
この本を読んですっごく魅力的に感じたのが、「プロがいない場所」こそが、私たち個人投資家の独壇場じゃん!ってことなんだ!
機関投資家は小型株を買うと、自分自身で株価を吊り上げてしまう等の理由で、優良な小型株でも買いたくても買えません。機関投資家は「大きい会社」しか買えない制約付きです。
一方、私たち庶民派の個人投資家は優秀な小さい会社が買える。
これって、個人投資家の特権ですね。
グレアムさんが説く「本来の価値より極端に安いお宝」って、誰にも気づかれずマーケットで放置されているんです。美味しい牛肉なのに、半額シールが貼られていても多くの人が買わないのと似ていますね。
また、リンチさんの教え通り、いつもの株の生活の中で見つけた小さな会社にこそ、将来成長する原石=テンバガー株が眠っています。
プロが参入してくる前に、割安なまま先に拾っておける。この「先行者利益」を得られることこそ、小型バリュー株投資だけの特権であり、資産形成中の人にとって強い味方になってくれます。
地味で退屈な小型株にこそ、将来の大化け株や、驚くような高配当のお宝が眠っているんだ!ワクワクするね!
個人投資家が「小型バリュー株」に投資するメリット・デメリット

プロが小型バリュー株を買わない理由、わかったよ!でもさ、個人投資家にとってデメリットはないの?

もちろんあるよ。魅力がある一方で注意すべきこともあるから、ここからは、小型バリュー株のメリットとデメリットを紹介するよ!
メリット(強み)
①プロと戦わなくてよい:
小型株の世界は機関投資家や大物投資家脳ようなプロがいないので、プロによる厳しい価格競争がありません。本来の企業価値より安く放置されている割安な「お宝銘柄」がゴロゴロ転がっています
②成長余地(伸びしろ)が大きい:
トヨタ自動車が時価総額60兆円(2026年1月時点)から、2倍の120兆円になるのは大変です。しかし、時価総額100億円の会社が、ヒット商品を出して2倍の200億円になることは珍しくありません。「テンバガー(株価10倍)」は、ほとんどが小型株から生まれます。
③1株買いからならリスク分散しやすい:
昔は「100株単位」でしか買えず、数十万円くらい必要でした。しかし今は、1株(数百円〜数千円)から買えます。お小遣いの範囲で、複数の小型優良株に少しずつ投資することで、リスクを抑えられます。1株買いはネット証券の楽天証券やSBI証券で買えますから、低リスクで小型バリュー株が買えます。
デメリット(注意点)
①情報が少ない(時間がかかる):
市場で小型バリュー株を買い増ししていると、特にわたしが苦労したのは小型株に対する情報量の少なさです。
決算資料や四季報、IR BANKなどで知りたいことを確認している中で、私は個人投資家の情報をネットやSNS、ブログ、書籍も見て投資判断・企業分析することもありますが、小型株は保有する個人投資家が少なく、個人投資家の実体験による情報量が少ないため、銘柄分析に時間がかかります。また、決算書やIRページも大型株に比べて情報量が少ないこともあるため、銘柄分析に時間がかかります。この点は自身の分析力と投資経験が大きく左右されるところです。
②値動きが激しい(ジェットコースター):
参加者が少ないため、誰かが少しまとめて売ると株価が急落したり、誰かがまとめて大量に買うと購入しようとしていたら急伸して買えなかったということも起こります。メンタルが揺さぶられやすいですね・・・。
③流動性リスク(買えない・売れない):
買いたいときに買えない、売りたいときに売れない問題ですね。大型株は流動性が大きく当日中に買えますが、小型株は流動性が小さいので買いたいときに買えない、売りたいときに売れないということが時々起こります。
TJが以前、非常に板の薄い(売買注文の数量が少ない)銘柄を買おうとしたとき、買えなかったことがあるんです。「え!3株だけ注文したのに誰も売る人いなかったの!?」といった苦笑いした経験がありました。
④倒産リスク:
大企業に比べて体力(資金力)が少ないため、不景気や不祥事で経営が傾くリスクは高くなります。「バリュー(割安)」だと思って買ったら、そのまま会社が潰れてしまう「バリュー・トラップ(割安の罠)」に注意が必要です。
以上、機関投資家や大物投資家などのプロが、小型バリュー株を購入しない理由と、メリット&デメリットでした。
まとめ:小型バリュー株の保有も検討しよう
最後にまとめです。
数百億円、数千億円のような大きな金額を扱うようなプロが、小型株を買わない最大の理由は「資金が大きすぎて自由に売買できないから」です。決して「ダメな企業だから」ではありません。
つまり、これは私たち個人投資家だけが、優良なお宝株を安く買える「特権」なのです!
情報が少ないなど小型株独自の注意点はありますが、プロとの競争を避けて、割安な優良銘柄が買えるのは大きな魅力。リスクを抑えつつ、自分だけの掘り出し物を探す旅に出かけましょう。
そして、さらにもう一歩レベルアップ!ここからが、わたしたち個人投資家の出番だよ!
プロが「買いたくても買えない」場所にこそ、個人投資家(特に少額投資家)の大きなチャンスがあります。わたしが小型バリュー株の投資で体験した、失敗しない3つのチェックポイントを次の記事でご紹介いたします。
以上、TJでした!
[編集後記]
ちなみに、TJは2025年4月の暴落で、こんな小型株やバリュー株を買いました。
本サイトは情報の提供を目的としており、投資の勧誘は行っておりません。不利益が生じた際には一切の責任を負いませんので、最終判断は自己責任でお願いいたします。