⚠️ 免責事項
この記事はTJ個人の見解や実体験、決算資料等からまとめたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年10月15日時点。
今回は、TJも保有している化学メーカー、日本ゼオン(4205)を紹介するよ!
近年は配当が力強く伸びてきたけど、化学株ならではの弱点もある会社。どちらも数字でのぞいていこうよ!
東証プライム | コード 4205 | 化学 | 決算月:3月
日本ゼオン
高配当株 銘柄分析スコアシート | 2026年3月期(2026年5月公表)
現在株価(2026/10/15)
2,309.5円前日比-97.5 (↓4.05%)
時価総額 約4,833億円
配当利回り(予)
3.42%
79円(2027/3期予想)
PER(予)
12.28倍
過去レンジ 5.92〜30.68倍
PBR(実)
1.12倍
過去レンジ 0.56〜1.80倍
配当性向(予)
42%
2027年3月期 会社予想
(当ブログ算出)
自己資本比率
68.9%
2026年3月期(健全水準)
※データ取得日:2026/10/15
日本ゼオン(4205)はどんな会社?【事業内容】
日本ゼオンは、合成ゴムが主力の化学メーカーです。タイヤ向けなどの合成ゴムや合成ラテックスといったエラストマー素材が売上の半分強を占め、約3割は大型テレビ向けの光学フィルム、半導体向けの樹脂、リチウムイオン電池の材料などの高機能材料。利益ではこの高機能材料が稼ぎ頭です。古河グループ(古河三水会)の一員で、生産・販売は米国・欧州・アジアにも広がります。本社は東京・丸の内、決算期は3月、東証プライム上場です。
📈 株価・PER・配当10年チャート
4205 日本ゼオン|10年
株価(円)
1株配当(円)
PER(倍)
当月点
出典:IR BANK・Yahoo!ファイナンス
数値データを見る(表)
※株価は各年度末時点の値です。最新の株価・指標はページ上部のスコアシートをご覧ください。表の最終行(2026/10)は当月時点の値で、株価は2026年10月15日時点、1株配当とPERは今期の会社予想に基づく値です。出典:IR BANK・Yahoo!ファイナンス
| 年度 | 株価 (円) | 1株配当 (円) | PER (倍) |
|---|
| 2017/03 | 1271 | 16 | 12.18 |
| 2018/03 | 1538 | 17 | 26.15 |
| 2019/03 | 1120 | 19 | 13.32 |
| 2020/03 | 814 | 21 | 8.81 |
| 2021/03 | 1769 | 22 | 13.96 |
| 2022/03 | 1364 | 28 | 8.90 |
| 2023/03 | 1399 | 36 | 28.01 |
| 2024/03 | 1321 | 45 | 8.97 |
| 2025/03 | 1495 | 70 | 11.73 |
| 2026/03 | 1758 | 76 | 9.42 |
| 2026/10 | 2309.5 | 79(予) | 12.28(予) |
日本ゼオンの配当金、階段をかけ上がるみたいに増えてる!持っている人はうれしいだろうなあ。
1株配当は、この10年で何倍にも増えたんだ。とくにここ数年は、増配の幅が大きいよ。
配当金が増えていくのは、長く持つ人にとって何よりの楽しみ。ただ、このペースがこの先もずっと続くとはかぎらないよ。
📊 配当性向・配当利回り 10年推移
4205 日本ゼオン|10年
配当性向(%)
配当利回り(%)
出典:IR BANK・決算資料
数値データを見る(表)
※年次の確定値のみを掲載しています。出典:IR BANK・決算資料
| 年度 | 配当利回り (%) | 配当性向 (%) |
|---|
| 2017/03 | 1.26 | 15.3 |
| 2018/03 | 1.11 | 28.9 |
| 2019/03 | 1.70 | 22.6 |
| 2020/03 | 2.58 | 22.7 |
| 2021/03 | 1.24 | 17.4 |
| 2022/03 | 2.05 | 18.3 |
| 2023/03 | 2.57 | 72.1 |
| 2024/03 | 3.41 | 30.6 |
| 2025/03 | 4.68 | 54.9 |
| 2026/03 | 4.32 | 40.7 |
📊 EPS・営業利益率・ROE 10年推移
4205 日本ゼオン|10年
EPS(円)
営業利益率(%)
ROE(%)
出典:IR BANK・決算資料
数値データを見る(表)
※年次の確定値のみを掲載しています。出典:IR BANK・決算資料
| 年度 | EPS (円) | 営業利益率 (%) | ROE (%) |
|---|
| 2017/03 | 104.31 | 10.70 | 9.64 |
| 2018/03 | 58.81 | 11.69 | 5.08 |
| 2019/03 | 84.06 | 9.82 | 7.21 |
| 2020/03 | 92.44 | 8.11 | 7.85 |
| 2021/03 | 126.74 | 11.06 | 9.39 |
| 2022/03 | 153.23 | 12.28 | 10.49 |
| 2023/03 | 49.94 | 6.99 | 3.14 |
| 2024/03 | 147.19 | 5.36 | 8.58 |
| 2025/03 | 127.43 | 6.97 | 7.33 |
| 2026/03 | 186.67 | 8.83 | 9.60 |
📊 BPS・自己資本比率 10年推移
4205 日本ゼオン|10年
BPS(円)
自己資本比率(%)
出典:IR BANK・決算資料
数値データを見る(表)
※年次の確定値のみを掲載しています。出典:IR BANK・決算資料
| 年度 | BPS (円) | 自己資本比率 (%) |
|---|
| 2017/03 | 1082.15 | 58.4 |
| 2018/03 | 1158.36 | 58.4 |
| 2019/03 | 1166.61 | 60.3 |
| 2020/03 | 1176.98 | 63.5 |
| 2021/03 | 1350.22 | 65.8 |
| 2022/03 | 1461.15 | 65.7 |
| 2023/03 | 1589.16 | 64.3 |
| 2024/03 | 1715.02 | 68.1 |
| 2025/03 | 1737.65 | 66.9 |
| 2026/03 | 1945.13 | 68.9 |
EPS、2023年3月期だけガクッと沈んでるね。こういう年もある会社ってことかな?
そうなんだ。2023年3月期は利益が大きく落ち込んだ年で、日本ゼオンを見るなら業績の波は外せないポイントだね。
ただ、最終赤字にはならず黒字は守ったんだ。利益が細った年でも黒字だったのは見逃せないね!
利益がそんなに上下するなら、配当金も一緒に減っちゃわない?
過去にはあったよ。リーマンショックのころ、日本ゼオンは2期連続で減配しているんだ。
いまは配当方針にDOE4%以上を掲げていて、TJは心強く感じている。ただ、方針は約束ではないことも覚えておきたいね!
📋 財務指標 分析一覧
| 指標 |
評価 |
| 売上高 |
3千億円前後から4千億円台へ伸び、10年で約1.4倍と緩やかな成長。2027年3月期も小幅な減収の会社予想。 |
| 経常利益 |
2024年3月期を底に2期連続の増益。ただ2022年3月期の水準には届かず、今期は減益の会社予想。 |
| EPS |
2023年3月期に落ち込んだが、直近はその3倍超まで回復。今期予想はほぼ横ばい。 |
| ROE |
浮き沈みが大きく、3〜10%の間を往復。今期予想は9%台で、私が目安にしている8%を上回る。 |
| ROA |
直近は6%台。自己資本が厚いぶんROEとの差は小さく、借入に頼らない収益力を示す。 |
| 営業利益率 |
5%台に沈んだ2024年3月期から2期連続で改善。直近は高機能材料の増益が効いたが、10%超の頃には届かない。 |
| 売上原価率 |
原油・ナフサ価格が製造コストを大きく左右し、合成ゴムなどのエラストマー素材で影響が大きい(有価証券報告書)。 |
| 自己資本比率 |
2011年3月期までの3割台から段階的に高め、近年は7割近い。財務の安全性は非常に高い。 |
| 利益剰余金 |
リーマンショック期の2009年3月期も黒字で、以降も最終赤字の年はない。積んだ利益が増配と自社株買いを支える。 |
| 有利子負債比率 |
有利子負債は10年前の4割弱まで減り、自己資本に対して1桁%に縮小。借入への依存は小さい。 |
| BPS |
一度も減らずに増え続け、10年で約1.8倍。純資産は着実に厚みを増している。 |
| 営業CF |
毎期プラスだが振れは大きい。2023年3月期に細った後、直近は過去10期で最も多い。 |
| 投資CF |
直近は設備投資の6割近くを高機能材料が占め、支出は営業CFで賄えている。 |
| 財務CF |
直近は配当・自社株買いにCP(短期の社債)の償還が重なり、大きなマイナス。還元へ厚く資金を回す。 |
| 現金等 |
月商の1カ月分に届かない水準で、手元資金は厚くはない。借入が小さい点と合わせて見たい。 |
| 配当推移(15年) |
16期連続の増配で、2017年3月期の約4.8倍に。この3期で約2倍となり、2027年3月期も増配の会社予想。 |
| 配当性向 |
1〜2割台から増配を重ねて4〜5割台へ。今期予想は私の目安の50%以内。2023年3月期は減益で7割超。 |
| 自社株買い |
総額400億円の自己株式取得を2024〜2026年度で計画し、2025年度までに300億円を実施(中期経営計画)。 |
| PER推移(15年) |
2017〜2026年3月期の期末PERは約9〜28倍。20倍台は利益が落ちた2018年・2023年3月期で、ほかは15倍未満。 |
| PBR推移(15年) |
2017〜2026年3月期の期末PBRは0.7〜1.3倍。2022年3月期から5期連続で1倍を割り、純資産を下回る評価が続いた。 |
| 配当利回り推移 |
株価の伸びを増配が大きく上回り、期末の配当利回りは1〜2%台から直近2期は4%台へ上昇。 |
リーマンショック後 の配当推移 |
2期連続の減配(年間12円→9円→6円・2010年3月期は記念1円含む)。2011年3月期から増配に転じた。 |
| 株主還元方針 |
配当はDOE(自己資本配当率)4%以上と有価証券報告書に明記。中計では段階的に5%への引き上げを目指す。 |
| セグメント |
売上の約54%はエラストマー素材(合成ゴム等)で利益率約5%。高機能材料は約30%で利益率約18%の稼ぎ頭。 |
| 海外売上比率 |
2026年3月期は海外が売上の約65%(決算短信から当ブログ算出)。有報は為替変動を業績リスクに挙げる。 |
出典:IR BANK・Yahoo!ファイナンス・有価証券報告書・決算短信
▼ くわしくデータを見る
身近なところだと、クルマのタイヤにも使われる合成ゴムが主力なんだ。
利益の柱は、テレビの画面や電池に使われる高機能材料。この2つで稼いでいる会社だよ!
化学メーカーって、原料の値段や為替にふり回されそうだよね。日本ゼオンにとっても、そこは弱点になり得るかな?
なり得るね。原油やナフサの値段、為替の動きは、日本ゼオンの利益を大きく左右するんだ。
原料と為替は、会社の努力だけではどうにもならない部分。決算ごとに、利益の中身を確かめるのがだいじだね!
🏆 日本ゼオン(4205)総合評価
業績・財務・キャッシュフロー
2026年3月期は減収増益。売上高は前期比2.1%減った一方、営業利益は24.1%、純利益は38.3%増えました。けん引したのは営業利益が27.7%増えた高機能材料事業で、AIデータセンター向けなど蓄電システム向けの電池材料が堅調でした。ただ、2023年3月期は営業利益が38.8%減、純利益が68.4%減と落ち込み、年による利益の振れ幅が大きい会社です。
財務は、自己資本比率が10年で58%台から60%台後半へ上がり、有利子負債は半分以下に減りました。営業CFも長くプラスが続き、財務の守りは厚い会社です。
割安性・PER・PBR
2017〜2026年3月期の期末PERは8.81〜28.01倍と幅広く、期末PBRは0.69〜1.33倍。2022年3月期から5期連続で1倍割れです。
PERとPBRを掛け合わせたMIX係数は、一般に割安の目安とされる22.5を下回ります。同業3社と比べると、PER・配当利回り・営業利益率は3社の範囲内で、PBRだけは4社で最も高い水準です。
■ 同業3社との比較
| 銘柄 |
PER(予) |
PBR(実) |
配当利回り(予) |
営業利益率 |
基準日 |
| 日本ゼオン(4205) |
12.28倍 |
1.12倍 |
3.42% |
8.83% |
2026/10/15 |
| クラレ(3405) |
13.60倍 |
0.72倍 |
3.54% |
7.28% |
2026/09/25 |
| トクヤマ(4043) |
11.69倍 |
1.06倍 |
3.13% |
10.59% |
2026/09/25 |
| ダイセル(4202) |
11.51倍 |
1.00倍 |
4.85% |
7.26% |
2026/09/25 |
※他3社は2026年9月25日終値と各社の公表値(Yahoo!ファイナンス・IR BANK)から算出。クラレは12月決算のため、PER(予)は2026年12月期、営業利益率は2025年12月期で、配当は記念配当10円を含む。
配当・株主還元
リーマンショック後の2009年・2010年3月期は減配しましたが、2011年3月期からは毎年増配を重ね、2026年3月期で16期連続増配です。1株配当はこの10年で約4.8倍になりました。
配当方針は自己資本配当率(DOE)4%以上で、中期経営計画では段階的に5%への引き上げを目指しています。利益ではなく自己資本を基準にするため、業績が振れても配当がぶれにくい考え方です。
注意点・リスク
日本ゼオンの業績は、景気・原料価格・為替という会社の外の条件に左右されやすい点に注意が必要です。主要市場の景気が冷えると、製品の需要が縮むおそれがあります。特に合成ゴムなどのエラストマー素材事業は、原油・ナフサの値段で作るコストが大きく変わり、為替の動きも業績に響く可能性があります。
もう一つは新製品の開発です。高機能材料事業は、主な市場のエレクトロニクス業界で技術の移り変わりが速く、成長は新製品を出し続けられるかにかかっています。このほか、海外展開や工場の災害・地震、環境規制の強化も挙げられています。(引用:有価証券報告書〔2026年3月期〕・事業等のリスク)
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日本ゼオン(4205)のよくある質問
Q. 日本ゼオンはどんな会社ですか?
A. 合成ゴムや電子材料をつくる化学メーカーです。2026年3月期の売上の5割強が合成ゴムなどのエラストマー素材事業、約3割が電子材料や電池材料などの高機能材料事業でした。利益の面では、高機能材料事業が最も大きく稼いでいます。
Q. 日本ゼオンは減配したことがありますか?
A. あります。リーマンショック後の2009年・2010年3月期に2期連続で減配しました(年間12円→9円→6円)。その後は2011年3月期から毎期増配が続き、純利益が大きく落ち込んだ2023年3月期も、配当は28円から36円に増やしました。
Q. 日本ゼオンの配当方針は何ですか?
A. 有価証券報告書に「自己資本配当率(DOE)4%以上」と明記しています。DOEは、自己資本(株主のお金)に対して、配当をどれだけ出すかの割合です。中期経営計画の進捗資料では、段階的にDOE5%への引き上げを目指すとしています。
Q. 日本ゼオンは何期連続で増配していますか?
A. 2026年3月期までの実績で16期連続増配です。2027年3月期も増配の会社予想で、会社資料はこれを含めて「17期連続増配予想」と数えています。1株配当は2017年3月期の16円から、2026年3月期は76円に増えました。
Q. 日本ゼオンの主なリスクは何ですか?
A. 有価証券報告書では、景気の冷え込みによる需要の縮小、原油・ナフサなど原料価格の変動、為替の変動を主なリスクに挙げています。高機能材料事業の成長は、技術の移り変わりが速いエレクトロニクス業界で新製品を出し続けられるかにも左右されます。
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💬 【TJの視点】
TJ(運営者・個人投資家)
私は日本ゼオンを保有しています。持ち続けている理由は、財務の厚さと増配の粘り強さです。
利益の波はある会社です。それでも自己資本比率は7割近く、利益が大きく落ち込んだ年も配当を増やしてきました。この粘り強さを、私は高く評価しています。
一方で、リーマンショックの2009年・2010年3月期には2期連続で減配しています。
だから私は、日本ゼオンを「不況に強いディフェンシブ株」とは見ていません。むしろ増配を積み上げてきた景気敏感株だと見ています。
ポートフォリオのバランスを崩さないよう、1銘柄を5%以内に抑える自分ルールの範囲で、長期で付き合っていくつもりです。
執筆:TJ(個人投資家・プロフィール/記事の品質管理について)
⚠️ 免責事項
この記事はTJ個人の見解や実体験、決算資料等からまとめたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年10月15日時点。
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