上場企業に問い合わせてみた 高配当株で重要な銘柄分析の体験記

IR BANKや会社のHP見てもリーマンショックが起きた後、配当金が減配したのが、していないのか、わからなかった…。どうやって調べらいいんだろう…。

今回は、そんな人のための記事だよ。
みなさん、こんにちは!
株式投資では高配当株による配当金収入と、株主優待による優待生活。この2本立てで相場の一時的な変動にも一喜一憂せず、細く長~く株式投資を続けているTJ(@miraietj)です。
- 高配当株投資家
- 一度買ったら長期保有
- 2022年から株式投資をスタート
- 小型株とバリュー株が好き
- スーパーの半額シールも好き

TJくん、今回は体験記を教えてくれるみたいだね。

そうなんだ。2008年のリーマンショックで、特定の銘柄が減配したのか、配当を維持したのか、増配していたのかを調べるために、上場企業の担当者に直接問い合わせた実体験を教えるね。
今回の体験記は、前回紹介した記事のつづき。
まだ読んでいない人は以下の記事を参考にしてください。

この記事では、リーマンショックが起きても減配しなかったのか調べる方法を紹介しました。
リーマンショックが起きた2008年~2009年頃の配当推移は、IR BANKでもう見ることができないから、他の方法で調べる必要があります。
そのうちの一つが、当時の有価証券報告書の確認。
有価証券報告書で『1株当たりの配当額』を見れば、IR BANKにはない配当推移が確認できるのですが、企業HPにも有価証券報告書が掲載されていないこともあります。

こういった場合、会社に問い合わせれば、有価証券報告書をもらうことができるんだっけ?

おみごと!正解だよ!

IRの部署って、会社が投資家に経営状態とか業績、将来の見通しなどを開示したり提供したりする部署のことだったな。ふむふむ・・・。

上場企業のIR担当者に問い合わせるって、特に難しいことはないよ!他の人と差がつく企業分析方法を一緒に学んでいこうよ!
体験記:IR担当者に問い合わせてみた

さっそく、IR担当者への問い合わせる手順を解説するね。
問い合わせはメールがおススメ
上場企業のIR担当者に問い合わせる方法は、電話もしくはメールです。
電話で直接尋ねてもいいのですが、TJはメールをおススメします。
なぜかと言うと・・・
- 電話だと時間帯によっては相手が忙しいかもしれないから
- 口頭だと上手く伝わらないかもしれないから
- 資料はメールでもらえるから
こういった理由からです。

電話だと僕も恥ずかしいな。メールの方が安心する!
メールの問い合わせ先はどのようにして見つければいいのかと言うと、上場企業はほとんどの場合、IRページ等にメール問い合わせフォームを設置していますから、そこから必要事項を書いて送信すればOKです。
探し方は、会社のHPからメール問い合わせフォームを探す。もしくは、【企業名 IR メール問い合わせ】等で検索すると、メール問い合わせフォームを比較的簡単に見つけることができます。
銘柄分析で日本電計 (9908)を発見
今回は、日本電計 (9908)という会社に問い合わせた体験をもとに解説します。

日本電計?聞いたことがない会社だなー・・・。いきなりなんでこの銘柄なの?

日本電計は、銘柄分析していく中で見つけたんだ。TJの長期保有する投資スタイルにマッチする可能性が高くて、この銘柄のことをもっと深く知りたかったからなんだ!
日本電計(株)とは?
ここでちょっと、日本電計について簡単に解説。
日本電計は、電気を測る道具を専門に扱う計測機器の商社さんです。 自動車メーカー、家電メーカー、大学や研究所などに製品を販売しています。 例えば、スマホや車がちゃんと動くかをテストするための機械や、電気の流れ・温度・光の強さなどを正確に測る機械を必要な企業や学校に提供して、モノづくりや研究を裏側から支えています。


おおっ!日本電計を会社四季報で調べてみると、『電子計測器専門商社首位』って書いてある。1位の会社ってなんかスゴイなー!
脱・初心者!銘柄分析のキホン
TJが日本電計に着目した点、魅力的に感じたのは、以下の6つです。
- 売上推移が概ね右肩上がり
- EPSも概ね上昇トレンド
- 自己資本利率40%以上
- 現金等が年々増加傾向
- 配当は15年以上非減配&増配傾向
- 配当性向が低い&今後も増配余力あり

これは、過去のブログで教えてもらった銘柄分析で重要な財務指標だね!

そうなんだ!売上高、EPS、営業利益率、自己資本比率、営業活動によるCF、現金等、1株配当金、配当性向。この8つは必ず見るべき財務指標だよ!

でもさ、この会社って営業利益率が低いし、営業活動によるCFの推移も毎年ガタガタで赤字の年も多いよ。これってマイナス評価じゃないの?

よく気づいたね!そこなんだよ。結論、TJはこの2つは悪材料とは考えていないよ。その理由を解説するね。
営業利益率と営業活動によるCFを深堀り

1点目。日本電計の営業利益率の低さについて。
商社はメーカーから仕入れた商品を販売するビジネスモデルであり、売上の大部分が仕入原価として計上されるので、原価率がかなり高い=営業利益率が低い=上場企業平均を下回ります。
よって、営業利益率が低いのは商社の宿命みたいなものです。
事実、三菱商事や伊藤忠商事などの大手総合商社も、営業利益率は上場企業の平均約7%を下回っています。
次に2点目。日本電計の営業活動によるCFの推移で、赤字の年が多い理由について。
日本電計を調べたところ、これも商社ならではの理由があります。
「在庫の増加」と「売掛金」などが挙げられます。
在庫をかかえる会社はお客様からの期待に応えるため、安定的に納品するため、欠品を避けるために、目的をもって在庫を多く抱える傾向にあります。
在庫を増やすと沢山お金を払う必要があるので、現金が流出する=営業CFはマイナスになることもあります。
また、「売掛金」が増えて、その売掛金がお客様から年度内に回収できなかったら、その年の営業CFはマイナスになることも往々にしてあります。

売掛金?回収?ん~~、なんか難しいな・・・

そうだよね。TJも営業活動によるCFを理解するのに苦労したんだ。ちょっとわかりやすい例え話するね。
個人が営む昔ながらのレトロな居酒屋をイメージしてみてください。
居酒屋で常連客が、「大将!今日の飲み代ツケといて!今度払うから!」っていうあのワンシーン。

昭和を感じる会話だなあー笑

飲みに来たお客さんが年度内にツケを払ってくれなかったら、その飲食店はその分の飲食代を赤字として計上します。年度をまたいだ翌期になってツケをこの常連客が払ってくれたとしても、現金は回収できますが、会計ルール上、前期は赤字として計上されてしまうんです。
こういったビジネスモデル上の理由、会計ルール上の理由があるから、売掛金=ツケが多い企業は営業CFがマイナスになってしまうことがあります。

もし、本決算締め直前に受注獲得して売掛金が増えたら、その年度の売上高は沢山増えるけど、年度内にすべての売掛金を回収するのはほぼ不可能。営業活動によるCFの赤字は避けづらい傾向にあるんだ。
以上より、日本電計の営業利益率が低い、営業活動によるCFの推移が良くない。この2つは商社ならではの宿命であり、悪材料ではないというのがTJの見解です。参考にしてください。
このように、業種によって上場企業全体の平均点以下の数値になってしまうことがよくあることなんだ。銘柄分析の経験値を積めば今回のような例外パターンの知識が増えて、だんだんとレベルアップしていくよ!
IR担当者から実際に届いたメール&有価証券報告書
ここからが今日の記事で、特に大切なところだよ!
さっそくIR担当者への問い合わせ方法を順を追って解説します。
まずは、問い合わせ先の確認方法。
【日本電計 IR】等で検索すると、日本電計のIRページが検索結果に出てきます。日本電計のIR室への問い合わせフォームは、IRページトップのやや中段・右側に【お問い合わせ窓口】が掲載されていました。

TJは、ここの問い合わせフォームからIR担当者に問い合わせました。

この各項目に必要事項を記入していきます。
注意点が一つあります。
お問い合わせでは、ほとんどの場合、企業・団体名の記載が必須事項になっています。

えっ!自分の勤務先を伝えなきゃいけないの?
書かなくてOKです。ご安心ください。
アナタが働いている会社の人間として問い合わせるのではなく、私たちは個人投資家として問い合わせます。よって、企業・団体名の記載が必須の場合は、『個人』や、『個人投資家』等で入力すればOKです。
TJはこの記載で、一度もメールが返ってこなかったってことはないから安心して!
その他の必要事項、名前、住所、電話番号、メールアドレスも入力していきます。もちろんウソの入力はゼッタイNG。お相手は上場企業です。個人投資家として敬意を払って正しい情報を入力しましょう。
そして、一番重要な箇所は、お問い合わせ事項です。
なぜ問い合わせるのか?どんな要望か?を、相手にわかりやすく伝えましょう。
下記は、TJが実際に日本電計に問い合わせた内容です。


ホントに問い合わせたんだね。すっごくドキドキしそう・・・
TJも初めて問い合わせた時は、ちょっとドキドキしました。『素人が上場企業の人に問い合わせてもいいんだろうか。無視されないかな。相手にされないかな・・・』なんて思いながら、送信ボタンを押したのを今でも覚えています。
でも、そんな悩みは翌日一気に消えます。
テンション上がるメールが返ってきたんだ!!

上場企業の人すごい!なんて優しいんだ!!
そうです。IR担当者さんが有価証券報告書を送ってくれたんです。
事実、日本電計のIR担当者さんも、TJが問い合わせた翌日にメールを返信していただき、2012年3月期の有価証券報告書も添付してくれました。
その本物のメールがこちらです。

有価証券報告書もメールに添付されていました。

まさにTJが見たかった有価証券報告書に記載のある『1株当たり配当額』が以下の通りです。

この資料がまさに、IR BANKには載っていない過去データ、とても貴重な情報源です。
有価証券報告書。1株当たり配当額の確認方法
読み解くキホンをお伝えしますね!
上記資料の赤枠で示した1株当たり配当額の右に、5年間の1株当たり配当額(上記資料の黄色枠)が書かれています。カッコ内は中間配当です。
そして、2012年の有価証券報告書の場合、2012年から過去5年分が書かれているので、黄色枠で示した箇所は、2008年~2012年の1株当たり配当額を確認することができます。
前回の記事で紹介したように、2012年3月期の有価証券報告書では、2008年のリーマンショックから2011年東日本大震災が起きた翌年2012年までの、計5年間で配当金が減配していないか確認できるため、TJはいつも2012年3月期の有価証券報告書をIR担当者さんに送付依頼しています。
日本電計の場合、ご覧の通り、リーマンショック後の2009年と2010年に減配していました。
一方、東日本大震災後が起きた翌年2012年は増配しています。
リーマンショック後、2年連続減配はちょっと残念でしたが、TJはこれだけ見て投資対象から除外しませんでした。前述でお伝えした通り、好材料もたくさんあるからです。
TJは100点中80点は取れていると良い会社さんって分析しているよ。上場企業に100点取れている会社なんてないんだ。仕事の成果も銘柄分析も80点を目指していこう!これがTJの投資スタイルだよ。
今日から使える!IRへの問い合わせメール例文

とても参考になったよ!僕みたいな個人投資家が、上場企業のIR担当者に問い合わせる場合は、どんな文章で問い合わせればいいかな・・・。

まかせて!TJも実際に使っているテンプレートがあるから、メールで使える例文を紹介するね!
以下が、そのメール例文です。
TJの経験上、上記のような例文の質問で、過去に回答されなかったことはありません。『コピペ用テンプレート』として使えますから、ご活用ください。
なお、問い合わせる時はアナタに意識して欲しいことがあります。
上場企業、IR担当者さんに敬意を払うことです。
私たち個人投資家にとって上場企業は個人投資家の資産を増やしてくれる相手であり、大切な存在です。
アナタが大好きな有名人にメールを送るような気持ちで、IR担当者さんが喜んでくれるようなイメージをしながら、誠実丁寧さを心掛ける&応援したい気持ちを込めて問い合わせましょう。

雑な文章とか、上から目線の文章にならないよう注意してね!
まとめ:長期投資の安心材料を増やそう

おさらいです。
IR BNAKには載っていない過去データの一つ、リーマンショック後の配当推移を確認するには、以下の通りです。
- 会社のIRページから当時の有価証券報告書を確認
- 会社のIRページに当時の有価証券報告書が掲載されていない場合は、IR担当者にメールで問い合わせ
- 有価証券報告書で『1株当たり配当金』を確認
初めてIRの人に問い合わせるってちょっと緊張したけど、すぐに返信&丁寧な返信も嬉しかったし、過去の事実を知ることができて、銘柄分析が今まで以上に楽しくなったんだ!
ただし、注意してくださいね。「たくさん調べたからこの株は確実に安心。」とか思わないように。
絶対、今後も減配しないなんて銘柄はありません。
長期保有するために、ひとつでも多くの安心材料を増やすことを心掛けましょう。
最初は銘柄分析に時間がかかったり、IRに問い合わせるなんてちょっと勇気がいるかもしれませんが、先ほど紹介したメールテンプレを使えば5分で終わります。
アナタも気になっている『優良銘柄候補』があれば、ぜひこの方法で最後の裏付けチェックをしてみて!
最後に、TJが伝えたいこと。
この場にて改めて日本電計のIR担当者さんに感謝の意を伝えさせてください。
私のような個人投資家に貴重なお時間を割いていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
ご対応いただきましたこと重ねてお礼申し上げます。
本当に本当にありがとうございます!!
それでは、次回のブログでお会いしましょう!またね!
【免責事項】この記事はTJ個人の見解や実体験をまとめたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。

