アイカ工業(4206)銘柄分析|配当金・高配当株スコアシート
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この記事はTJ個人の見解や実体験、IR BANKや決算資料からまとめたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年5月22日時点。
今回は、18年連続して増配を続ける高配当株、アイカ工業(4206)を紹介するよ!メラミン化粧板などの建装建材と、接着剤・樹脂などの化成品を手がける会社さんで、日経連続増配株指数にも採用されているんだ!
2026年3月期の本決算データも反映させたから、各財務指標を一緒に学んでいこうよ!
東証プライム | コード 4206 | 化学 | 決算月:3月
アイカ工業
高配当株 銘柄分析スコアシート | 2026年3月期(2026年5月公表)
現在株価(2026/05/22)
3,439円
時価総額 約2,324億円
📈 株価・PER・配当10年チャート

業績は伸びているのに、株価はずっと3,000円台で大きく動いていないね?

いいところに気づいたね!売上も利益も10年で大きく伸びたのに株価が追いついていないから、PERはどんどん下がって、今は10年で一番割安な水準になっているんだ。10年以上連続増配の高配当株として、魅力度もアップしているよ!
📊 配当性向・配当利回り 10年推移
📊 EPS・営業利益率・ROE 10年推移
📊 BPS・自己資本比率 10年推移

自己資本比率が昔よりだいぶ下がってきてるね。財務は大丈夫なのかな?

鋭いね!これはアイカ工業が海外企業のM&Aに積極的にお金を使ったからなんだ。借入は増えたけど、その分、海外で稼ぐ力も大きくなっているよ。手元の現金も546億円としっかり確保しているから、過度に心配する必要はないんだ!
📋 財務指標 分析一覧
| 指標 | 評価 |
|---|---|
| 売上高 | 2017年3月期1,516億円→2026年3月期2,518億円と、10年で約1.7倍に拡大。化成品・建装建材の両事業の成長と海外M&Aが寄与した。2027年3月期は2,800億円を会社予想。 |
| 経常利益 | 2017年3月期184億円→2026年3月期301億円と、10年で約1.6倍。2021年3月期に一時減益となったが、その後は最高益の更新が続く。2027年3月期予想は320億円。 |
| EPS | 2017年3月期169.47円→2026年3月期296.48円。利益成長を反映して着実に拡大している。2027年3月期予想は293.95円。 |
| ROE | 2026年3月期9.73%。過去10年は6.9~10.5%台で推移しており、化学業として標準的な水準にある。 |
| ROA | 2026年3月期5.68%。総資産が拡大する局面でも5~7%台を維持している。 |
| 営業利益率 | 2026年3月期11.58%。過去10年レンジ8.5~11.9%。2023年3月期に原材料高で低下したが、その後は回復している。 |
| 売上原価率 | 2026年3月期71.7%。過去10年レンジ70~77%。原材料価格によって年度ごとに変動する。 |
| 自己資本比率 | 2026年3月期末58.4%。2017年3月期末の69.8%から低下したが、これはM&Aに伴う有利子負債の増加が主因。化学業として依然良好な水準。 |
| 利益剰余金 | 2017年3月期末876億円→2026年3月期末1,472億円と、10年で約1.7倍。内部留保を着実に積み上げている。 |
| 有利子負債 | 2026年3月期末365億円(有利子負債比率19.15%)。前期末の102億円から急増。海外企業の買収資金が主因で、金利動向には注意が必要。 |
| BPS | 2026年3月期末3,010.3円。1株当たり純資産は10年で着実に拡大している。前日終値ベースのPBRは1.14倍。 |
| 営業CF | 2026年3月期87.8億円。前期の268億円から減少したが、過去10年は概ね117~285億円のレンジで、本業の現金創出力は健全。 |
| 投資CF | 2026年3月期-275億円。海外M&Aと設備投資により、過去10年で最も大きな投資となった。 |
| 財務CF | 2026年3月期+108億円。投資資金を借入で調達したため、近年では珍しくプラスとなった。 |
| 現金等 | 2026年3月期末546億円。大型投資の後でも500億円超の手元資金を確保しており、流動性は厚い。 |
| 配当推移(10年) | 2027年3月期計画で18年連続増配&28期連続減配なし。2017年3月期85円→2026年3月期138円と、10年で約1.6倍に増配。2027年3月期は予想140円で、リーマンショック後もコロナ禍も増配を続けている貴重な銘柄。 |
| 配当性向 | 2026年3月期46.5%。過去10年は46~69%台。アイカ工業は連結配当性向50%程度を目安としている。 |
| 自社株買い | 2023年3月期40億円、2025年3月期40億円、2026年3月期60億円と、近年は自社株買いを積極化している。 |
| PER推移(10年) | 年度末ベースで2021年3月期24.2倍→2026年3月期12.2倍まで低下。前日終値の予想PER11.70倍は過去10年で最も低い水準にある。 |
| PBR推移(10年) | 前日終値ベースで1.14倍。過去10年の年度末レンジ(1.19~2.10倍)をも下回る最低圏にあり、株価の評価水準は切り下がっている。 |
| 配当利回り推移 | 2017年3月期2.9%→2026年3月期3.81%(年度末)と上昇。前日終値ベースの予想利回りは4.07%と過去最高水準。 |
| リーマンショック後 の配当推移 |
2008年3月期28円・2009年3月期28円・2010年3月期30円・2011年3月期32円・2012年3月期34円。リーマンショックを挟んだ時期も一度も減配せず、配当を維持・増配した(第112期有価証券報告書)。 |
| 株主還元方針 | 株主還元方針は累進配当を採用。連結配当性向50%程度を目安に安定的な配当を継続。近年は機動的な自社株買いも組み合わせ、2026年3月期の総還元性向は78.9%となった。 |
| セグメント | 「化成品」と「建装建材」の2セグメント。2025年3月期は化成品売上1,386億円・建装建材売上1,101億円。建装建材は営業利益率約20%と高収益の柱。 |
| 海外売上比率 | 2025年3月期の海外売上は約1,194億円で、全体の約48%。アジア・オセアニアと中国を中心に、グローバルに事業を展開している。 |
出典:IR BANK・Yahoo!ファイナンス・決算短信
🏆 アイカ工業(4206)総合評価
【業績・財務・キャッシュフロー】
2026年3月期は売上高2,518億円(前期比+1.2%)・営業利益291億円(同+6.3%)と増収増益で、営業利益・経常利益・純利益がそろって過去最高を更新した。1株当たり利益(EPS)は296.48円、営業利益率は11.58%である。財務面では、自己資本比率58.4%・利益剰余金1,472億円・現金など546億円と良好な水準を保つ。一方、海外企業のM&Aや設備投資により有利子負債は前期末の102億円から365億円へ増加した。営業キャッシュフローは87.8億円と前期の268億円から大きく減少したが、これは投資キャッシュフローが-275億円となる大型投資が重なったためである。
【割安性・投資タイミング】
アイカ工業の予想PERは、前日終値ベースで11.70倍である。一般に適正とされる15倍前後を下回り、化学セクターの業種平均PER16.8倍(株探・2026年5月22日時点)と比べても明確に低い。過去10年の年度末PERは12.21~24.21倍のレンジで推移してきたが、現在の11.70倍はこのレンジの下限すら下回る、10年で最も低い水準にある。
売上高は10年で約1.7倍に拡大し、2026年3月期は営業利益・経常利益・純利益がそろって過去最高を更新しているにもかかわらず、株価が業績の伸びに追いついていない。PBRは1.14倍、PERとPBRを掛け合わせたMIX係数は13.34で、割安の目安とされる22.5を大きく下回る。好調な業績と低いバリュエーションをあわせて見れば、現在は割高で高値づかみしやすい局面ではなく、長期のバリュー投資では買いやすい水準にあるといえる。
【配当・株主還元】
配当は2017年3月期85円から2026年3月期138円へと、10年で約1.6倍に増配を続けてきた。累進配当を掲げており、18期連続増配・28期連続減配なし。2027年3月期は予想ベースで140円とされ、増配基調が続く見通しである。2026年3月期の配当性向は46.5%で、会社は連結配当性向50%程度を目安としており、無理のない水準にある。さらに近年は自社株買いにも積極的で、2026年3月期は60億円規模の自己株式取得を実施し、配当と合わせた総還元性向は78.9%に達した。前日終値ベースの予想配当利回りは4.07%と過去最高水準で、リーマンショックを挟んだ2008~2012年も一度も減配していない。
【注意点・リスク】
最大の注意点は、海外M&Aに伴う財務構造の変化である。有利子負債は1年で102億円から365億円へ増加し、自己資本比率も10年前の約70%から58.4%へ低下した。返済不能なほどの水準ではないが、金利動向とあわせて推移を見ておきたい。事業面では、売上の大きい化成品セグメントの営業利益率が約7%と建装建材(約20%)に比べて低く、収益性の改善が課題である。また海外売上比率が約48%とアジアを中心に高いため、為替や現地経済の動向に業績が左右されやすい。営業キャッシュフローも年により変動が大きい点は意識しておきたい。
⚠️ 免責事項
この記事はTJ個人の見解や実体験、IR BANKや決算資料からまとめたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年5月22日時点。


