田辺工業(1828)銘柄分析|配当金・高配当株スコアシート
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この記事はTJ個人の見解や実体験、IR BANKや決算資料からまとめたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年5月29日時点。
今回は、高配当株の田辺工業(1828)を紹介するよ!新潟県上越市に本社を置く、1921年創業の独立系総合エンジニアリング会社。産業プラントの設備工事を主力にしているんだ。
連続増配を続ける高配当株で、株価指標も割安な小型のバリュー株。2026年3月期の本決算データを反映させたから、各財務指標を一緒に学んでいこうよ!
東証スタンダード | コード 1828 | 建設業 | 決算月:3月
田辺工業
高配当株 銘柄分析スコアシート | 2026年3月期(2026年5月公表)
現在株価(2026/05/29)
2270円
時価総額 約240億円
※データ取得日:2026/05/29
📈 株価・PER・配当10年チャート

田辺工業の10年チャート、株価も1株配当もこの10年で大きく伸びているね。それなのにPER(オレンジの線)はずっと一桁台が多くて低いままなんだね?

いいところに気づいたね!EPS(1株当たり利益)はこの10年でおよそ2.9倍に伸びていて、2026年3月期は過去最高益なんだ。それでも株価の評価倍率である予想PERは8倍台と低いまま。適正の目安15倍前後と比べても低い水準だよ。
配当も10年でぐっと増えていて、高配当株としての魅力も高まっているんだ。業績がしっかり伸びているのに割安に見える局面は、長期投資家のチェックしどころだよ。
📊 配当性向・配当利回り 10年推移
📊 EPS・営業利益率・ROE 10年推移
📊 BPS・自己資本比率 10年推移

EPS・営業利益率・ROEのグラフを見ると、営業利益率が4%台から9%台まで上がっているね。順調に見えるけど、工事の会社って受注で業績が変わりそう。安定しているのかな?

いい着眼点だね。田辺工業は産業プラントの設備工事が主力の受注産業なんだ。売上・利益は10年で着実に伸びているけれど、大型工事の進捗や完工のタイミングで業績やキャッシュフローが年により変動する。営業キャッシュフローは2024年3月期がマイナス、2025年3月期が129億円と大きく振れているよ。
ワンポイント:受注産業は単年の数字だけでなく、数年単位のならした傾向で見るのがコツ。利益の中身と変動の幅をあわせて確認しようね。

BPS・自己資本比率のグラフを見ると、自己資本比率が約59%まで上がっているね。借金も少なそうだし、財務はしっかりしているってこと?

そのとおり。自己資本比率59.3%、有利子負債は9.75億円と自己資本に対してとても小さく、実質無借金に近いんだ。利益剰余金も246億円まで積み上がっていて、財務の健全性は高い水準だよ。
ワンポイント:財務が健全な会社は不況に強い反面、株価が割安なまま放置されやすい面もある。財務の強さと株価の割安さ、両方を見ておこうね。

📋 財務指標 分析一覧
| 指標 | 評価 |
|---|---|
| 売上高 | 2017年3月期306億円→2026年3月期524億円と10年で約1.7倍に拡大。産業プラント設備工事を主力に増収基調。2027年3月期は500億円を会社予想。 |
| 経常利益 | 2017年3月期18.3億円→2026年3月期48.1億円と10年で約2.6倍。2026年3月期は過去最高を更新した。 |
| EPS | 2017年3月期111.7円→2026年3月期328.95円と10年で約2.9倍に成長。2027年3月期の会社予想は257.18円。 |
| ROE | 2026年3月期12.34%。過去10年は7〜12%台で推移し、上場企業平均(8%)を上回る年が多い。 |
| ROA | 2026年3月期7.32%。総資産に対する効率は近年改善し、過去10年で最も高い水準にある。 |
| 営業利益率 | 2026年3月期9.11%。過去10年で4〜9%台、近年は採算が改善し過去最高水準。工事業として高めの水準にある。 |
| 売上原価率 | 2026年3月期80.57%。過去10年は約81〜86%で推移。工事業の特性で原価率は高めだが近年は低下傾向。 |
| 自己資本比率 | 2026年3月期末59.3%。過去10年おおむね49〜59%で、財務の健全性は高い水準にある。 |
| 利益剰余金 | 2017年3月期末105億円→2026年3月期末246億円と10年で約2.3倍。内部留保を着実に積み増している。 |
| 有利子負債 | 2026年3月期末9.75億円。自己資本に対し非常に小さく、実質無借金に近い財務構造である。 |
| BPS | 2026年3月期末2,665.26円。1株当たり純資産は10年で着実に拡大。終値ベースのPBRは0.84倍。 |
| 営業CF | 2026年3月期19.4億円。大型工事の進捗・完工のタイミングで年により大きく変動する(2025年3月期は129億円)。 |
| 投資CF | 2026年3月期-8.8億円。設備投資が中心で、毎期おおむねマイナスで推移している。 |
| 財務CF | 2026年3月期-13.5億円。借入返済と配当支払いが中心。2025年3月期は大型の借入返済を実施した。 |
| 現金等 | 2026年3月期末106億円。2025年3月期の大型工事完工で手元資金が大きく積み上がった。 |
| 配当推移(10年) | 2017年3月期20円→2026年3月期100円と分割調整後で5倍に増配。過去10年間で減配はなく連続増配が続く。 |
| 配当性向 | 2026年3月期30.4%。2024年11月から純資産配当率(DOE)基準に変更し、近年は30%前後で推移している。 |
| 自社株買い | 2024年3月期に約3億円を実施。それ以外の年は小規模で、配当を主軸とした株主還元が中心。 |
| PER推移(10年) | 期末ベースで約3.8〜12.2倍のレンジ。終値ベースの予想PER8.68倍は市場平均(15倍前後)より低い水準にある。 |
| PBR推移(10年) | 期末ベースで約0.4〜0.9倍のレンジ。終値ベースのPBRは0.84倍と、解散価値に近い割安な水準にある。 |
| 配当利回り推移 | 期末ベースで2017年3月期2.9%→2026年3月期4.1%へ上昇。終値ベースの予想利回りは4.48%。 |
| リーマンショック後 の配当推移 |
2010年3月期10円→2011年3月期7.5円→2012年3月期7.5円(分割調整後)。リーマンショック後の業績悪化を受け、2011年3月期に減配した(IR BANK/分割調整後)。 |
| 株主還元方針 | 2024年11月に純資産配当率(DOE)基準へ変更し、DOEを重視した安定配当を方針として明確にしている。 |
| セグメント | 売上の90%超を「設備工事事業」(産業プラント設備工事・設備保全工事・電気計装工事等)が占める。ほかにタイでの「表面処理事業」を展開する。 |
| 海外売上比率 | タイ・シンガポール等に拠点をもつが、売上の90%超が国内。公共・産業の設備投資に連動する内需型の企業である。 |
出典:IR BANK・Yahoo!ファイナンス・有価証券報告書

財務指標をぜんぶ見たよ。田辺工業は業績も配当もじわじわ伸びていて、財務もすごく健全なんだね。それなのにPER8倍台・PBR0.84倍と割安で、なんだか掘り出し物に見えたよ。

いい所感だね。田辺工業は過去10年間で減配がなく、2024年11月からは純資産配当率(DOE)基準の安定配当方針を明確にしているんだ。PBRも0.84倍と解散価値を下回っている。
ワンポイント:ただし「割安」には理由があることも多い。受注産業ゆえの業績変動や、小型株で売買が少ない点も割安に見える一因。割安の背景まで考える習慣をつけようね。

ボク気になる点があるんだ。田辺工業はリーマンショックのあと、2011年3月期に減配しているよね。今は連続増配中だけど、業績が大きく落ちたら、また減配もあり得るんじゃない?

大事な視点だね。実際、リーマンショック後の業績悪化で2011年3月期は減配した実績がある。産業プラントの設備投資に左右される受注産業だから、景気後退局面では業績も配当も影響を受けうるんだ。
ワンポイント:高配当株でも「絶対に減配しない」会社はない。過去の減配局面と、今の財務余力(実質無借金・配当性向30%程度)の両方を見て、無理のない範囲で投資判断をしようね。
🏆 田辺工業(1828)総合評価
【業績・財務・キャッシュフロー】
2026年3月期は売上高524億円(前期比+3.0%)・営業利益47.7億円(同+24.3%)と増収増益で、経常利益48.1億円・純利益34.5億円はいずれも過去最高を更新した。1株当たり利益(EPS)は328.95円、営業利益率は9.11%である。過去10年、売上高は306億円から524億円へ着実に増加し、産業プラント設備工事を主力に成長してきた。財務面では自己資本比率59.3%・利益剰余金246億円・現金など106億円と良好で、有利子負債は9.75億円と実質無借金に近い。営業キャッシュフローは大型工事の完工タイミングで年により大きく振れ、2025年3月期の129億円に対し2026年3月期は19.4億円である。
【割安性・投資タイミング】
田辺工業の予想PERは、本日2026年5月25日の終値2,303円ベースで8.68倍である。一般に適正とされる15倍前後を大きく下回り、建設業の業種平均PER14.9倍(株探・2026年5月25日時点)と比べても低い。過去10年の期末PERは約3.8〜12.2倍のレンジで推移しており、現在の8.68倍はそのレンジの中位だが、市場平均・業種平均との比較では明確に低い水準にある。
PBRは0.84倍と解散価値(1倍)を下回り、PERとPBRを掛け合わせたMIX係数は7.29と、割安の目安とされる22.5を大きく下回る。売上高・利益が10年で着実に伸び、2026年3月期は過去最高益を更新する一方で、株価の評価倍率は低く据え置かれている。連続増配を続けながら業績も拡大してきた実績とあわせて見れば、現在は割高で高値づかみしやすい局面ではなく、長期の高配当株投資としては比較的買いやすい水準にあるといえる。
【配当・株主還元】
配当は2017年3月期20円から2026年3月期100円へ、分割調整後で5倍に増配してきた。過去10年間で減配はなく、2027年3月期は100円を会社予想としている。会社は2024年11月に純資産配当率(DOE)基準へ移行し、DOEを重視した安定配当を方針として明確にした。2026年3月期の配当性向は30.4%、終値ベースの予想配当利回りは4.48%である。自社株買いは2024年3月期に約3億円を実施した。
【注意点・リスク】
注意点として、業績が産業プラント・公共の設備投資の動向に左右される点が挙げられる。受注産業のため、大型工事の進捗・完工のタイミングで売上・利益・キャッシュフローが年により変動する。実際、営業キャッシュフローは2024年3月期に-47億円、2025年3月期に+129億円と大きく振れた。過去にはリーマンショック後の2011年3月期に営業利益が急減し減配した実績もある。また時価総額240億円ほどの小型株で、売買時の流動性には注意が必要である。
⚠️ 免責事項
この記事はTJ個人の見解や実体験、IR BANKや決算資料からまとめたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年5月29日時点。


