日経225「15年減配なし」は89社。配当利回りの高さと配当安定を数えてみた【2026年7月調査】
⚠️ 免責事項
本記事は、過去の配当実績を集計・報告する情報提供です。将来の配当や株価を保証・予測するものではなく、特定の銘柄の売買をすすめるものでもありません。本記事の情報は、2026年7月8日時点。
「高配当株って、配当金が安定して受け取れるのか」、「配当利回りが高すぎる高配当株は減配の可能性があるからやめておけ」。高配当株投資の世界では、どちらもよく聞く話です。
でも、自分の目でじっくり数字を追いかけたことは、あるでしょうか。
「株の検証室」は、こうした通説をひとつずつ、実データで確かめていく記事です。今回は、日本を代表する大型株の集まり、日経225の全225社について、過去15年の配当実績を1社ずつ確かめた結果を報告します。

日経225ぜんぶ確認できるんだ!うれしい!

うん。結論の数字だけじゃなく、数え方・データの出どころなど、このブログで確認したこと、すべて開示するね!
今回検証する通説と、調査の条件(全開示)
🔬 検証の設計図
検証する通説:「高配当株って、配当金が安定して受け取れるのか?」
母集団(3つ):①日経225の全225社(判定日2026年7月3日)②日経平均高配当株50指数の2026年6月定期入れ替え反映済構成銘柄50社。③日経連続増配株指数の2026年6月定期入れ替え反映済構成銘柄70社。
判定基準:直近15年の実績の年間配当で、無配の年と、前の年より1円でも減った年が一度もなければ「15年非減配」。株式分割・併合があった年は調整後配当額で確認。記念配当・特別配当を除いた普通配当ベースで判定(記念配当がなくなっただけの「見かけの減配」は非減配扱い)。配当実績が15年に満たない銘柄は「判定対象外」。会社予想の年は含みません。
データの出どころ:各社の配当実績=IR BANKと各社の決算短信(普通配当と記念・特別配当の内訳)。指数の構成銘柄=日経の公表情報。判定は当ブログ調べです。※各指数は日本経済新聞社の知的財産であり、本記事は同社が提供・保証するものではありません。
この検証にできないこと:日経225は大型株の集まりであり、日本株全体の縮図ではありません。また、ここで数えるのはすべて過去の事実であり、将来の配当を保証するものではありません。
結果① 日経225——「15年減配なし」は89社
過去15年、一度も減配していなかったのは
89社/225社中(39.6%)
■ 15年非減配 89社(39.6%) ■ 15年の間に減配あり 92社(40.9%) ■ 判定対象外〔無配の年あり・履歴15年未満〕 44社(19.6%)
※小数第2位四捨五入。判定日:2026年7月3日・当ブログ調べ
日本を代表する大型株の集まりでも、15年間ずっと配当を守り続けた会社は約4割。
残りの約6割は、この15年間で減配か無配の年があったか、そもそも15年の配当の歴史がありませんでした。

大企業だから配当も安心って、言えないんだね。

そうだね。有名企業だから・大きな会社だからっていう理由だけで株を買わないように注意が必要だね。
当ブログの判定記録では、鉄鋼・自動車・海運・機械など景気に敏感な業種でコロナ禍などの局面での減配が目立ち、無配で対象外になったのは電力・空運などでした。
残った89社には、食品・医薬・情報通信・ガスといった、景気の波を受けにくいとされるディフェンシブ寄りの業種が目立つ一方、トヨタ自動車やダイキン工業のように、景気の波を受けやすい業種から配当を守り抜いた会社もあります。
15年非減配だった89社をすべて見る(コード昇順)
※判定日2026年7月3日・当ブログ調べ。コード昇順の機械的な並びで、推奨や順位づけではありません。配当利回り等の最新値は各自でご確認ください。いずれも過去の実績であり、将来の配当を保証するものではありません。社名のリンクは、当ブログに個別の分析記事がある銘柄です。リンクの有無は評価・推奨・順位づけとは無関係です。
INPEX(1605)/コムシスホールディングス(1721)/大成建設(1801)/大林組(1802)/鹿島建設(1812)/大和ハウス工業(1925)/積水ハウス(1928)/日清製粉グループ本社(2002)/明治ホールディングス(2269)/エムスリー(2413)/サッポロビール(2501)/アサヒグループホールディングス(2502)/キリンホールディングス(2503)/キッコーマン(2801)/味の素(2802)/ニチレイ(2871)/セブン&アイ・ホールディングス(3382)/旭化成(3407)/王子ホールディングス(3861)/日産化学(4021)/東ソー(4042)/信越化学工業(4063)/協和キリン(4151)/UBE(4208)/野村総合研究所(4307)/花王(4452)/武田薬品工業(4502)/アステラス製薬(4503)/塩野義製薬(4507)/中外製薬(4519)/エーザイ(4523)/テルモ(4543)/第一三共(4568)/大塚ホールディングス(4578)/サイバーエージェント(4751)/富士フイルムホールディングス(4901)/ENEOSホールディングス(5020)/横浜ゴム(5101)/日本電気硝子(5214)/太平洋セメント(5233)/三井金属(5706)/DOWAホールディングス(5714)/SMC(6273)/クボタ(6326)/荏原製作所(6361)/ダイキン工業(6367)/日立製作所(6501)/富士電機(6504)/横河電機(6841)/デンソー(6902)/太陽誘電(6976)/村田製作所(6981)/日東電工(6988)/カナデビア(7004)/トヨタ自動車(7203)/スズキ(7269)/パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)/HOYA(7741)/TOPPANホールディングス(7911)/大日本印刷(7912)/伊藤忠商事(8001)/豊田通商(8015)/高島屋(8233)/丸井グループ(8252)/クレディセゾン(8253)/イオン(8267)/三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)/りそなホールディングス(8308)/三井住友トラストグループ(8309)/三井住友フィナンシャルグループ(8316)/千葉銀行(8331)/ふくおかフィナンシャルグループ(8354)/みずほフィナンシャルグループ(8411)/オリックス(8591)/MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)/第一ライフグループ(8750)/T&Dホールディングス(8795)/三井不動産(8801)/東京建物(8804)/住友不動産(8830)/ヤマトホールディングス(9064)/NTT(9432)/KDDI(9433)/東京瓦斯(9531)/大阪瓦斯(9532)/東宝(9602)/セコム(9735)/ニトリホールディングス(9843)/ソフトバンクグループ(9984)
検証メモ 「見かけの減配」はこう扱った
たとえば、積水ハウス(1928)の2012年の配当は、表の上では前の年より1円減って見えます。しかし2011年の配当には創立50周年の記念配当5円が含まれており、記念配当を除いた普通配当ベースでは減っていません——当時の決算短信で内訳を確かめ、「非減配」と判定しました。今回の調査では、こうした株式分割・記念配当・決算期変更による「見かけの減配」を1件ずつ精査しています。数字の表だけを機械的に読むと、判定を間違えるからです。
結果② 高配当株の代表銘柄群では——3社に1社
次に、「配当利回りが高い株」の代表として、日経平均高配当株50指数の構成銘柄を見ます。予想配当利回りの高さなどを基準に選ばれた、日本の高配当株の看板ともいえる顔ぶれです。
■ 15年非減配 18社(36.0%) ■ 15年の間に減配あり 24社(48.0%) ■ 判定対象外〔無配の年あり・履歴15年未満〕 8社(16.0%)
※小数第2位四捨五入。判定日:2026年7月3日・当ブログ調べ
15年非減配は50社中18社(36.0%)——およそ3社に1社の水準です。ほぼ半数の24社(48.0%)にはこの15年の間の減配歴があり、これは日経225全体の40.9%を上回る割合でした。
残る8社(16.0%)は、無配の年や履歴不足で判定対象外。高配当の看板銘柄であることと、配当を守り続けてきたことは、別の話だった——それがこの母集団の結果です。
ここでフェアに書き添えます。
この指数は「減配しないこと」を約束する指数ではありません。選定の基準は予想配当利回りの高さなどであり、配当の歴史の長さではない——つまり「いまの配当利回りが高いこと」と「配当を守り続けてきたこと」は、指数の設計上も別の情報なのです。
この検証は指数への批判ではなく、その「別の情報である」という事実を数字で確かめたものです。
だからこそ、指数の設計どおりの結果が出た、とも言えます。
結果③ 増配を続けてきた銘柄群では——9割超
最後に、対照的な母集団を見ます。日経連続増配株指数——実際に増配を続けてきた実績で構成される70社です。
■ 15年非減配 66社(94.3%) ■ 減配あり 1社(1.4%) ■ 保留〔精査中〕 3社(4.3%)
※判定日:2026年6月13日(保留のうち1社は2026年7月3日の日経225全数調査で非減配が確定)・当ブログ調べ。
70社中66社(94.3%)、9割超が15年非減配でした。増配実績で選ばれる指数ですから、高い割合になるのは当然です。
その「当然」が実際の数字で確かめられたこと、そして増配を続けてきた会社たちの大半が「減配しなかった歴史」も併せ持っていたこと——過去の事実として、そういう結果です。
3つの母集団を並べて分かったこと
| 母集団 | 15年非減配 | 減配あり | 対象外・保留 |
|---|---|---|---|
| 日経225(225社) | 39.6% | 40.9% | 19.6% |
| 高配当株50指数の新構成(50社) | 36.0% | 48.0% | 16.0% |
| 連続増配株指数の新構成(70社) | 94.3% | 1.4% | 4.3% |
並べると、こう読めます。
「いまの配当利回りが高いこと」は、配当の安定を保証していませんでした。
高配当の代表銘柄群では、ほぼ半数(48.0%)に減配歴があり、これは日経225全体(40.9%)を上回る割合です。非減配の割合(36.0%)も、日経225全体(39.6%)を下回りました。
一方、今回比べたなかで配当の安定と最も強く結びついていたのは「増配を続けてきた実績」(94.3%)でした。
配当利回りは「いまの株価」で毎日変わる数字。配当の歴史は「積み重ねてきた過去」の記録。この2つは別々の情報で、別々に確かめる必要がある——今回の全数調査が示したのは、この1点です。
私も、配当利回りの高い数字だけに惹かれて、減配をくらった経験があります。そのときの苦い実録は、以下の記事の通りです。

TJはこの結果をどう受け止めたか

今回の検証で、大型株の理解度がちょっと深まったよ!
そうだね!数えてみて、いちばん響いたのは日経225の「約4割」という数字なんだ。
一方で、TJはリーマンショック後も普通配当を減配していないことをディフェンシブ銘柄の条件にしてるんだ。今回の15年実績よりも、さらに長い物差し。
それでも15年で約4割しか残らないから、配当を守り抜く会社の貴重さをあらためて実感するね!
自分の銘柄で確かめる3ステップ
この検証は、あなたの手元でもそのまま再現できます。持ち株でも、監視中の1社でもかまいません。
追試 1 IR BANKで配当の記録を開く
IR BANK(無料の企業データサイト)の検索窓に、調べたい会社の証券コードか社名を入力します。開いた銘柄ページの上部メニューから「配当」を選ぶと、年ごとの配当の記録が表示されます。
追試 2 過去15年間の配当推移を確認
見るのは3つだけ——「前の年より1円でも減った年はないか」「0円(無配)の年はないか」「年そのものが抜けていないか」。株式分割をしたことがある銘柄には「分割調整」の列が表示されるので、必ずそちらで比べます(分割調整の列がない銘柄は「合計」の列で大丈夫です)。
追試 3 減って見える年は「中身」を確かめる
減って見える年が1つでもあったら、その会社の決算短信「配当の状況」の注記で、記念配当・特別配当の内訳を確認します。普通配当が減っていなければ、実質は非減配。内訳が確認できない年は「保留」として決めつけない——これが今回の調査と同じ判定手順です。
📝 あなたの判断メモ
あなたがいま見ている配当推移は、いかがでしたでしょうか。普通配当ベースで直近15年間、一度も減っていないことが自分の目で確かめることができましたか?
X(@miraietj)では、この記事と同じ基準(15年非減配・分割調整後・普通配当ベース)で通過した銘柄一覧を随時ポストしています(機械的な抽出で、銘柄の推奨ではありません)。気が向いたときにのぞいてみてください。
次に読む1本
「増配を続けてきた実績」「長い間減配しなかった銘柄っていったいどんな企業なのか?」。20年以上減配しなかった実績の1社を以下に紹介します。※私TJの保有銘柄です。推奨ではなく、検証の物差しが1社の中でどう見えるかの実例として選びました。

まとめ——この検証でいえること・いえないこと
✅ いえること(過去の事実)
- 日経225の全225社のうち、15年非減配は89社(39.6%)だった
- 高配当株の代表銘柄群(高配当株50指数・新構成50社)では、15年非減配はおよそ3社に1社(36.0%)にとどまり、ほぼ半数(48.0%)に減配歴があった
- 増配実績で選ばれた銘柄群(連続増配株指数・新構成70社)では9割超(94.3%)だった
❌ いえないこと
- 将来も同じ割合になる、という予測(この検証はすべて過去の集計です)
- 特定の銘柄を買うか・売るかの判断(それはあなた自身の基準の領分です)
- 日本株全体への一般化(母集団は大型株中心の3つの銘柄群に限られます)
未来の配当は予測不可能だけど、15年減らさなかったという歴史は事実です。興味のある銘柄に出会ったら、過去の実績をしらべてみる。この検証室が、そのための道具箱になれたらうれしいです。
株の検証室(高配当株の検証)とは
「株の検証室」は、高配当株投資の「通説」をひとつずつ、実データで確かめるラボレポートです。母集団・判定基準・出典をすべて開示し、あなたが追試できる形で報告します。
平日=個別銘柄の深掘り/土曜=横断の作戦会議/日曜=TJが実際に買った高配当株の記録——この1週間のリズムに、株の検証室が「数字の裏取り役」として役目を果たします。
次回の検証を、お楽しみに。
執筆:TJ(個人投資家・プロフィール/記事の品質管理について)
ちなみに、日経225で15年以上減配しなかった銘柄を投稿したことあるから参考にしてみてね!
⚠️ 免責事項
この記事はTJ個人の見解や実体験、決算資料等からまとめたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年7月8日時点。
