スコアシート

あらた(2733)銘柄分析|株主優待・高配当株スコアシート

あらた(2733)銘柄分析スコアシートのアイキャッチ画像。オレンジと青と黄の三角形をかたどったロゴと社名を掲げ、日用品がぎっしり並ぶ売り場の棚の前でカートを押す母親と女の子を背景に、青と白を基調にした画面に、11年連続増配の高配当株、EPS上昇トレンド、日用品卸売業大手、10年以上営業CF連続黒字という特徴が並んでいる。
TJ
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⚠️ 免責事項

この記事はTJ個人の見解や実体験、決算資料等からまとめたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年8月28日時点。

TJ
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今回は、あらた(2733)を取り上げるよ!日用品・化粧品・ペット用品などを扱う、国内最大手級の総合卸売企業なんだ。11期連続の増配を続ける高配当株で、QUOカードの株主優待もあるんだよ!

2026年3月期の本決算データを反映したから、配当・割安性・株主還元を一緒に見ていこう!

東証プライム | コード 2733 | 卸売業 | 決算月:3月

あらた

高配当株 銘柄分析スコアシート | 2026年3月期(2026年5月公表)

現在株価(2026/08/28 終値)

2,738前日比+7 (↑0.26%)

時価総額 約987億円

配当利回り(予)
4.09%
112円(2027/3期予想)
PER(予)
13.11倍
過去レンジ 約6.9〜14.9倍
PBR(実)
0.74倍
過去レンジ 約0.6〜1.4倍
MIX係数(PER×PBR)
9.70
22.5以下が割安の目安 MIX係数とは?
配当性向(予)
53.6%
2027年3月期 会社予想
(当ブログ算出)
ROE(予)
5.66%
ROA(予)2.01%
営業利益率(前期)
1.31%
卸売業特有の薄利構造(2026/3期)
自己資本比率
35.7%
卸売業として一定水準(2026/3期)

※データ取得日:2026/08/28

🎁 あらたの株主優待制度

100株以上保有で、1,000円相当のQUOカードを年2回(合計2,000円相当)贈呈。

権利確定(年2回) 100株以上
3月末日 QUOカード 1,000円相当
9月末日 QUOカード 1,000円相当
株主優待配当利回り(予)

4.82%

100株
(年配当11,200円+優待2,000円)
÷投資額273,800円

※QUOカードは3月末の株主へ6月下旬、9月末の株主へ11月下旬に発送予定。継続保有の条件はなし。出典:あらた公式IR。株主優待配当利回りは2026/08/28現在。

あらた(2733)はどんな会社?【事業内容】

売り場に商品が並ぶ、その一つ手前を担う会社です。あらたは日用品・化粧品・家庭用品・ペット用品などをメーカーから仕入れ、ドラッグストア、ホームセンター、スーパー、総合スーパーへ卸します。有価証券報告書によれば、グループは連結子会社16社と持分法適用の関連会社2社。卸すだけでなく、メーカーと共同で企画した広告提案をお得意先へ持ち込み、その広告と店頭の売り場が連動するように店頭管理まで引き受ける事業(店頭管理・フィールドサポート事業)も持ちます。決算期は3月、東証プライムに上場しています。

📈 株価・PER・配当10年チャート

2733 あらた|10年
株価(円) 1株配当(円) PER(倍) 当月点
出典:IR BANK・Yahoo!ファイナンス
数値データを見る(表)

※株式分割を反映した調整後ベースの値です。株価は各年度末時点の値です。最新の株価・指標はページ上部のスコアシートをご覧ください。出典:IR BANKYahoo!ファイナンス

年度株価(円)1株配当(円)PER(倍)
2017/03151532.59.16
2018/03298037.514.93
2019/031908409.60
2020/03231342.511.20
2021/03245347.510.21
2022/03182360.56.91
2023/032028688.42
2024/03330092.510.89
2025/03313510210.13
2026/0329661129.80
株勉強中 ショウくん
株勉強中 ショウくん

あらたの配当、きれいな右肩上がりだね!株価に対して配当利回りも高めで、PERも10倍前後と低めだから割安に見えるよ。

TJ
TJ

いいところに気づいたね。あらたは分割調整後で11期連続の増配を続けていて、配当の安定感が魅力なんだ。ただ、2024年1月に1対2の株式分割をしているから、1株あたりの配当額は分割の前後で見え方が変わる点だけ頭に入れておこう。

PERが業種平均より低めなのも事実だけど、なぜ低いのかも合わせて確かめていきたいね!

📊 配当性向・配当利回り 10年推移

2733 あらた|10年
配当性向(%) 配当利回り(%)
出典:IR BANK・決算資料
数値データを見る(表)

※株式分割を反映した調整後ベースの値です。年次の確定値のみを掲載しています。出典:IR BANK・決算資料

年度配当利回り(%)配当性向(%)
2017/032.1519.6
2018/031.2618.8
2019/032.1020.1
2020/031.8420.6
2021/031.9419.8
2022/033.3222.9
2023/033.3528.2
2024/032.8030.5
2025/033.2533
2026/033.7837

📊 EPS・営業利益率・ROE 10年推移

2733 あらた|10年
EPS(円) 営業利益率(%) ROE(%)
出典:IR BANK・決算資料
数値データを見る(表)

※株式分割を反映した調整後ベースの値です。年次の確定値のみを掲載しています。出典:IR BANK・決算資料

年度EPS(円)営業利益率(%)ROE(%)
2017/03165.461.058.16
2018/03199.541.218.90
2019/03198.841.188.58
2020/03206.501.178.68
2021/03240.271.389.01
2022/03263.791.499.37
2023/03240.771.448.06
2024/03303.011.549.41
2025/03309.521.528.89
2026/03302.731.318.16

📊 BPS・自己資本比率 10年推移

2733 あらた|10年
BPS(円) 自己資本比率(%)
出典:IR BANK・決算資料
数値データを見る(表)

※株式分割を反映した調整後ベースの値です。年次の確定値のみを掲載しています。出典:IR BANK・決算資料

年度BPS(円)自己資本比率(%)
2017/032027.2126.7
2018/032142.6829.3
2019/032273.4033.0
2020/032430.6633.2
2021/032666.3535.6
2022/032815.6535.4
2023/032988.5035.1
2024/033252.2434.6
2025/033490.4637.4
2026/033707.8935.7
しばっち
しばっち

でもさ、あらたって営業利益率が1%台しかないんだよね。これってちょっと心配じゃないの?

TJ
TJ

鋭い視点だね。これは卸売業ならではの構造なんだ。メーカーから商品を仕入れて小売に届けるのが卸の仕事だから、売上は1兆円規模でも、その大半は仕入れ代金。利益として残るのはごくわずかで、利益率が低く出るのは業界共通なんだよ。

だから利益率の絶対値より、薄い利益率でも安定して稼ぎ続けられているか、自己資本比率を着実に高められているかを見るのが大事。あらたはそこは堅実なんだ。

株勉強中 ショウくん
株勉強中 ショウくん

薄利でもしっかり利益を出して、増配まで続けられているのはすごいね!

TJ
TJ

そうだね。配当性向は30%前後を目安にしていて、増配の余力もまだある。ただし2027年3月期は会社予想で減益を見込んでいるから、利益の動きはこれからも要チェックだよ。

📋 財務指標 分析一覧

指標 評価
売上高 日用品・化粧品・ペット用品などの総合卸として国内最大手級。直近10年で着実に拡大し、2026年3月期に売上高1兆円台へ到達した。2027年3月期も会社予想で増収。
経常利益 卸売業の薄利構造で、売上規模に比べ利益額は小さい。2026年3月期は前期から減益となり、2027年3月期も会社予想105億円とさらなる減益見通し。
EPS 長期では増加基調だが、2027年3月期は会社予想209.10円と前期から減益見通し。利益のブレが大きい点は卸売業の特徴。
ROE 過去10年はおおむね8〜9%台で安定して推移しており、卸売業として標準的な水準。来期は減益予想を映して低下が見込まれる。
ROA 在庫や売上債権など総資産が大きい卸売業のビジネスモデルのため、ROAは低めに出やすい構造。
営業利益率 卸売業特有の薄利構造で、おおむね1%台で推移。わずかなコスト変動が利益額に大きく影響する。
売上原価率 商品仕入が大半を占める卸売業のため、原価率は約9割と高い水準。仕入条件や物流効率が収益を左右する。
自己資本比率 過去10年で20%台後半から30%台後半へ着実に改善。卸売業として一定の健全性を備える。
利益剰余金 直近10年で着実に積み上がっており、内部留保は厚みを増している。還元と成長投資の余力につながる。
有利子負債 運転資金の性格が強い借入が中心。直近期は仕入の拡大などで増加しており、金利上昇局面では負担増に留意したい。
BPS 分割調整後で着実に増加している。PBRは1倍を下回っており、純資産価値の面からは割安圏にある。
営業CF 年により振れはあるが安定してプラスを確保しており、本業の現金創出力は底堅い。直近期は拡大した。
投資CF 物流センター等への設備投資が中心。供給網の強化に継続的に資金を投じている。
財務CF 配当や自己株式取得などの株主還元と、借入の動きを反映している。
現金等 手元資金は厚みを増しており、還元と運転資金の原資となっている。
配当推移(10年) 分割調整後で2016年3月期から2026年3月期まで11期連続増配を継続(実績)。2027年3月期も会社予想で前期と同額の配当を計画している。
配当性向 過去10年はおおむね20〜37%で、利益の成長に合わせて緩やかに引き上げ。連結配当性向30%を目安とする方針。
自己株式の取得 近年は自己株式取得も機動的に実施し、配当と組み合わせた株主還元を進めている。
PER推移(10年) 年度末ベースでおおむね7〜15倍で推移。足元の予想PERは過去レンジの中位で、業種平均と比べても際立った割高感はない。
PBR推移(10年) 過去10年はおおむね0.6〜1.4倍で推移。足元は1倍を下回り、純資産価値の面からは割安圏にある。
配当利回り推移 増配の継続とともに、年度末ベースの配当利回りは長期で切り上がってきている。
リーマンショック後
の配当推移
あらたは複数の卸が統合して2002年に発足した比較的新しい会社で、リーマンショック前後の2008〜2009年3月期は統合の負担もあり営業赤字を計上した。配当は2010年3月期以降で確認でき、その後は増配基調にある。景気の影響を受ける一面があり、ディフェンシブ一辺倒の銘柄ではない点は押さえておきたい。
株主還元方針 連結配当性向30%を目安に、安定配当と増配を図る方針(分割調整後で11期連続増配)。自己株式取得やQUOカードの株主優待も組み合わせた還元を行っている。
株主優待 3月末・9月末を権利確定日とし、100株以上の株主にQUOカード1,000円相当を年2回(年間2,000円相当)贈呈。継続保有の条件はなし。出典:あらた公式IR
セグメント 日用品・化粧品・家庭用品・ペット用品などの卸売事業が中心。メーカーと小売をつなぐ流通の中核を担う。
海外売上比率 国内事業が中心。全国の小売・ドラッグストア網への供給を主軸に事業を展開している。

▼ くわしくデータを見る

出典:IR BANKYahoo!ファイナンス株探決算短信・あらた公式IR

株勉強中 ショウくん
株勉強中 ショウくん

配当に加えてQUOカードの優待までもらえるのは嬉しいね!普段の買い物にも使えるし。

TJ
TJ

そうなんだ。あらたは100株以上を持っていると、3月末と9月末の年2回、1,000円分のQUOカードがもらえる。年間で2,000円相当だね。配当と優待を合わせた「株主優待配当利回り」で見ると、その水準は一段と高くなるよ。

とはいえ主役はあくまで配当。優待はうれしいおまけ、くらいの距離感で見ておくのがちょうどいいと思う。

しばっち
しばっち

来期は減益予想なんだよね。そこはやっぱり気になるなあ・・・。

TJ
TJ

大事な視点だね。卸売は利益率が薄いぶん、仕入れや物流のコストが少し動くだけで利益が大きく振れやすい。来期の減益予想も、その表れなんだ。

それでも会社は増配の方針を崩していないし、生活必需品を扱う事業の底堅さもある。良い面と注意点をセットで見て、最後は総合的に判断していこう!

🏆 あらた(2733)総合評価

業績・財務・キャッシュフロー

2026年3月期の数字は、桁の違う2つが並びます。売上高1兆47億円、営業利益132億円。売上の1%あまりしか営業利益として残らない構えで、営業利益率は1.31%でした。商品を仕入れて小売へ届ける卸売業では、売上の大半が仕入代金として出ていきます。1株当たり利益(EPS)は302.73円、経常利益は135億円、純利益は101億円です。

10年でみると、売上高は2017年3月期の7,046億円から1兆47億円へ、およそ1.4倍。EPSは165.46円から302.73円へ、およそ1.8倍になりました。売上より利益のほうが速く伸びた10年です。営業利益率も1.05%から1.31%へ上がっています。ただし直近だけを切り取ると向きが逆で、営業利益は2025年3月期の150億円から2026年3月期は132億円へ減りました

財務は10年かけて厚くなりました。自己資本比率は2017年3月期末の26.7%から2026年3月期末の35.7%へ、1株当たり純資産(BPS)は2,027.21円から3,707.89円へ。もっとも直近の1期に限れば、自己資本比率は37.4%から35.7%へ下がっています。ROEは10期を通じて8〜9%台で、大きく振れずにきました。

2026年3月期のキャッシュフローは、営業が約187億円のプラス、投資が約128億円のマイナス、財務が約101億円のプラスでした。手元の現金などは約386億円です。卸売業は在庫と売掛金に資金が寝るため、利益の額とその期に入ってくる現金の額はしばしばずれます。

気をつけたいのは、次の期に会社が置いた前提です。2027年3月期の会社予想は売上高1兆300億円で増収。ところが営業利益は110億円、経常利益105億円、純利益70億円と、いずれも2026年3月期を下回る計画です。EPSは302.73円から209.10円へ、3割ほど下がる想定になっています。会社の見通しであって、確定した数字ではありません。

割安性・投資タイミング

株価の評価について、当ブログでは、ベンジャミン・グレアムが著書『賢明なる投資家』で示した割安の目安(PER×PBR、すなわちMIX係数が22.5以下)を判断のものさしとしています。

各期末の終値と、その期のPER・BPSからMIX係数を当ブログで計算し直すと、10期の値は4.5(2022年3月期末)から20.8(2018年3月期末)の幅に収まりました。目安の22.5を超えた期は、10期で一つもありません。ただし期末の値は、1年に1日だけの記録です。現在の株価にもとづく値は、ページ上部のスコアシートに掲載しています。

一方、純資産と比べた値段のほうは、行ったり来たりしてきました。同じ計算で期末のPBRを並べると、1倍を超えたのは2018年3月期末(1.39倍)と2024年3月期末(1.01倍)の2期だけで、残る8期は1倍を下回っていました。純資産の額より安い値段が常態で、たまに1倍を超える——そういう並び方をしてきた10年です。

扱う商材は違っても、商流のなかの立ち位置は同じです。そういう会社と見比べてみます。取り上げるのは、化学品や合成樹脂を扱う専門商社の稲畑産業と、中古車の輸出を主力とするオプティマスグループの2社です。

■ 仕入れて渡す商売・卸売3社との比較

銘柄PER(予)PBR(実)配当利回り(予)営業利益率基準日
あらた(2733)13.11倍0.74倍4.09%1.31%2026/08/28
稲畑産業(8098)11.10倍0.97倍3.28%3.10%2026/08/28
オプティマスグループ(9268)9.24倍0.70倍4.17%3.12%2026/08/28

※卸売業のごく一部との比較です。各社の数値は当ブログの各スコアシート記事より。営業利益率は3社とも直近本決算=2026年3月期の実績、PER(予)と配当利回り(予)は3社とも2027年3月期の会社予想にもとづきます。※各社のスコアシートは更新日が異なるため、基準日は銘柄ごとに違います。表の右端でご確認ください。銘柄名からリンク先の記事で詳細を確認できます。※3社の順位は株価によって入れ替わります。

あらたが有価証券報告書のリスク一覧の筆頭に置いているのは、競争そのものではなく「競争に対応するための投資コスト」です。業界の再編や物流のやり方の変化に合わせて新しい設備を入れ続ける必要があり、その減価償却費が業績に効く、と書かれています。営業利益率1.31%という数字は、荷物を流すための設備と人手を抱えたうえで残る取り分です。同じ卸売業でも、稲畑産業とオプティマスグループの3%前後と比べると、あらたの水準は低めに位置しています。

株価から計算した3つの列は、それぞれ違う向きを指しています。表に載せた基準日の株価では、純資産に対する評価(PBR)は3社とも1倍に届いておらず、なかでもあらたとオプティマスグループが低い側でした。配当利回り(予)はあらたが高め、利益に対する評価(PER)は逆にあらたが高いほうです。

見落としやすいのは、予想にもとづく2列が立っている土台のほうです。あらたについては2027年3月期の会社予想(純利益70億円・1株配当112円)が前提で、この期の利益は前の期を下回る計画になっています。利益が減る前提で計算されたPER(予)と、配当を据え置く前提で計算された配当利回り(予)が、同じ表に並んでいる形です。

配当・株主還元

11期積み上げてきた増配の並びが、ここで一度平らになります。2027年3月期の会社予想は前の期と同額の112円で、増配は計画されていません。株式分割の調整後で2016年3月期から2026年3月期まで続いた増配が、予想の段階ではいったん止まります。減配ではありませんが、毎期増えることを前提にはできなくなった、ということでもあります。

積み上がり方そのものは力強いものでした。分割調整後で2017年3月期の32.5円から2026年3月期の112円へ、10年でおよそ3.4倍。途中の2022年3月期には20周年の記念配当が上乗せされていますが、記念のぶんを除いた普通配当だけで見ても前の期を上回っており、並びは崩れません。

配当性向のほうは、様子が変わってきました。2017年3月期の19.6%から2026年3月期は37.0%へ。会社は連結配当性向30%を目安とする方針を掲げていますが、2027年3月期は利益が減る前提のまま配当を据え置くため、配当性向は5割を超える計算になります。増配が止まったというより、利益の減りぶんを配当が受け止めている、という形です。自己株式の取得も組み合わせています。いずれも会社の方針と計画であって、将来の配当を確約するものではありません。

注意点・リスク

リスクの一覧を上から読んでいくと、3番目で手が止まります。有価証券報告書(第24期・2026年6月19日提出)は14項目を挙げており、その3番目が「ペット生体の需給動向について」。犬や猫を繁殖する事業者が減って供給が細ったり、飼育頭数そのものが減ったりすると、ペットフードや用品の売上に響くと書かれています。日用品の卸という言葉から想像しにくい項目ですが、それだけペット関連が事業の一角を占めているということです。

1番目と2番目は、もっと足元の話です。1番目の「競争激化による投資コストの増加」は、業界再編や物流形態の変化に対応するための新規事業進出・設備投資が必要になり、減価償却費の増加が業績に影響しうるという内容。2番目の「業績変動」では、第4四半期は売上・利益が低下する傾向にあると会社自身が説明しています。12月の消費需要の反動と、2月の営業日数が少ないことが理由に挙げられています。四半期の数字を単純に4倍しても年間の姿にはならない、ということです。

以降は、商慣習によるリスク、ペットフードの安全性、カントリーリスク、信用リスク、減損会計、投資有価証券の株価変動、大規模災害、システムトラブル、感染症等の流行、気候変動、人的資本と続きます。ここに、会社が挙げていない論点をもう一つ添えておきます。営業利益率が1%台ということは、売上に対して1%のコストが増えるだけで営業利益がほぼ消える計算になる、という意味でもあります。燃料費や人件費、物流の委託料が動いたときの効き方は、利益率の高い業種とは違います。取扱高の大きさと、手元に残る利益の薄さは、セットで見ておきたいところです。

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あらた(2733)のよくある質問

Q. あらたの営業利益率が1%台なのは、業績が悪いということですか?

A. 商品を仕入れて小売へ届ける卸売業のため、売上のほとんどが商品の仕入代金になります。2026年3月期は売上高1兆47億円に対して営業利益132億円でした。過去10期の営業利益率も1.05〜1.54%の範囲で、この水準が平常運転です。

Q. あらたの増配は、これからも続く予定ですか?

A. 2027年3月期の会社予想は前の期と同額の112円で、増配は計画されていません。株式分割の調整後で2016年3月期から2026年3月期まで11期続いた増配は、いったん止まる見通しです。会社の予想であり、確定した金額ではありません。

Q. あらたの株主優待は、どうすればもらえますか?

A. 100株以上を持っていれば対象で、継続保有の条件はありません。3月末と9月末が権利確定日で、それぞれ1,000円相当のQUOカードが届きます。3月末分は6月下旬、9月末分は11月下旬の発送予定です。

Q. あらたが有価証券報告書で挙げているリスクは何ですか?

A. 14項目です。最初は競争激化による投資コストの増加、次が業績変動、3番目にペット生体の需給動向が並びます。ほかに商慣習、ペットフードの安全性、信用リスク、大規模災害、システムトラブル、気候変動などが挙げられています。

▼ 質問と回答をすべて見る

💬 【TJの視点】

TJTJ(運営者・個人投資家)

私は、日用品を全国の小売店へ届ける「流通の裏方」として、あらたに面白さを感じている1社です。

派手さはありませんが、売上1兆円規模の事業を薄い利益率で着実に回し、分割調整後で11期連続の増配と株主優待まで続けている堅実さは、長くお付き合いするうえで見どころが多いと感じています。

積極的に買い増しを検討したい銘柄ではありますが、毎月の入金力・他銘柄で買い増し優先度の高い監視銘柄、じぶんPFのバランス調整、今期の業績進捗と株価推移等、広い視点で監視していく考えです。

これはあくまで私の一つの見方ですので、最後はあなた自身でよく考えて判断してくださいね。

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