放置された割安株 TJ流の見極め方6選|配当ゼミ
⚠️ 免責事項
この記事はTJ個人の見解や実体験、決算資料等からまとめたものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年8月20日時点。
「TJの配当ゼミ」へようこそ!今回は、PERのキホン第4弾!
テーマは「放置された割安株」。ワナか掘り出し物か、TJが実例で確かめた6つの場所を全部見せるよ!

PERのキホンの第1~3弾は下に紹介しておくね!先に読んでおくと、今日の話がスッとつながるよ!



- 高配当株投資家
- 一度買ったら長期保有が基本
- 2022年から株式投資をスタート
- 15〜20年非減配を基準に銘柄分析
- 独自のスコアシートと10年チャートを作成
- 小型株とバリュー株が好き
- スーパーの半額シールも好き
きょうの結論
値段が安い、という事実だけでは、その株が「ワナ」なのか「掘り出し物」なのかは決まりません。私が見ている分かれ目は、「業績」と「財務」が実際に健全かどうか。今回の実例では、業績3つ・財務3つの6項目を確かめて、掘り出し物かどうかを見極めました。
スーパーの半額シール。同じお弁当・お惣菜なのに、あのシールは、急にお得に見えてきます。
上のプロフィールにも書いたとおり、私は半額シールが好きです。
ただ、その半額シールが貼られた理由まではお弁当・お惣菜には書いてありません。
閉店の時間が近いから貼られたのなら、お得な買い物。傷みかけている・鮮度がかなり落ちて貼られたのなら、安くても損するお買い物です。
株の「安さ」も、これとよく似ています。
今回アナタにお伝えするのは、安くなっている株の「理由」を確かめる手順。TJが実例でたどった順番を、そのまま紹介するよ!
【なぜ?】割安株が放置される理由 ワナと掘り出し物がある
前回のPER連載シリーズ第3弾では、PERは「①自社の過去推移」「②同業他社」「③市場平均」と比べて、はじめて割高・割安が見えてくる——という比べ方をお話ししました。
では、3つと比べて「安い」がそろい、PER連載シリーズ第2弾でお話しした割安のワナの4つのパターンにも当てはまらない。それなのに、株価が何年も安いまま——そんな株を、どう考えればいいのでしょうか。

プロの機関投資家とか大勢が見ている市場で、そんな株価の見過ごしって本当に起きるの?

それが、意外とあるんだ。TJは少なくとも起きるって思ってるよ。
話題性のある会社にはニュースも分析も集まる一方で、事業が地味な会社は取り上げられる機会そのものが少ない。良い業績が株価に映るまで、時間がかかる場合があるからです。
こうした実力と値段のズレは、「ミスプライス(値付けの間違い)」と呼ばれます。
業績も財務も健全なのに、ミスプライスで安いまま——それが、私の言う「掘り出し物」です。
ワナなら、安さには理由がある。掘り出し物なら、安さには見過ごしがある。そして、「安いまま」という事実だけでは、ワナの証拠にも掘り出し物の証拠にもなりません。
だからこそ、私は確かめる手順を決めています。
ただし、先にお伝えしておきます。市場がいつ見直すかは、誰にも分かりません。確かめたうえで、何年も安いままということもあり得ます。

第2弾でワナ銘柄の話を聞いてから、安い株がぜんぶ怖く見えるんだけど…安いままの株って、結局は全部ワナなんじゃないの?
その警戒心は大事!でも、怖がりすぎももったいない!安いままの株には、ワナと掘り出し物の両方がいるんだ。
見た目で決めつけないで、より深堀りする。その深堀りする6項目を今からおしえるね!
【重要】掘り出し物の見極め方 深堀り6選
ここからは実例!TJが開いた資料と、見た場所を1つずつ出していくね!
取り上げる銘柄は、リオン(6823)。補聴器などを手がける会社です。

業績は伸びている。それなのに、「な~んか株価どうみても冴えないなあ…。」と、当時の私の目に映り、次の6項目を確かめました。
リオンはTJも保有している銘柄ですが、そのぶん、見方に偏りが入っている可能性があります。その点も承知の上で参考にしていただけると幸いです。
リオンで確認した業績3つ
①売上の傾向=10年スパンで増収基調か。リオンは、コロナ禍の2021年3月期に一度だけ小さく凹んだものの、その前後は増収の流れが続いていました。
②稼ぐ力の推移=営業利益率・ROE・ROAが、大きく崩れずに動いているか。リオンは営業利益率が二桁の年で大半を占め、ROE・ROAにも極端な浮き沈みがありませんでした。
③本業の現金=営業キャッシュフロー(本業で入ってきた現金の収支)が黒字を続けているか。リオンは、IR BANKでさかのぼれる2008年3月期以降、一度も赤字になっていません。
✔ 注意=業績が良いことと、株価が見直されることは別の話です。私も「待つ前提」で持っています。
(※出典:①~③はIR BANKで確認可能)
リオンで確認した財務3つ
④配当の歴史=普通配当ベースで減配していないか。リオンはリーマンショック後も配当を減らしていない20年以上非減配銘柄(2026年8月現在)。
⑤借金の有無=借入金や社債があるか。リオンは貸借対照表をさかのぼって確かめた範囲(2020年3月期以降)では、借入金・社債の科目そのものが見当たりませんでした。
⑥自己資本比率=会社の元手が全体のどれくらいを占めるか。リオンは2026年3月期末で自己資本比率80%を超えています。
✔ 注意=借入金があること自体は悪ではありません(事業を伸ばすための良い借入もあります)。自己資本比率も高いほど安全な一方、元手を使い切れていないという見方もあります。
(※出典:④はIR BANKの配当推移、⑤は決算短信・有価証券報告書の貸借対照表、⑥はIR BANK・決算短信で確認可能)
6つを確かめて、当時の私はこう判断しました——これだけの実績がそろっているのに、株価がついてきていない。
ミスプライスの可能性があるのではないか、と。
補聴器という事業は派手なニュースになりにくく、注目が集まりにくいぶん、実力が値段に映るのが遅れているのかな?——というのが私の見立てです。
念のため申し添えると、この6項目は私が最低限確かめている入口にすぎません。これだけで会社の良し悪しが決まるわけではありませんし、確かめたからといって株価が上がるとも限りません。

6項目がぜんぶそろっても、そのあと何年も安いまま…ってことはないのかな?

正直あるよ!市場がいつ気づくかは、誰にも分からないからね。
だからTJは配当を重視!配当が続くかぎり、待つ時間そのものが積み上げになるからね。
もちろん、配当は将来も同じ額が約束されたものじゃない。減配することもある——そこは忘れないでね!

リオンって会社、ボクは今日はじめて知ったよ。あまり名前を聞いたことがない会社でも、自分で調べられるものなの?
調べられるよ!今日の6項目は、ぜんぶ無料の公開情報!
決算短信とIR BANK——道具は誰でも使えるんだ。第一歩は、今日の宿題でやってみよう!
TJは見極めた株を、こう扱っている
6項目を確認後、私はすぐ買いません。
特に、リオンの普段の配当利回りは特別高いわけではありません。だから平時の私は、急いで動きません。
やっているのは、監視銘柄リストに入れて待つこと。私の監視銘柄リストは気づいたことをメモする——それだけの素朴な道具です。
そして2025年4月。トランプ関税ショックで市場全体が急落し、リオンの配当利回りも普段より高い水準になりました。
6項目の確認は、この急落の前に済ませていました。そして、この局面で「よっしゃー!今買うぞ!」と、モーレツに買い増ししました。
これは私の実例の紹介であって、この銘柄の売買や、急落時に買うことをすすめるものではありません。
急落した株価が、そこからさらに下がり続けることもあります。
それでも私がこの順番を大事にしているのは、見極めを先に済ませておくほうが、急落の場面で落ち着いて判断できると感じているからです。

TJの流れをまとめると、次の3ステップだよ!
①調査 深堀り6項目で見極める
②待つ 監視銘柄リストに入れて待つ
③検討 急落したら買い増し候補に検討
【ワンポイント】
ポイントは順番です。私は見極めを、暴落が来る前の平時に済ませておく。急落してから調べはじめると、間に合わないからです。ただし、急落した株価がそこからさらに下がり続けることもあります。私は自分の資金計画の範囲内で、上限を決めて判断しています。

晴れた日に地図を書いておけば、嵐の日は地図を見て動くだけ!
嵐の中で地図を書きはじめると、道を間違えやすいからね!

6項目を1社ずつ当てていくの、けっこう時間がかかるんだよね。TJが業績と財務の数字をまとめた銘柄なら、「銘柄分析スコアシート」にあるから参考にしてね!
今日の宿題(1つだけ)
✏️ 気になる銘柄1つの貸借対照表で、「借入金」を探してみる
- IR BANK で、気になる銘柄を検索
- 「IR情報」の一覧から、いちばん新しい決算短信を開く
- 「PDFをみる」をタップして、決算短信そのものを開く
- 後ろのほうにある「連結貸借対照表」の「負債の部」で、「短期借入金」「長期借入金」「社債」の文字があるか目で探す——今日はここまで
※IR BANKはすべて無料で確認できます。見るだけで、売買はしません。借入金がある=悪い会社、という意味でもありません(事業を伸ばすための前向きな借入もあります)。「あるか・ないか」を自分の目で確かめる練習です。
次に読む1本
今日の実例に出てきたリオンの数字は、スコアシートと10年チャートにまとめてあります。
→ リオン(6823)銘柄分析|バリュー株スコアシート
まとめ 放置は兆し、証拠は決算書で

はい!きょうの、まとめだよ!
- 安く放置された株には、ワナと掘り出し物の2つがある。
- 分かれ目は、業績と財務の実際の健全さ。業績3つ+財務3つの6つを調べる
- 平時で見極めを済ませて、監視銘柄リストに入れて投資タイミングを待つ

安いまま誰も見ていない株は、あやしい…ってずっと避けてたけど、見る場所が決まってるだけでずいぶん落ち着いて見られそう!
貸借対照表の「負債の部」、ボクも開いて見てみるよ!
それでOKだよ!深堀り6項目のうち、まずは1つでいいんだ。
深堀りすることで、ワナ銘柄を買う確率も減る。掘り出し銘柄に出会う近道にもなる。TJはそう思ってるよ!
今日の宿題は、貸借対照表を1回開くだけ!その1回が、アナタの見極めの第一歩だよ!

連載『PERのキホン』は全5弾。第1弾から第5弾まで、下の一覧に置いておくね!
PERのキホン 全5弾
第1弾:PERは「投資資金の回収年数」という見方
第2弾:低PER株にひそむワナの見分け方
第3弾:割高・割安はPERの比べ方で分かる
第4弾:放置された割安株の見極め方6選(本記事)
第5弾:小型株はなぜ割安のまま放置される?
TJの配当ゼミとは?
「TJの配当ゼミ」は、高配当株投資のキホンの考え方と道具を、週1ペースでひとつだけ学ぶ連載です。銘柄の答えではなく、自分で判断するための物差しをお渡しします。
平日=銘柄分析/週1=この配当ゼミでレベルアップ/日曜=TJの実際の売買記録、が当ブログの1週間のリズムです。これらの記事であなた自身の判断力が少しずつ身についていったら嬉しいです。
執筆:TJ(個人投資家・プロフィール/記事の品質管理について)



⚠️ 免責事項
この記事はTJ個人の見解や実体験、決算資料等からまとめたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年8月20日時点。
