スコアシート

キッセイ薬品工業(4547)銘柄分析|配当金・高配当株スコアシート

キッセイ薬品工業(4547)銘柄分析スコアシートのアイキャッチ画像。「KISSEI」のロゴと「純良医薬品を通じて社会に貢献」の言葉を掲げ、白衣とゴーグル姿の研究者が試験管を扱う実験室を背景に、財務健全で自己資本比率80%超・20年以上非減配の高配当株・日経連続増配株指数の採用銘柄・安定収益と中長期の成長戦略という特徴が並び、赤枠で「【注意】血管炎治療薬の新規投与中止」と添えられている。
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⚠️ 免責事項

この記事はTJ個人の見解や実体験、決算資料等からまとめたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年8月28日時点。

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今回は、キッセイ薬品工業(4547)を紹介するよ!

普通配当ベースで17期連続増配。だけど、株価は10年ずっと純資産を下回るPBR1倍割れなんだ。

ただ、ここは見逃せない。2026年3月期は、本業のもうけ(営業損益)が赤字。配当の頼もしさと本業の課題、両方を見ていくよ!

東証プライム | コード 4547 | 医薬品 | 決算月:3月

キッセイ薬品工業

高配当株 銘柄分析スコアシート | 2026年3月期 本決算(2026年5月公表)

現在株価(2026/08/28 終値)

4,105前日比±0 (→0.00%)

時価総額 約1,911億円

配当利回り(予)
4.14%
170円予(記念40円込み・普通配当ベース3.08%)
PER(予)
12.79倍
過去レンジ 約9〜25倍(利益急減年除く)
PBR(実)
0.74倍
過去レンジ 0.5〜0.9倍
MIX係数(PER×PBR)
9.46
22.5以下が割安の目安
配当性向(予)
53%
2027年3月期 会社予想
(当ブログ算出)
(記念配当込み)
ROE(実)
5.99%
ROA(実)5.01%
営業利益率(前期)
-3.00%
2026年3月期(営業赤字)
自己資本比率
83.7%
2026年3月期

※データ取得日:2026/08/28

📈 株価・PER・配当10年チャート

4547 キッセイ薬品工業|10年
株価(円) 1株配当(円) PER(倍) 当月点
出典:IR BANK・Yahoo!ファイナンス
数値データを見る(表)

※株価は各年度末(3月末)時点の終値、1株配当は各年度の実績です。株式分割は対象期間に確認されていません(IR BANK)。PERは各年度末の株価と実績EPSから算出(チャート右端の当月の点は、直近終値÷直近実績EPSのトレーリング値)。2026年3月期の1株配当160円には創立80周年記念配当40円を含みます。最新の株価・指標はページ上部のスコアシートをご覧ください。出典:IR BANKYahoo!ファイナンス

年度株価(円)1株配当(円)PER(倍)
2017/032,9184618.39
2018/032,8754815.27
2019/032,8985024.71
2020/032,7815246.12
2021/032,4505421.63
2022/032,555569.12
2023/032,6418011.57
2024/033,5108214.24
2025/033,84510014.02
2026/034,65016014.03
株勉強中 ショウくん
株勉強中 ショウくん

配当の棒グラフ、10年ずっと右肩上がりだね!最後の2年はグンと大きくなってる!

TJ
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配当は10年で約3.5倍!最後のジャンプには、80周年の記念配当40円が入ってるんだ。実力の普通配当だけでも、17期連続で増え続けているよ。

PERの線が大きく波打っているのにも注目。利益の振れが大きい会社だから、PERは単年でなく数年ならして見るのがコツだね!

📊 配当性向・配当利回り 10年推移

4547 キッセイ薬品工業|10年
配当性向(%) 配当利回り(%)
出典:IR BANK・決算資料
数値データを見る(表)

※配当利回りは各年度末株価に対する実績値、配当性向は各年度の実績です。2026年3月期は記念配当40円を含みます。出典:IR BANK

年度配当利回り(%)配当性向(%)
2017/031.5829.0
2018/031.6725.5
2019/031.7342.6
2020/031.8786.2
2021/032.2047.7
2022/032.1920.0
2023/033.0335.0
2024/032.3433.3
2025/032.6036.5
2026/033.4448.3

📊 EPS・営業利益率・ROE 10年推移

4547 キッセイ薬品工業|10年
EPS(円) 営業利益率(%) ROE(%)
出典:IR BANK・決算資料
数値データを見る(表)

※EPS・営業利益率・ROEは各年度の実績です。EPSは投資有価証券売却益などの特別利益で大きく膨らむ年があります(2022・2026年3月期等)。出典:IR BANK

年度EPS(円)営業利益率(%)ROE(%)
2017/03158.7311.844.91
2018/03188.2413.365.15
2019/03117.328.583.01
2020/0360.302.941.46
2021/03113.252.182.41
2022/03280.19-2.146.42
2023/03228.30-1.675.43
2024/03246.585.315.07
2025/03274.206.545.72
2026/03331.53-3.005.99

📊 BPS・自己資本比率 10年推移

4547 キッセイ薬品工業|10年
BPS(円) 自己資本比率(%)
出典:IR BANK・決算資料
数値データを見る(表)

※BPS・自己資本比率は各年度末の実績です。出典:IR BANK

年度BPS(円)自己資本比率(%)
2017/033258.7584.3
2018/033761.0183.3
2019/033901.4685.4
2020/034119.8683.0
2021/034755.7181.6
2022/034366.9484.6
2023/034204.6387.7
2024/034977.3884.3
2025/034882.6785.6
2026/035552.0883.7
しばっち
しばっち

自己資本比率が80%超えって、すごく高くない!?なのに本業は赤字って、どういうこと!?

TJ
TJ

財務は超健全、本業は苦戦——これがいまのキッセイなんだ。手元の現金や投資有価証券が分厚くて、会社としてはつぶれにくい体質だよ。

株勉強中 ショウくん
株勉強中 ショウくん

でもROEは低いままだね?高い年でも6%くらいだよ?

TJ
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それが分厚い財務の裏の顔。自己資本が大きいほど、同じ利益でもROEは低く出る。安全性と資本効率はトレードオフなんだ。

会社も中計でROE8%以上を目標に掲げて、増配や自社株買いで資本効率を上げようとしている。この改革が進むかが見どころだね!

📋 財務指標 分析一覧

指標 評価
売上高 10年で約1.4倍に拡大し、2026年3月期は974億円(前期比+10.3%)。近年は増収基調が続く。
経常利益 振れが非常に大きく、114億円台の年から赤字の年まで。2026年3月期は△12億円の赤字だった。
EPS 10年で約2.1倍。ただし投資有価証券売却益などの特別利益で大きく膨らむ年があり(2022・2026年3月期等)、実力は本業の回復次第。
ROE 5〜6%前後と低め。分厚い自己資本の裏返しでもあり、会社は中計でROE8%以上を目標に掲げる。
ROA 4〜5%台。資産の多くを現金・有価証券が占める資産構成を反映。
営業利益率 かつての11〜13%台から悪化し、赤字の年も。2026年3月期は-3.00%で、収益性の立て直しが最大の課題。
売上原価率 10年で約35%から53%へ大幅上昇し、粗利率の悪化が続く。
自己資本比率 10年を通じて80%台で安定。83.7%(2026年3月期)と極めて厚い。
利益剰余金 10年で約1.3倍。赤字の年を挟まず毎期積み上がる。
有利子負債比率 有利子負債は短期借入金12.5億円のみで、現金等約540億円が大きく上回る実質無借金(決算短信)。
BPS 10年で約1.7倍。1株あたり純資産は5,552円(2026年3月期末)まで積み上がった。
営業CF 年による振れが大きく、直近10年で4回マイナス(2026年3月期は△15億円)。本業のキャッシュ創出は不安定。
投資CF 近年はプラスの年が多い。保有する投資有価証券の売却で資金を回収する動きが続く。
財務CF 10期連続のマイナス。配当と自社株買いという株主還元の支払いが主因。
現金等 期末残高は430億〜590億円台と厚く推移。2026年3月期末は約540億円。
配当推移(10年) 普通配当ベースで17期連続増配(実績・2010年3月期起点)。合計では46円→160円(記念配当込み)へ約3.5倍。2027年3月期は170円(普通130円+記念40円)の会社予想。
配当性向 おおむね20〜48%。利益が急減した年は86%まで上昇したこともある。会社は配当性向40%以上を目指す。
自社株買い 中期経営計画「Beyond 80」の株主還元方針のもと、2026年は上限60億円の自己株式取得枠を決議している(会社発表)。
PER推移(10年) 利益の振れを映して約9〜25倍を大きく往来(利益急減の年は46倍の年も)。単年のPERでは測りにくい銘柄。
PBR推移(10年) 0.5〜0.9倍と10年一貫して1倍割れ。純資産の厚みに対して株価の評価は低いまま。
配当利回り推移 年度末ベースで1%台半ばから3%台へ切り上がり。増配の積み重ねを反映している。
リーマンショック後
の配当推移
リーマンショック期も減配なし。2008年3月期は28円で据え置き、2009年3月期は30円(上場20周年記念2円込み・普通配当ベースでは据え置き)。以後は32円→34円→36円と増配を続けた(有価証券報告書・IR BANKで確認)。
株主還元方針 中期経営計画「Beyond 80」で「配当性向40%以上を目指すとともに、累進配当(普通配当)とする方針の下で、5年間の総額は270億円を計画」と明言。
セグメント 医薬品事業が約779億円と売上の約8割を占める中核。情報サービスなどの周辺事業を併営する。
海外売上比率 国内売上が9割超のため区分開示なし(セグメント注記)。国内の薬価制度の影響を受けやすい内需型。

▼ くわしくデータを見る

出典:IR BANKYahoo!ファイナンス決算短信・有価証券報告書

株勉強中 ショウくん
株勉強中 ショウくん

気になることがあるんだ。本業が赤字なのに、純利益は過去10年でいちばん大きかったんでしょ?どういうカラクリなの?

TJ
TJ

カラクリはシンプル。持っていた株や資産の売却益だよ。2026年3月期は投資有価証券売却益などの特別利益が約182億円あって、本業の赤字を埋めてお釣りがきたんだ。

ただし、これは売ったら終わりの一度きりの利益。会社は2027年3月期に営業黒字へ戻す計画で、その回復を確かめていく段階なんだ。

しばっち
しばっち

もっと心配なニュースを見たよ!キッセイのお薬がヨーロッパで承認取消しって、本当なの!?

TJ
TJ

タブネオスのことだね。2026年6月末、臨床試験データの疑義をきっかけとする審査の末に、EUの委員会が承認取消しを勧告したと会社が開示した。国内では当局と協議中で、業績への影響は精査中なんだ。

重いニュースだから、続報は必ず確認してほしい。配当の実績が良い会社でも、リスクにはちゃんと向き合っていこう!

🏆 キッセイ薬品工業(4547)総合評価

【業績・財務・キャッシュフロー】
キッセイ薬品工業は、泌尿器科や婦人科、透析の領域に強みを持つ長野県松本市の製薬会社です。売上は10年で約1.4倍に伸びた一方、本業のもうけを示す営業損益は赤字に沈んでいます(2026年3月期は連結で営業損失29億円)。それでも純利益が過去10年で最高となったのは、投資有価証券売却益など約182億円の特別利益によるもの——利益の中身を分けて読む必要がある決算です。

財務は対照的に鉄壁です。自己資本比率は10年を通じて80%台、手元の現金等は約540億円で、有利子負債は短期借入金12.5億円のみの実質無借金。倒れにくい財務と、本業の採算悪化が同居しています。

【割安性・投資タイミング】
株価は10年一貫してPBR1倍割れ(0.5〜0.9倍)で、純資産の厚みに対して低い評価が続いてきました。MIX係数も割安の目安22.5を大きく下回ります。

ただし、PERは利益の振れで約9〜25倍を大きく往来してきた銘柄で、単年の指標では割安さを測りにくい面があります。低い評価の背景には本業の採算と後述のリスクがあり、数字の安さだけで飛びつかない見極めが必要です。

【配当・株主還元】
配当は普通配当ベースで17期連続増配(実績)。リーマンショック期も減配せず、2027年3月期は170円(普通130円+創立80周年記念40円)の会社予想です。

中期経営計画「Beyond 80」では「配当性向40%以上を目指すとともに、累進配当(普通配当)とする方針の下で、5年間の総額は270億円を計画」と明言。自己株式の取得枠も設けており(2026年は上限60億円を決議)、還元姿勢は極めて前向きです。なお記念配当は累進の対象外の建付けのため、2028年3月期に合計額が減って見える可能性がある点は知っておきたいところです。

【注意点・リスク】
最新の有価証券報告書の「事業等のリスク」では、新薬開発の不確実性・毎年の薬価改定・後発医薬品との競合が挙げられています。加えて2026年6月末、同社の医薬品タブネオスについてEUの委員会が承認取消しを勧告したと会社が開示しました(国内は当局と協議中・業績影響は精査中)。

2027年3月期の営業黒字転換は会社予想であり、実現するかはこれからの決算次第です。厚い財務と増配の実績を評価しつつ、本業とリスクの行方から目を離さない——そんな姿勢で見ていきたい1社です。

▼ つづきを読む

💬 【TJの視点】

TJTJ(運営者・個人投資家)

キッセイ薬品を見るとき、私の中では期待と慎重が半々です。

純資産割れの株価に、普通配当だけで17期連続増配。この実績は文句なしに魅力的です。

中期経営計画で、普通配当を減らさず続ける「累進配当」を明文化している点も、減配を嫌う私には心強い材料です。

ただ、買い注文には手が伸びません。理由はただ一つ、本業の赤字です。

いまの純利益は資産の売却益で作られた面が大きく、稼ぐ力そのものはまだ戻っていません。

加えてタブネオスの問題。医薬品株は、一つのニュースで景色が変わることを忘れてはいけません。

私が見ているのは、営業黒字への転換が計画どおり進むかどうか。ここが戻れば、この会社の見え方は大きく変わると考えています。

監視中の個人投資家の一見解です。最後はアナタ自身の判断で決めてくださいね。

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執筆:TJ(個人投資家・プロフィール記事の品質管理について

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