IR BANKにない過去データ!リーマンショックでも減配しなかった高配当株の調べ方3選
こんにちは!TJです。
株式投資では高配当株投資による配当金収入と、株主優待による優待生活。この2本立てで相場に一喜一憂せず、細く長~く投資生活を送っています。

TJくん、今回はどんなことを教えてくれるの?

2008年のリーマンショック後に、特定の銘柄が配当金を減配したのか、しなかったのか。その確認方法を教えるよ!

確かに、リーマンショックが起きた前後も配当金を減配しなかった銘柄を知りたい!どうやって調べられるんだろう…。
そんなアナタのための記事です。
以前の記事で、高配当株の罠を避けて長く保有するために、必要不可欠な企業分析方法=8つの財務指標の確認方法をお伝えしました。
TJの大損体験もあわせて、下の記事を参考にしてみてください。

今回は、その続き。
銘柄分析のキホンを知ったアナタは、さらにもう一歩レベルアップ!
配当金目的で特定の銘柄を長期保有する場合、安心できる材料の一つが、2008年のリーマンショック後に減配していないことです。

株の経験上、これはTJが安心して長期保有するために、絶対チェックしていることなんだ。
IR BANKは一定期間の各財務指標の推移を見ることができますが、年が経つにつれて過去のデータを見ることができなくなります。
よって、IR BANKに掲載されていない過去のデータは、どうやって調べればいいのか?その確認方法を解説します。
IR BANK以外の方法で、2008年前後の配当推移=減配・配当維持・増配がわかる方法を、一緒に学んでいこうよ!
- 高配当株投資家
- 一度買ったら長期保有
- 2022年から株式投資をスタート
- 小型株とバリュー株が好き
- スーパーの半額シールも好き
減配リスクを避ける最強の防衛策は「2008年」以降をチェック

過去に配当金が減配していないか、ちゃんと配当を維持しているか、もっと欲を言えば毎年のように増配しているかの確認は非常に重要です。
IR BANKの情報だけで1株配当の推移を確認するだけでもOKですが、減配リスクを避ける最強の防衛策は、リーマンショックが起きた「2008年」以降をチェックすることです。
なお、リーマン・ブラザーズが破綻したのは2008年9月15日。株価の回復は約5~6年かかりました。
よって、一つの目安は2008年~2012年。この期間に配当金が減配していないか確認するのがすっごくおススメです。

100年に一度と言われている金融危機。こんな時にも配当金を減らさなかったって、とんでもなく強い会社です。
ほとんどの銘柄で、2008年頃の配当推移に限らず、多くの財務指標がIR BANKではもう見ることができません。
なので、自力でTJが2008年頃の配当推移を調べて、減配していないことがわかったときは究極の安心感を得ることができました。
なぜ「リーマンショック」後の配当推移が重要か?


そもそも、なんでリーマンショック後の配当推移を見た方がいいの?IR BANKだけじゃダメなの?

そこなんだよ。IR BANKだけで確認するのもOKだよ!結論、リーマンショックの時も調べる理由は、大不況でも耐えることができた会社かどうか、本物の「稼ぐ力」がわかるからなんだ。
2026年3月現在、IR BANK等で確認できる直近の過去10年は、比較的景気が良かった時代です。
一方、100年に一度の世界的金融危機と言われた超逆風の時代に、配当金を減配せず、株主にしっかりと配当金支払いを維持していた企業こそ、不況に強い筋肉マッチョな会社です。本物です。
ピンチに立った時、慌てず冷静に行動できる人って頼りになるでしょ。会社も同じなんだ。
ピンチの時こそ稼ぐ力のある会社や、財務盤石で台風の1個や2個、100個きても倒れない会社は超優良銘柄です。
だから、リーマンショックの起きた2008年から、株価がようやく回復してきた2013年頃にかけて、配当金が減配していないか確認すると、より安心材料が増えるんです。夜も安心してぐっすり眠れるんです。
IR BANKにない過去の配当金を調べる方法3選


なるほど!ボクもさっそく、自分が持っている株が2008年から数年間配当金を減らしてないかチェックしてみよう!さっそくその方法知りたいな~。

ここからが、本記事のメインディッシュだよ!
アナタが高配当株投資家としてレベルアップする時間がやってまいりました。
1.有価証券報告書
1つ目の方法は、「有価証券報告書」を確認。
この方法が最も確実で、TJが一番使うやり方です。閲覧も無料。

有価証券報告書って、ナニ?

有価証券報告書は、企業の1年間の成績表のような資料だよ。1年間でいくら稼いだか、どれくらい貯金したのか、会社の弱点や社長の考えなどが書かれているんだ。投資家が「この会社に大切なお金を預けて大丈夫か」を見極めるための、大事な情報源だよ!
2008年以降の配当金の減配・増配・配当維持を確認する場合は、2012年の有価証券報告書をチェックすることをおススメします。
なぜかと言うと、2011年の東日本大震災後の1株配当も一緒に確認できるからです。

東日本大震災の時も経済に影響が出て業績が悪化した企業も多いから、この後も配当を維持している企業かどうか確認すればいいのか。なるほど!
有価証券報告書は当時の直近過去5年間を掲載してくれているため、2012年の有価証券報告書の場合、2008年、2009年、2010年、2011年、2012年の5年間で減配・増配・配当維持が確認できます。
また、リーマンショック後は5~6年でようやく当時の株価水準に回復したことも加味すると、2012年の有価証券報告書で、2008年~2012年の1株配当を見るのがとても効率的です。
TJは今まで数年間の有価証券報告書を見て時間がかかってたけど、たくさん見てきた中で、自分なりの最適解は2012年の有価証券報告書!これが、たどり着いた答えなんだ!
さっそく有価証券報告書の確認手順を解説します。
今回は、伊藤忠商事(8001)を例に挙げます。
有価証券報告書は各企業のIR(投資家情報)ページに掲載されていますので、「企業名+2012年 有価証券報告書」、「企業名+有価証券報告書」、「企業名+IR」等で検索して、資料が掲載されているページたどり着きます。
伊藤忠商事の場合、下記サイトに有価証券報告書を載せています。
伊藤忠商事 第88期 有価証券報告書(2012年4月1日~2012年3月31日)

うわ!見てみたけど、どこを見ればいいのかわからないよ・・・

大丈夫!見るところは、たった1箇所だけなんだ!
有価証券報告書で配当金を調べる方法はカンタンです。
「1株当たり配当額」を検索すればOKです。
PDF上でウィンドウズなら「ctrl+F」、マックなら「Command + F」などで検索窓を出して、検索窓に「1株当たり配当額」と入力して検索しましょう。
すると、下記の1株当たり配当額が掲載されているページが出てきます。

確認方法を解説します。
上記図解の赤枠で示した1株当たり配当額の右に、5年間の1株配当金が書かれています。カッコ内は中間配当です。
中間配当は、企業が年度の途中に株主に支払う配当金のことなんだ。例えば、3月決算なら9月の中間決算後にもらえる配当金で、1株当たり配当額は中間配当+期末配当の合計額だよ。
そして、2012年の有価証券報告書の場合、2012年から過去5年分が書かれているので、黄色枠で示した箇所で2008年~2012年の1株当たり配当額を確認することができます。
今回の伊藤忠商事の場合、2008年リーマンショック~2011年東日本大震災翌年2012年の期間において、1株当たり配当額は下記のように推移していることがわかります。
- 2008→2009年 増配0.5円 18.0→18.5円
- 2009→2010年 減配3.5円 18.5→15.0円
- 2010→2011年 増配3円 15.0→18.0円
- 2011→2012年 増配26円 18.0→44.0円

これは初めて知った調べ方!さっそく今日から使えるね!
このように有価証券報告書には、IR BANKに載っていない過去の配当推移が掲載されているため、とても貴重な資料です。
一つ注意点があります。それが株式分割です。
企業によっては過去に株式分割を行ったことで、現在と過去の配当金額にズレが生じていることもあります。分析を行っている中で現在と過去の配当金にズレがあった場合は、その銘柄がこれまで株式分割をいつ行ったのかも確認するようにしましょう。
今回紹介した伊藤忠商事も2026年1月1日付(効力発生日)で普通株式の1:5の株式分割を実施しているよ。
なお、有価証券報告書は、金融商品取引法(金商法)に基づいてフォーマットが細かく決まっています。
表紙、使う単語、記載すべき項目や順番など、すべての上場企業が同じ様式に従っていますので、見慣れていけば解読難解だった有価証券報告書もだんだんと読みやすくなります。
ちょっと興味深い豆知識を紹介するね。
有価証券報告書って、実はその会社の年間の平均お給料も掲載されています。


わ!すごい!転職や就職活動にも使える情報だ!こうやって見ると、決算資料も興味深くなってくるね!
以上が有価証券報告書を使った配当推移の確認方法でした。
2.会社四季報

2つ目の方法が、過去の会社四季報から1株配当金を調べる方法です。

会社四季報って辞書みたいに分厚い本だよね。アレ、難しそうで読むの苦手なんだよ・・・

全部読む必要ないよ。有価証券報告書と同じで1箇所だけ見ればOKなんだ!一緒に見ていこうよ!
会社四季報も投資家にとって非常に貴重な情報源です。例えて言うなら、日本のマーケットに上場する企業の「成績表」や「プロフィール」です。
業績、財務状況、配当金、株価推移、今後の見通しなどが掲載されており、年4回(3, 6, 9, 12月)発行されます。

でもさ、会社四季報を使ってどうやって2008年頃の配当推移を調べるの?15年前以上とか昔の会社四季報なんてなかなか見つけられないよ。
2008年~2012年頃のような昔の会社四季報は店頭で販売されていません。
2008年~2012年頃の会社四季報はメルカリやアマゾンでも中古本が滅多に売られておらず、入手困難。もし販売されていたとしても、値段が2万円や3万円など異常な価格帯で売られていましたから、中古品もネット購入するのはあまりコスパがよくありません。
よって、最後に残す手段は図書館です。
TJの住まいは神奈川県海老名市。以前、近所の図書館に行って過去の会社四季報があるか確認しました。


残念なことに、過去2年分しかありませんでした・・・
司書さんに確認したところ、海老名では保管していないが、1979年以降の会社四季報であれば、神奈川県立図書館で永久保存しているということでした。
神奈川県立図書館はJRの桜木町、市営地下鉄の桜木町、京急の日ノ出町から歩いて10~15分くらいで着きます。

神奈川県立図書館にはリーマンショック後の翌年2009年の会社四季報もちゃんと貯蔵されているよ。ただ、貸出不可&館内閲覧のみ。参考までに。
よって、昔の会社四季報は比較的大きな図書館にしかなさそうなので、この方法はかなり限られた人しか有効活用できないのが事実です。

さっき教えてくれた有価証券報告書でわかれば、図書館に行かなくてもいいね。

そうだね。「図書館行って昔の会社四季報で調べる方法もあるんだな」という程度に知っておいてね。
一方、今後会社四季報を見る機会もあるアナタのために、会社四季報を使った配当金の確認方法をお伝えします。
会社四季報は著作権の関係で中身は掲載NGのため、イメージ画像を使って解説するね。
会社四季報は見開き1ページに4社の情報が掲載されています。
特定1社のページで、真ん中から下あたりに『業績』っていう表があります(下記イメージ画像参照)。
そこの右端に【配当】、配当金(円)っていう列があるから、その下の表示された数字を見れば1株あたりの配当金が書いてあります。

例えば、上記のイメージ画像で示したフジクラ(5803)っていう上場企業は、こんな風に配当金が増えているのがわかります。
会社四季報も情報量が膨大ですべて解読するのは時間がかかります。ただ、このようにピンポイント的に自分が知りたい情報だけを確認するのに有効活用できます。

数字がたくさんあるけど、ここだけ見ればいいのか!

TJも初めて見た時はギョッ!としたけど、全部知る必要はないんだ。重要箇所さえわかれば、会社の数字も面白く見えてくるよ!
図書館って普段行かない人も多いかもしれませんが、ネットにない情報を調べるために、実際に足を運んで自分の手でアナログ情報を調べた体験はかなり頭に入ってきます。銘柄分析力も養われます。
今後の銘柄分析では、図書館&会社四季報の有効活用もぜひ視野に入れておきましょう。
3.IR室に問い合わせる
最後の調べ方は、IR室に問い合わせる方法です。
これは、時短&最終手段的な役割です。

IR室って、ナニ?

IR室の『IR』は、Investor Relations(インベスターリレーションズ)の略。会社が投資家に対して、経営状態や業績、株主還元、将来の見通しなどの情報を開示・提供する部署のことなんだ。

えっ!上場企業の人に電話していいの?

もちろん!メールでもOKだし、無料で対応してくれるよ!
上場企業のIR担当者に「直接電話していいの?」と思われるかもしれませんが、意外と丁寧に対応してくれます。
IR担当者は自分の会社の魅力をPRする役割もありますし、自分の会社の株を一人でも多くの人に買って欲しいから、必要な情報は可能な範囲で投資家に開示してくれます。
『電話はちょっと苦手』というアナタはメールでもOK。
各上場企業のIRページには、電話問い合わせ先に加えてメールでの問い合わせが設置されているので、知りたい情報がIRページに載っていなかったら有効活用することをおススメします。

有価証券報告書で過去の配当金がわかれば電話しなくてもいいのに、これを教えてくれるってことは、何か理由があるの?

そうなんだよ。実は企業によっては、一定期間を過ぎると古い有価証券報告書を掲載していない場合もあるんだ。だから、そういった時のためにIR室に問い合わせる手段も知っておいて欲しかったんだ。
TJの経験上、2012年以前の有価証券報告書が掲載されていない上場企業が実際に何もいくつもあったので、そういった場合は、IR室に問い合わせる、もしくは図書館で過去の会社四季報を見る。このどっちか2つを使っています。
IR室に問い合わせる場合は、電話もしくはメールで下記のことを伝えます。
- 2012年の有価証券報告書を見ることは可能か?
- 2008年~2013年の1株当たり配当金を質問する
メールで問い合わせる場合は、下記のように問い合わせています。
過去に上記の質問で回答されなかったことはないので、参考にしてください。
番外編:有料サービスの活用
参考情報として、有料サービスを使って過去の配当推移を確認する方法があります。
それが、下記の2つ
- 株探プレミアム
- 東洋経済オンラインのプレミアムプラン
株探プレミアムは、株式分割・株式併合などを加味した過去25期分の「修正1株配当」が確認できます。料金は、月額税込み2,780円。
東洋経済オンラインのプレミアムプランプランは、30期分の業績財務データから1株配当金が確認できます。料金は、月額税込み5,500円です。
いずれも有料で若干割高である一方、まさに投資家が欲しい過去データが入手できます。
TJはどちらも加入してないけど、アナタの投資状況・予算に応じて利用する方法も一つの手だよ。
まとめ:過去のピンチに配当をどうしたか?そこに企業の本性が隠れている
以上が、IR BANKには載っていない「過去の1株配当金」を調べる上級ワザでした。
まとめです。
リーマンショックや東日本大震災という「100年に一度の大ピンチ」の時に、配当金を減らしたのか、維持したのか、それとも増やしたのか。
それを確認する方法は以下の3つ+番外編です。
- 有価証券報告書で調べる
- 図書館で過去の会社四季報をめくる
- 企業のIR担当者さんに直接問い合わせる
- 番外編:株探や四季報のプレミアムプラン(有料)でサクッと調べる
これがTJの投資経験から得られた答えです。

やっぱり手間暇かけて調べる必要があるんだな~。時間がかかりそうでちょっとめんどくさそう・・・
こんな風に思ったかもしれません。

すごく気持ちはわかるんだ。でもね、このアナログなひと手間をかけるからこそ、他の人がほとんど確認していなさそうな情報を入手して「本物の優良銘柄(お宝)」が発掘できるんだ!
大不況・連鎖倒産という荒れ狂うの時代の中で配当を維持できた会社は、普段から借金に頼らず、無駄を省いた「筋肉質な経営(強い免疫力)」を持っていた証拠。
この歴史の事実は、私たちの大切なお金を守る最強の安心材料になってくれます。
ただし、1つだけ注意点があるよ。よく聞いて。
「過去のリーマンショックで減配しなかったから、未来も絶対に安全安心だ!」な~んて魔法の株は存在しません。過去はあくまで過去です。
過去の非減配実績という強い好材料を見つけつつ、必ずセットで8つの財務指標も調べて健康診断してあげてください。
「過去の歴史的危機を乗り越えた実績」と「現在の優秀な財務指標」。
この2つの銘柄分析をクリアした株を握りしめていれば、明日株価が暴落しても「うちの株は強いんだ!」と、夜もぐっすり眠れます。
日々の相場の大きな変動にも一喜一憂せず、アナタの仕事や自分の時間を大切にできる、心穏やかな投資ライフを手に入れましょう。安心材料=強い味方がたくさんあるって、ステキなことですよね。
ちなみに、有価証券報告書のキホンの読み方は、SNS「X」で紹介しているよ。もっと視野を広めたい人は参考にしてね!
以上、銘柄選びの参考にしてみてください。
それじゃ、またね!
【免責事項】この記事はTJ個人の見解や実体験をまとめたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。

