九州リースサービス(8596)銘柄分析|配当金・高配当株スコアシート
⚠️ 免責事項
この記事はTJ個人の見解や実体験、IR BANKや決算資料からまとめたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年5月22日時点。
東証スタンダード | コード 8596 | その他金融業(リース)
九州リースサービス
高配当株 銘柄分析スコアシート | 2026年3月期(2026年5月公表)
現在株価(2026/05/22)
1,445円
時価総額 約369億円
※データ基準日:2026年5月13日現在
📈 株価・PER・配当10年チャート
株価(左軸・折れ線)・1株配当(右軸・棒グラフ)・PER(右軸・点線) ※株価は期末高安の中間値・分割調整済み
📊 配当性向・配当利回り 10年推移
📊 EPS・営業利益率・ROE 10年推移
📊 BPS・自己資本比率 10年推移
📋 財務指標 分析一覧
| 指標 | 評価 |
|---|---|
| 売上高 | 2016年194億円→2025年393億円と10年で2倍に拡大。九州・西日本の地場リース会社として堅実な成長が続く。2026年予350億(微減)は正常化の一時的な調整か。 |
| 経常利益 | 2016年28億→2025年56億と売上を上回る速度で成長。2026年予57.5億とほぼ横ばいが見込まれ、高水準の収益が維持されている。 |
| EPS | 2016年76.81円→2025年158.15円と10年で2倍超に成長。2023年に258円のピークを付けた後、2025年は正常化。2026年予183.6円と再び回復傾向。 |
| ROE | 予9.26%は安定的な水準。2023年に15.61%のピーク後、現在は適正水準に落ち着いている。リース会社として10%前後を維持できれば優良。 |
| ROA | 予1.91%はリース業として標準的な水準。巨額の貸付資産を抱える業種特性上、低く見えるが問題なし。同業他社比較でも遜色ない。 |
| 営業利益率 | 2025年3月期14.4%は、リース業として非常に高い水準。付加価値の高い不動産・ファイナンス事業が利益率を押し上げており、事業ミックスの良さが際立つ。 |
| 売上原価率 | リース会社の「売上原価」はリース物件の調達・減価償却費が主体。一般製造業とは性質が異なり、金利動向やリース残高の伸びに連動して変動する特性がある。 |
| 自己資本比率 | 2026/3期20.6%はリース・金融業として適正水準。一般事業会社と比較すると低く見えるが、業種特性上これが正常。10年前の9.64%から倍増しており、財務健全性は着実に改善中。 |
| 利益剰余金 | 2026/3期417億4,000万円と着実に積み上がっている。毎期の利益を堅実に内部留保しており、財務基盤の強化と将来の成長投資余力の確保が同時に進んでいる。 |
| 有利子負債比率 | 333.8%はリース会社として極めて正常な水準。顧客へのリース提供のために銀行借入が必要な業種構造であり、これは危険信号ではなくビジネスモデルそのもの。金利上昇局面での調達コスト増加には注意。 |
| BPS | 2026/3期2,005.84円。現在のPBR0.71倍はBPS2,005円に対して株価1,406円と約599円割安な状態。純資産を下回る株価での買いは長期投資家にとって魅力的。 |
| 営業CF | マイナスが続くがこれはリース会社特有の会計上の特性。リース債権の増加(=事業拡大)が使用による現金として計上されるため。実態はリース料収入が着実に積み上がっており問題なし。 |
| 投資CF | ほぼゼロ圏で安定。リース会社は物件を顧客に貸し出す性質上、自社設備投資は少ない。身軽な資本構造が高い資本効率を支えている。 |
| 財務CF | プラスが継続。リース債権の拡大に合わせた資金調達(銀行借入)が主体。事業成長とともに財務活動が活発化しており、資金繰りの安定性が確保されている。 |
| 現金等 | 2026/3期63億2,500万円(前期比+28.9%)と大幅増加。急速に積み上がった手元流動性は、追加増配・自社株買い・新規事業投資への対応余力として機能する。 |
| 配当推移(10年) | 2010年7.5円→2016年10円→2023年25.5円→2025年53円→2026年予58円と累進増配継続。10年で5.8倍に拡大した配当成長率は、高配当株として第一級の実績。 |
| 配当性向 | 2025年3月期33.5%と余裕あり。利益の3分の1程度で配当をカバーできており、業績が多少悪化しても減配リスクは低い。DOE3.0%以上の方針で純資産対比での配当も担保されている。 |
| 自社株買い | 2023年・2024年に各2.83億円を実施。配当と組み合わせた総合還元姿勢が定着しつつある。小型株ゆえ自社株買いの株価押し上げ効果も期待できる。 |
| PER推移(10年) | 直近7.66倍は過去レンジ(2.17〜15.05倍)の中位圏。2023年に3.1倍という異例の割安状態を経験後、適正水準に戻りつつある。割安・割高の判断をするうえでまだ買いやすい水準。 |
| PBR推移(直近) | 0.71倍は過去レンジ(0.28〜1.00倍)の中位。PBR1倍割れは純資産より株価が低い「解散価値以下」の状態。東証の改善要請もあり、長期的にはPBR1倍回帰の余地が大きい。 |
| 配当利回り推移 | 直近4.36%は累進配当方針の恩恵を受けた高水準。過去の同社の利回りと比べても上位圏にあり、インカムゲイン狙いの長期投資家に魅力的なエントリーポイントを提供している。 |
|
リーマンショック後 |
2008〜2012年のリーマンショック時期も7.5円を維持し非減配。2020年コロナショックも増配継続。40年超の業歴で培った財務の安定性と、株主への誠実な還元姿勢が実証された記録。 |
| 株主還元方針 | 2025年5月8日発表「累進配当継続+DOE3.0%以上」を明文化。業績連動型ではなく純資産対比での配当下限を設定した方針は、業績が一時的に落ちても配当が守られる強い安心感を投資家に与える。 |
| セグメント | リース・割賦事業、ファイナンス事業(ローン・信用保証)、不動産事業の3本柱。九州・西日本の中堅中小企業を顧客基盤とし、長年の取引関係が参入障壁となる地域密着型ビジネスモデル。 |
| 海外売上比率 | ほぼ国内(九州・西日本)のみで、為替リスクは実質ゼロ。円安・円高の影響を受けにくい完全な内需型株として、外部環境に左右されにくい安定した収益基盤を持つ。 |
出典:IR BANK・Yahoo!ファイナンス・有価証券報告書
🏆 九州リースサービス(8596)総合評価
【業績・財務・キャッシュフロー】
九州・西日本を地盤とするリース会社で、売上高は2016年の194億円から2025年の393億円へと10年で約2倍に拡大した。経常利益も28億円から56億円へと着実な増益が続いている。財務面では、自己資本比率が20.6%とリース業として適正な水準にある。有利子負債比率334%・営業キャッシュフローのマイナスといった数値が見られるが、これは資金を調達して貸し出すリース会社に共通する業種特性であり、財務の悪化を示すものではない。リース債権の増加が会計上は現金の使用として計上されるためで、実態としてはリース料収入が着実に積み上がっている。40年を超える業歴のなかで、地域の中堅・中小企業との長期的な取引関係を築いてきた点が事業基盤の特徴である。
【割安性・投資タイミング】
現在のPER(予)は7.78倍で、上場企業で適正とされる15倍前後を大きく下回り、10倍以下の割安圏にある。その他金融業の平均PER13.4倍と比べても低く、業種の中でも割安な部類に入る。九州リースサービス自身の過去のPERは2.17〜15.05倍と幅広いレンジで推移してきた。2023年には3.1倍という異例の割安水準を経験したのち、現在は適正な水準へ戻りつつある段階にある。現在の7.78倍はこのレンジの中ほどに位置する。PBRは0.72倍で、株価1,445円は1株当たり純資産のおよそ7割にとどまり、純資産を下回る水準にある。PERとPBRを掛け合わせたMIX係数は5.60で、割安の目安とされる22.5を大きく下回る。着実な増益を続けてきた実績と純資産より安い株価をあわせて見れば、現在は割高で高値づかみしやすい局面ではなく、長期のバリュー投資では買いやすい水準にあるといえる。
【配当・株主還元】
20年以上1円も減配しておらず、非常に魅力的なディフェンシブ銘柄(TJはリーマンショック後も減配せず、増配を継続的に実施している銘柄はディフェンシブ銘柄に分類)。「累進配当継続+DOE3.0%以上」方針の株主還元公表により、業績変動があっても配当が保護される仕組みが整った。配当利回り4.0%以上は高水準で、リーマンショック・コロナ禍でも無減配の実績がさらに安心感を裏付けている。
【注意点・リスク】
時価総額369億円の小型株ゆえ流動性リスクには注意が必要。また九州・西日本への地域集中リスクと、日銀利上げ局面での資金調達コスト増加リスクが存在する。ただし40年超の業歴と地域中堅中小企業との長期取引関係が参入障壁となっており、地域金融機関としての競争優位性は高い。割安・高配当・累進増配という三拍子が揃った銘柄として、長期インカム投資家に検討価値がある。
⚠️ 免責事項
この記事はTJ個人の見解や実体験、IR BANKや決算資料からまとめたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年5月22日時点。