MIX係数(ミックス係数)とは?割安の目安22.5以下を解説
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この記事はTJ個人の見解や実体験、決算資料等からまとめたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年7月18日時点。

ずっと気になってたんだけど、スコアシートにいつも出てくる「MIX係数」ってなに?PERとPBRは聞いたことがあるけど、MIX係数は学校でも教わらなかったよ…。
MIX係数はね、PERとPBRを掛け算しただけの、じつはとてもシンプルな数字なんだ。
どこから来た数字で、どう使えばいいのか。今日はMIX係数のぜんぶを、やさしく解説していくよ!
MIX係数とは?——PERとPBRの掛け算
MIX係数 = PER × PBR
MIX係数(ミックス係数)は、株価の割安さを測る代表的な2つの指標——PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)——を掛け算した数字です。
「利益から見た割安さ」と「資産から見た割安さ」を、1つの数字にまとめて眺められるのが特長で、株価の割安度をザックリつかむ目安として使われています。
米国の投資家ベンジャミン・グレアムの著書『賢明なる投資家』で示された、銘柄選びの基準に由来します。
日本では「ミックス係数」のほか「グレアム指数」という呼び名でも、投資情報メディアなどで紹介されています。
当ブログの銘柄分析スコアシートでも、指標カードの1つとして「MIX係数(PER×PBR)」を掲載しています。この記事は、そのMIX係数の定義と出どころ、計算のしかた、そして使うときの注意点をまとめた解説ページです。
前提知識——PERとPBRを1分でおさらい
PER=株価 ÷ 1株当たりの当期純利益(EPS)。
株価が「1株当たりの利益の何倍まで」買われているかを示す指標。数字が小さいほど、会社が稼ぐ利益に対して株価が控えめに評価されている、という見方をします。
(出典:日本取引所グループ 用語集「株価収益率」)
PBR=株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS)。
株価が「1株当たりの純資産の何倍まで」買われているかを示す指標。PERが「利益(稼ぐ力)」との比較なのに対し、PBRは「純資産(借金を差し引いた正味の財産)」との比較です。
このように、「稼ぐ力」と「残る財産」という別々の角度から見て、両方いっぺんに確かめたい。その発想から生まれるのが、掛け算のMIX係数です。
PERもPBRも、数字が小さいほど割安寄り。掛け算のMIX係数も、小さいほど割安の目安になります。
たとえるなら(イメージです)
会社を1軒のお店にたとえると——PERは「そのお店の1年分のもうけの何倍の値段が付いているか」、PBRは「お店の持ち物から借金を差し引いて残る財産の、何倍の値段が付いているか」というイメージです。※あくまでイメージで、厳密な定義は上の計算式のとおりです。
実際に計算してみよう(当ブログ掲載銘柄の実例)
実際に、当ブログのスコアシートに掲載している実数値で計算してみます(いずれも2026年7月17日時点の値です。PERの「(予)」は会社予想ベース、PBRの「(実)」は実績ベースという意味です)。
計算例1|大同信号(6743)
PER(予)6.96倍 × PBR(実)0.47倍 = MIX係数 3.27
PERは1桁、PBRは1倍を大きく下回る水準で、掛け算のMIX係数も小さな値になります。ただし、値の小ささだけでは割安の証拠にならない点は、のちほど注意点の章でお話しします。なお、大同信号は私の保有銘柄です。→ 大同信号(6743)の銘柄分析はこちら
計算例2|森永製菓(2201)
PER(予)13.75倍 × PBR(実)1.60倍 = MIX係数 22.00
PBRは単独では1.5倍を少し超えていますが、掛け算するとMIX係数は22.00です。この例の意味は、次の章でくわしくお話しします。→ 森永製菓(2201)の銘柄分析はこちら
※最新の値は上の記事とYahoo!ファイナンス等でご確認ください。
出典:Yahoo!ファイナンス(大同信号)・Yahoo!ファイナンス(森永製菓)
「22.5以下」の目安はどこから来たのか
22.5という数字の出どころは、ベンジャミン・グレアムの著書『賢明なる投資家』です。
グレアムは同書で、守りを重視する投資家(防衛的投資家)の銘柄選びのうち、株価の水準について次のような目安を示しました。
- 株価が、過去3年の平均1株利益の15倍以下であること(PER15倍以下に相当)
- 株価が、直近の1株当たり純資産の1.5倍以下であること(PBR1.5倍以下に相当)
- そして経験則として、この2つの掛け算が 15 × 1.5 = 22.5 を超えないこと
ポイントは、2つの条件を別々に守らせるのではなく「掛け算」にしたことです。
グレアムは、利益に対して十分に安い(PERが15倍よりずっと低い)銘柄なら、純資産の倍率(PBR)が1.5倍を多少上回っても釣り合いが取れる、と考えました。
さきほどの森永製菓の計算例が、ちょうどこの形です。
PBRは1.60倍と単独では1.5倍をわずかに超えていますが、PERが13.75倍と15倍を下回っているため、掛け算のMIX係数は22.00と22.5以下に収まります。片方の物差しだけでは「惜しくも不合格」に見える銘柄を、2つの物差しのバランスで公平に評価する——これが掛け算の役割です。

このMIX係数、今でも使えるの?ずいぶん昔の本みたいだけど・・・

そうなんだ。この基準は1970年代の米国株式市場を前提としているんだ。日本株にそのまま当てはまる数字じゃないけど、歴史的な参考の目安として活用しよう!
出典
ベンジャミン・グレアム著『賢明なる投資家——割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法』(パンローリング・ウィザードブックシリーズ)。防衛的投資家のための銘柄選択基準として、上記の数値が示されています。
※リンクはAmazonアソシエイトのリンクを使用しています。
MIX係数の注意点
便利なMIX係数ですが、使うときに必ず知っておきたい注意点が3つあります。
注意1 低い=お買い得とは限らない
業績悪化や先行き不安から株が売られ、結果、PERが下がって見えるだけ、というケース。これはバリュートラップ(割安のワナ)と呼ばれる状態です。MIX係数の低さは、「なぜ低いのか?」を業績・財務とセットで確かめてはじめて意味を持ちます。
注意2 業種によって水準が違う
PERもPBRも、業種ごとの平均水準に大きな差があります。日本取引所グループ(JPX)が毎月公表している「規模別・業種別PER・PBR」で、業種ごとの平均を無料で確認できます。22.5という1つの数字を、すべての業種に一律に当てはめるのは適切ではありません。
注意3 基準時点のズレがある
会社が赤字の場合、PERは割安の目安として機能せず、MIX係数も割安の目安としては使えません。また、当ブログを含む多くの場面では「予想ベースのPER × 実績ベースのPBR」のように基準時点の異なる2つを掛け合わせるため、厳密な理論値というより「ザックリ眺めるための数字」である点も覚えておいてください。

便利そうな数字だけど、MIX係数が低い株を機械的に買っていけばもうかる、なんてうまい話じゃないよね?

そのとおり。安い裏側にワナがひそんでいることもあるんだ!
だからMIX係数は、合否を決める試験じゃなくて、数ある物差しの1つ。数字が低いなら「なぜ安いのか」を調べるスタート地点。それくらいの距離感がちょうどいいよ。
当ブログでのMIX係数の使い方
まず、ハッキリお伝えします。
当ブログは、MIX係数に「何以下なら合格」という基準は設けていません。
「22.5以下が割安の目安」という一文は、前の章でご紹介したグレアム由来の参考目安です。
各銘柄のスコアシートでは、現在株価の下に並ぶ8枚のカードの4枚目に「MIX係数(PER×PBR)」を掲載しています。PER・PBRのカードのすぐ隣に並んでいるので、材料になった2つの指標とあわせて眺められます。
私自身、毎日のスコアシート更新で最初に目をやるのは、このMIX係数のカードです。140銘柄以上を保有する今も、業績は良いのに割安に放置された高配当株を探す「入口のふるい」として、この掛け算を使い続けています。

22.5は、参考程度がいいんだね!

イエス!あくまでも目安にして、業績の推移・財務の健全さ・配当の続く力もセットで確かめていこう!
MIX係数低めの銘柄は、東京インキも参考にするといいよ!

よくある質問(FAQ)
Q1 MIX係数は何倍以下なら割安ですか?
一律の正解はありません。よく紹介される「22.5以下」は、グレアムが1970年代の米国株を前提に示した歴史的な参考値です。業種や時代によって水準は変わるため、当ブログでも判定基準ではなく参考の目安として扱っています。
Q2 MIX係数がマイナスになることはありますか?
あります。会社が赤字で1株当たりの利益がマイナスの場合、PERがマイナス(または算出不能扱い)になり、掛け算のMIX係数もマイナスや算出不能になります。この場合、MIX係数は割安の目安としては使えません。
Q3 MIX係数はどこで確認できますか?
証券会社のアプリや、Yahoo!ファイナンスなどの情報サイトに載っているPERとPBRを掛け算すれば、自分で計算できます。当ブログの銘柄分析スコアシートでは、計算済みのMIX係数をカードで掲載しています。
まとめ——MIX係数は「入口の物差し」
- MIX係数=PER × PBR。「利益」と「資産」の2つの角度から、割安さをまとめて眺める目安
- 「22.5以下」は、グレアム『賢明なる投資家』由来の歴史的な参考値
- 低い=お買い得とは限らない。業種差・赤字・基準時点のズレに注意し、業績・財務・配当とセットで確かめる
MIX係数は、割安さをひと目でつかむ「入口の物差し」です。
ただ、物差しは長さを測るだけで、答えまでは教えてくれません。数字が小さい銘柄に出会ったら、安さの理由をたしかめる。
その作業のお供に、当ブログのスコアシートを役立ててもらえたらうれしいです。そして、この物差しをあなたの銘柄選びでどう使うかは、ご自身でじっくり考えて決めてくださいね。
執筆:TJ(個人投資家・プロフィール/記事の品質管理について)



⚠️ 免責事項
この記事はTJ個人の見解や実体験、決算資料等からまとめたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年7月18日時点。
