⚠️ 免責事項
この記事はTJ個人の見解や実体験、決算資料等からまとめたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年10月15日時点。
今回は、ニチレキグループ(5011)が登場!
10年以上連続増配銘柄だけど、原油価格と公共事業の動向によってはリスクも出てくる銘柄だから、いい面も懸念点もみんなで一緒に学んでいこうよ!
東証プライム | コード 5011 | 石油・石炭製品 | 決算月:3月
ニチレキグループ
高配当株 銘柄分析スコアシート | 2026年3月期(2026年5月公表)
現在株価(2026/10/15)
2,170円前日比-13 (↓0.60%)
時価総額 約688億円
配当利回り(予)
3.92%
85円(2027/3期予想)
PER(予)
14.36倍
過去レンジ 4.6~23.6倍
PBR(実)
0.78倍
過去レンジ 0.4~1.1倍
配当性向(予)
56.3%
2027年3月期 会社予想
(当ブログ算出)
自己資本比率
64.9%
良好な財務水準(2026/3期)
※データ取得日:2026/10/15
ニチレキグループ(5011)はどんな会社?【事業内容】
ニチレキグループは、改質アスファルト・乳剤で国内トップ。2026年3月期は売上の約3分の2を道路舗装事業が占め、次いでアスファルト応用加工製品事業。全国を9つのエリアに分けて事業を進め、一般の舗装工事は地域の子会社が受注・施工します。1943年創業で、本社は東京都千代田区。1970年上場。東証プライム。決算月は3月。
📈 株価・PER・配当10年チャート
5011 ニチレキグループ|10年
株価(円)
1株配当(円)
PER(倍)
当月点
出典:IR BANK・Yahoo!ファイナンス
数値データを見る(表)
※株価は各年度末時点の値です。最新の株価・指標はページ上部のスコアシートをご覧ください。表の最終行(2026/10)は当月時点の値で、株価は2026年10月15日時点、1株配当とPERは今期の会社予想に基づく値です。出典:IR BANK・Yahoo!ファイナンス
| 年度 | 株価 (円) | 1株配当 (円) | PER (倍) |
|---|
| 2017/03 | 909 | 23 | 6.93 |
| 2018/03 | 1229 | 27 | 9.08 |
| 2019/03 | 1095 | 32 | 8.75 |
| 2020/03 | 1300 | 34 | 20.47 |
| 2021/03 | 1580 | 38 | 7.19 |
| 2022/03 | 1235 | 42 | 5.54 |
| 2023/03 | 1488 | 50 | 7.23 |
| 2024/03 | 2471 | 70 | 16.18 |
| 2025/03 | 2180 | 75 | 13.22 |
| 2026/03 | 2105 | 80 | 14.06 |
| 2026/10 | 2170 | 85(予) | 14.36(予) |
ニチレキの10年チャート、配当は増え続けているけど、PERはけっこう上下に揺れているんだね?
PERが揺れているのは、利益が年によって変動するからだよ。
ただ、これまでのPER・PBRどちらから見てもやや割安水準かなっていうのがTJの見立てなんだ。
📊 配当性向・配当利回り 10年推移
5011 ニチレキグループ|10年
配当性向(%)
配当利回り(%)
出典:IR BANK・決算資料
数値データを見る(表)
※年次の確定値のみを掲載しています。出典:IR BANK・決算資料
| 年度 | 配当利回り (%) | 配当性向 (%) |
|---|
| 2017/03 | 2.53 | 17.5 |
| 2018/03 | 2.20 | 19.9 |
| 2019/03 | 2.92 | 25.6 |
| 2020/03 | 2.62 | 53.5 |
| 2021/03 | 2.41 | 17.3 |
| 2022/03 | 3.40 | 18.8 |
| 2023/03 | 3.36 | 24.3 |
| 2024/03 | 2.83 | 45.8 |
| 2025/03 | 3.44 | 45.5 |
| 2026/03 | 3.80 | 53.4 |
📊 EPS・営業利益率・ROE 10年推移
5011 ニチレキグループ|10年
EPS(円)
営業利益率(%)
ROE(%)
出典:IR BANK・決算資料
数値データを見る(表)
※年次の確定値のみを掲載しています。出典:IR BANK・決算資料
| 年度 | EPS (円) | 営業利益率 (%) | ROE (%) |
|---|
| 2017/03 | 131.21 | 10.55 | 8.04 |
| 2018/03 | 135.39 | 8.99 | 7.64 |
| 2019/03 | 125.17 | 8.89 | 6.79 |
| 2020/03 | 63.51 | 9.01 | 3.45 |
| 2021/03 | 219.70 | 12.79 | 10.25 |
| 2022/03 | 222.88 | 10.98 | 10.01 |
| 2023/03 | 205.70 | 9.65 | 8.67 |
| 2024/03 | 152.72 | 8.15 | 6.00 |
| 2025/03 | 164.89 | 8.28 | 6.27 |
| 2026/03 | 149.71 | 7.80 | 5.39 |
📊 BPS・自己資本比率 10年推移
5011 ニチレキグループ|10年
BPS(円)
自己資本比率(%)
出典:IR BANK・決算資料
数値データを見る(表)
※年次の確定値のみを掲載しています。出典:IR BANK・決算資料
| 年度 | BPS (円) | 自己資本比率 (%) |
|---|
| 2017/03 | 1631.12 | 71.7 |
| 2018/03 | 1772.14 | 72.8 |
| 2019/03 | 1844.64 | 75.2 |
| 2020/03 | 1842.48 | 73.9 |
| 2021/03 | 2048.01 | 74.9 |
| 2022/03 | 2226.92 | 77.0 |
| 2023/03 | 2394.72 | 79.2 |
| 2024/03 | 2546.08 | 78.7 |
| 2025/03 | 2636.31 | 68.8 |
| 2026/03 | 2798.45 | 64.9 |
EPS・営業利益率・ROE、3つとも2021年ごろをピークに下がってきているね。利益、出せていないんじゃない?
ニチレキって毎年の利益がけっこうブレブレなんだ。しっかり黒字は毎年確保しているけど、安定した稼ぎが出せていないのは残念な点だね。
利益が不安定なのに、増配を続けられるのは、どうして?
するどい質問だね。ニチレキは配当性向を引き上げることで増配を続けてきたみたいだね。
ただ、配当性向が50%以上を超えてきたから、今後の増配余力には注意が必要だね。
📋 財務指標 分析一覧
| 指標 |
評価 |
| 売上高 |
10年で約1.4倍に拡大。2021年3月期以降は700億円台で推移。2027年3月期は800億円を会社予想。 |
| 経常利益 |
2021年3月期の96億円をピークに、近年は60億円前後で推移している。 |
| EPS |
安定した右肩上がりの増加とは遠い銘柄。 |
| ROE |
2026年3月期5.39%。自己資本が厚いため数値は低めに出るが、過去10年は3~10%台で推移している。 |
| ROA |
2026年3月期3.50%。過去10年は2~8%台で推移し、近年はやや低下傾向にある。 |
| 営業利益率 |
2026年3月期7.80%。過去10年は7~13%台で、2021年3月期の12.79%をピークに低下傾向にある。 |
| 売上原価率 |
2026年3月期76.43%。過去10年は74~78%台で、原材料であるアスファルト価格などにより変動する。 |
| 自己資本比率 |
2026年3月期末64.9%。2024年3月期末の78.7%から低下したが、これは大型投資に伴う借入増が主因。依然として高い水準。 |
| 利益剰余金 |
2017年3月期末413億円→2026年3月期末710億円と、10年で約1.7倍。内部留保を着実に積み増している。 |
| 有利子負債 |
2026年3月期末182億円。2024年3月期末の13.6億円から急増したが、これは2025年3月期の大型投資に伴う借入による。 |
| BPS |
2026年3月期末2,798.45円。1株当たり純資産は10年で着実に拡大。前日終値ベースのPBRは0.82倍。 |
| 営業CF |
2026年3月期24.2億円。過去10年はおおむね32~91億円で推移し、本業で安定した黒字を確保している。 |
| 投資CF |
2026年3月期-52.9億円。2025年3月期は大型投資により-124.7億円となった。設備投資が中心。 |
| 財務CF |
2026年3月期-40.2億円。2025年3月期は借入で+137.3億円。近年は配当・自社株買いの支払いが中心。 |
| 現金等 |
2026年3月期末247.5億円。安定した営業CFを背景に、手元資金は厚みを保っている。 |
| 配当推移(10年) |
2017年3月期23円→2026年3月期80円と、10年で約3.5倍に増配。2017年3月期以降は毎期増配を続けている。 |
| 配当性向 |
2026年3月期53.4%。近年は45~53%台へ上昇しており、利益が伸び悩むなかで増配を続けている。 |
| 自社株買い |
近年は積極化。2024年3月期に約25億円、2026年3月期に約24億円を実施し、配当と合わせた還元を強化している。 |
| PER推移(10年) |
期末ベースで5.5~20.5倍と振れ幅が大きい。 |
| PBR推移(10年) |
過去10年の期末レンジは約0.6~1.0倍。ほとんどPBR1倍を下回っている。 |
| 配当利回り推移 |
期末ベースで2017年3月期2.5%→2026年3月期3.8%へ上昇。前日終値ベースの予想配当利回りは3.73%。 |
リーマンショック後 の配当推移 |
2008年3月期8円・2009年3月期8円・2010年3月期15円・2011年3月期10円・2012年3月期10円。2010年3月期に増配後、2011年3月期は10円へ減配(第68期有価証券報告書)。 |
| 株主還元方針 |
配当性向50%程度を目標としている(第82期有価証券報告書)。 |
| セグメント |
「道路舗装事業」と「アスファルト応用加工製品事業」が中核。2025年3月期は道路舗装事業の売上496億円、応用加工製品事業258億円。 |
| 海外売上比率 |
海外売上は区分開示されておらず、国内の道路インフラ向けが中心。道路の維持・補修需要に連動する内需型の企業。 |
▼ くわしくデータを見る
出典:IR BANK・Yahoo!ファイナンス・有価証券報告書
気になる点があってさ、アスファルトって石油が必要だから、原油高のときは業績に影響するんじゃないの?
ニチレキのリスクはそこなんだ。
道路舗装って原油価格が影響する事業だし、2026年は特に米国&イスラエルによるイラン攻撃、ホルムズ海峡の実質的な封鎖によって引き起こされた石油危機が不安材料になってる。
連続増配だったとしても安心せず、毎年の決算や最新IRニュースを確認することも大切だよ。
🏆 ニチレキグループ(5011)総合評価
業績・財務・キャッシュフロー
売上高は2021年3月期以降、700億円台で横ばい。一方、営業利益は2021年3月期をピークに60億円前後まで下がり、年ごとの利益のブレも大きいのが実情です。2026年3月期は営業・経常・純利益がすべて減益で、2027年3月期は会社予想で増収・小幅な営業増益です。
大型投資で2025年3月期に借入が増え、自己資本比率は60%台半ばへ下がりましたが、私の目安とする40%を大きく上回り、厚い自己資本は健在です。本業で稼ぐ現金(営業CF)は19期すべて黒字。ただ2026年3月期は設備投資がかさみ、手元に残る現金(フリーCF)はマイナスでした。
割安性・PER・PBR
PBRはこの10年、期末ベースで10期すべて1倍割れで、資産面では割安です。期末PERは約5.5~20.5倍と大きく振れますが、10期中8期は一般に適正とされる15倍を下回り、概ね割安な水準です。
PERとPBRを掛け合わせたMIX係数も22.5を大きく下回ります。表の2社と比べると、営業利益率は最も高く、配当利回りは最も低い水準。利益が伸び悩むなか、指標の安さだけで判断しないよう注意が必要です。
■ 道路舗装を手がける2社との比較
| 銘柄 |
PER(予) |
PBR(実) |
配当利回り(予) |
営業利益率 |
基準日 |
| ニチレキグループ(5011) |
14.36倍 |
0.78倍 |
3.92% |
7.80% |
2026/10/15 |
| 佐藤渡辺(1807) |
13.42倍 |
0.55倍 |
4.14% |
3.17% |
2026/09/18 |
| 東亜道路工業(1882) |
17.71倍 |
1.45倍 |
5.59% |
4.77% |
2026/09/18 |
※一部の同業他社との比較です。
配当・株主還元
年間配当(記念配当を含む)は2017年3月期から10期連続で増え、この10期で約3.5倍になりました。2027年3月期も会社予想で増配です。普通配当ベースでは2019年3月期が据え置きですが、2012年3月期以降、普通配当は一度も減っていません。
配当の目標は配当性向で示されており、中期経営計画「のびやか2030」は最終年度に50%程度を掲げます。2026年3月期の実績は、すでに53.4%に達しています。自社株買いも2024年3月期と2026年3月期に実施しましたが、利益が伸びないまま配当性向だけが上がっている点は、増配余力の面で気がかりです。
注意点・リスク
1つめのリスクは原材料価格の変動です。主原料のアスファルトは原油を精製してつくられるため、原油高を販売価格に転嫁しきれなかったり、材料が安定して手に入らなかったりすると、業績に影響する可能性があります。
道路舗装事業は公共工事の割合が高く、国や自治体の予算の削減や執行状況しだいで業績が左右される可能性があります。会社は長寿命化や環境負荷低減に役立つ工法を提案し、空港・港湾・鉄道などでも需要の掘り起こしを進めています。(引用:第82期有価証券報告書・事業等のリスク)
▼ つづきを読む
ニチレキグループ(5011)のよくある質問
Q. ニチレキグループの配当推移はどうなっていますか?
A. 2017年3月期から10期連続で増配し、2027年3月期も会社予想で増配です。記念配当を含む年もあり、普通配当ベースでは2019年3月期が据え置きですが、2012年3月期以降は減配していません。
Q. ニチレキグループに株主優待はありますか?
A. ありません。株主還元は年2回の配当が柱で、中期経営計画では配当性向50%程度を目標にしています。
Q. ニチレキグループの主なリスクは何ですか?
A. 有価証券報告書が最初に挙げる2つは、原材料価格の変動と公共事業の動向です。原油由来のアスファルトの値上がりを販売価格に転嫁しきれない場合や、公共事業の予算が削られた場合に、業績に響くおそれがあります。
▼ 質問と回答をすべて見る
💬 【TJの視点】
TJ(運営者・個人投資家)
ニチレキグループは、連続増配の実績と良好な財政状態がプラス材料です。
また、PBRはこれまでの推移からずっと1倍割れが続き、PER推移も概ね割安水準のため、資産面・収益性どちらからみてもバリュー株の可能性があります。
一方で、気をつけたい点もあります。
利益は数年前をピークに伸び悩み、EPSも右肩上がりの安定した増加基調とは言いがたい。配当を支える余力=配当性向も上がってきています。
このまま利益が伸びないと、増配のペースが鈍る可能性は意識しておきたいところです。
道路の仕事は公共事業や補修の需要に左右されやすく、材料となるアスファルトの価格変動も採算に響きますから、バリュートラップには注意が必要です。
なので私は、割安さと積極的な株主還元は評価しつつ、利益がもう一段伸びていけるかを見極めながら、買うかどうかを見守りたい考えです。
あくまで私の一見解なので、最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
⚠️ 免責事項
この記事はTJ個人の見解や実体験、決算資料等からまとめたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年10月15日時点。
サイト運営者