PER、ナゼ低いと良い?TJ流「投資資金の回収年数」という見方|配当ゼミ
⚠️ 免責事項
この記事はTJ個人の見解や実体験、決算資料等からまとめたものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年7月30日時点。
「TJの配当ゼミ」へようこそ!
今回は、PERの正体!
割安株(バリュー株)探しのカギを握る指標、PERを深掘りする記事を数回にわたって紹介します。
じつはTJも投資を始めたころ、PERの意味がまったく腹落ちしていませんでした。あのころの自分に教えるつもりで、お話しするね!
- 高配当株投資家
- 一度買ったら長期保有が基本
- 2022年から株式投資をスタート
- 15〜20年非減配を基準に銘柄分析
- 独自のスコアシートと10年チャートを作成
- 小型株とバリュー株が好き
- スーパーの半額シールも好き

さいしょに、いつものお約束だよ!
このゼミは特定銘柄の売買をおススメしない!TJが渡すのは、自分で判断するための「物差し」だけ!
きょうの結論
PERは、投資したお金が「何年で回収できるか」の目安。私はこの数字を、倍率ではなく年数として読んでいます。回収が早い計算になるほど「安く買えている」——これが、低いPERが割安と言われることの正体です。
「PER10倍」を「10年」と読み替える。
たったこれだけで、ただの倍率だったPERが、違う視点で理解できるようになります。計算式、例え話2つ、そして私自身の遠回り。この3つで、PERの正体をつかんでいきます。
PERの計算式——株価は「1年分の稼ぎ」の何倍か
PERの計算式は、いたってシンプル。
PER=株価÷EPS
これだけです。
EPSは「1株あたり純利益」のことです。会社が1年間で稼いだ利益を株の数で割った、いわば1株あたりの年間の稼ぎ。
つまりPERは、いまの株価が「1年分の稼ぎの何倍まで買われているか」を表す数字です。
計算例(仮の数字です)
株価1,000円・EPS100円の株なら、PERは 1,000÷100=10倍。この株価は、1年分の稼ぎの10倍——つまり10年分の稼ぎと同じ値段ということです。
ここで、「10倍」を「10年」と読み替えてみます。
もし会社が毎年同じ100円を稼ぎ続けるなら、10年で1,000円分——株価と同じだけの利益を生む計算になります。投資したお金を、会社の稼ぎが何年で取り返してくれる計算か。PERはこう読むと、ぐっと身近になります。
ただし、大事な前提がひとつ。これは「稼いだ利益がまるごと株主のものになる」と仮定した考え方です。実際の利益は、配当として株主に渡る分と、会社に残す蓄え(内部留保)に分かれます。そして、将来も同じ利益が続く保証はどこにもありません。だからPERは、あくまで回収イメージの目安——ここは必ずセットで覚えてください。

計算はわかったよ!
それならPER10倍の株を1,000円で買うと、10年待てば1,000円がまるまる戻ってくるってこと?
惜しい!じつはそこ、TJも最初に同じ勘違いをしたんだ。
正しくは、会社が10年かけて、株価と同じ額の利益を稼ぐ計算という意味だよ。
お財布に戻るのは配当のぶんだけ。残りは、会社が次の稼ぎのために使うお金なんだ。
同じ利益を生む「2つのお店」——安いほど回収が早い
「低いほうが割安」の意味を、例え話で確かめてみましょう。
年に100万円の利益を生むお店が2軒、売りに出ているとします(仮の数字です)。A店の値段は1,000万円、B店は2,500万円。
買った値段と同じだけの利益を生むまでにかかるのは、A店が10年、B店が25年。同じ稼ぐ力なのに、回収までの年数がこれだけ違います。
値段が控えめなA店のほうが、おトクに見えますよね。
株に置き換えるとーー
・A店 PER10倍
・B店 PER25倍
株の世界で「PERが低いといい」と言われるのは、この同じ稼ぐ力を、より安く買える状態を指しているから。逆に、人気が集まって値段が上がるほど、回収の年数は延びていきます。

PERの数字が小さい株を買えばOKって考えでいいの?
それはダメ!低PER=おトク、とは言えないケースもあるんだ。
たとえば、A社の利益が今後減りそうなら、市場参加者はその株を売却するっていうパターン。
売られたA社の株価は下落する=PERも低く出るっていうこともあるんだ。

え、じゃあ低PERの株には、お買い得と要注意が混ざっているってこと…?
正解!その混ざりものを見分ける話が「バリュートラップ(割安のワナ)」。こっちの回でたっぷり話しているよ!
今日のところは、PERは回収年数の目安——これだけ持ち帰れば満点!
私がPERを「回収の年数」として使うようになった理由
計算式は知っている。それでも意味はわからない——投資を始めたころの私が、まさにコレでした。
「PER15倍が適正で、それ以下なら割安」という、当時ネットでよく見かけた通説も知っていました。それでも、「PERが低いと、なぜ『いい株を安く買えた』ことになるのか」——このロジックが、どうしても腹落ちしなかったのです。
当時の私は「PER20倍の株でも、配当利回り4%で減配していないなら気にしなくていいじゃん」と、配当利回りばかりを優先して銘柄を選んでいました。数字の大きな配当利回りに飛びつくことの危うさは、第1回「配当利回りのワナ」でお話ししたとおりです。
転機は、PERを自分で調べて因数分解してみたことでした。
株価をEPSで割るとは、「何年分の稼ぎに相当する値段か」を数えること。さらに、PER単体でなく、EPS・株価・配当利回り・配当性向をセットで眺めるようになって、ようやく点と点がつながりました。
「PER8倍の株が、もしPER15倍だったら株価はいくらになるか」——そんな置き直しを繰り返すうちに、低いPERの意味が体感できるようになったのです。米国の投資家ベンジャミン・グレアムの『賢明なる投資家』をはじめ、バリュー株(割安株)投資の本を何冊も読んだのも、この時期でした。
いまの私が特に好んで探しているのは、稼ぐ力はしっかりあるのに、PERが一桁台に置き去りにされた銘柄。
140銘柄以上を保有する現在(2026年7月時点)も、割安株探しの最初の一歩は、PERを「回収の年数」として眺める。
この物差しで1銘柄をまるごと分析した実例を、2本置いておきます(どちらも私が保有している銘柄です)。



ちなみに、TJがこのPERの物差しをくぐらせた実際の買い物は、「今週買った銘柄・気になる銘柄」で見れるよ!
今日の宿題(1つだけ)
✏️ 気になる銘柄1つの「PER」を自分の手で計算してみる
- スマホで Yahoo!ファイナンス を開き、気になる銘柄名か証券コードで検索
- 銘柄ページで「株価」と、参考指標にある「EPS(会社予想)」の2つの数字をメモ
- 電卓で 株価÷EPS を計算する
- 出た答えが、同じページの「PER(会社予想)」とおおよそ一致していたら、今日の分はおしまいです
※見るだけ・計算するだけで、売買はしません。答えに小さなズレが出ることがありますが、それは表示されている数字の四捨五入によるもの。なお、サイトや資料によっては実績のEPSで計算したPERが載っていることもあります。「どのEPSで割るかでPERは変わる」——ここまで見えたら、PERの入り口は突破です。
次に読む1本
PERを「年数」で読めるようになったら、次はもうひとつの物差し・PBRとの掛け算です。私がスコアシートで真っ先に確かめている数字の解説です。
→ MIX係数(ミックス係数)とは?割安の目安22.5以下を解説
まとめ——PERは「投資回収の年数」の目安
- PER=株価÷EPS。株価が「1年分の稼ぎの何倍か」を表す数字
- PERは「投資回収の年数」の目安として読む。回収が早い計算になるほど「割安」と言われる
- ただし利益がまるごと戻ってくるわけではない。将来も同じ利益が続く保証はない——「目安」とわきまえて使うのが私の型

PERを年数で読むの、ボクにもできそうだよ!さっそく気になる株で数えてみる!

この『PERのキホン』って、続きがあるんだね!第1弾から第5弾まで、下の一覧から読んでいこうっと!
PERのキホン 全5弾
第1弾:PERは「投資資金の回収年数」という見方(本記事)
第2弾:低PER株にひそむワナの見分け方
第3弾:割高・割安はPERの比べ方で分かる
第4弾:放置された割安株の見極め方6選
第5弾:小型株はなぜ割安のまま放置される?
「何倍」を「何年」へ。読みかえひとつで、株価の見え方は変わってくるよ!
私は、PERの低さにすぐ手を出さず、中身をしっかり確かめるようにしています。この一手間を、あなたの割安株探しの土台にしていきましょう。
まずは1銘柄、今夜の電卓から始めてみてくださいね!
TJの配当ゼミとは?
「TJの配当ゼミ」は、高配当株投資のキホンの考え方と道具を、週1ペースでひとつだけ学ぶ連載です。銘柄の答えではなく、自分で判断するための物差しをお渡しします。
平日=個別銘柄の深掘り/平日週1=このゼミで物差しづくり/土曜=横断の作戦会議/日曜=TJの実際の売買記録、が当ブログの1週間のリズムです。これらの記事であなた自身の判断力が少しずつ身についていったら嬉しいです。
執筆:TJ(個人投資家・プロフィール/記事の品質管理について)



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