小型株はなぜ割安のまま放置される?個人投資家の強み|配当ゼミ
⚠️ 免責事項
この記事はTJ個人の見解や実体験、決算資料等からまとめたものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年8月27日時点。本記事にはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト)を含みます。
「配当ゼミ」へようこそ!今回はPERのキホン第5弾、最終回!
テーマは「小型株」。なぜ、小型株は割安のまま放置されるのか?その理由と、個人投資家だからこそ活かせる強みを、TJの実体験で語るよ!

今日の話は、第3弾のPERの比べ方と、第4弾のミスプライスの話が土台になってるよ。まだの人は下の2本から読むのがおススメ!


- 高配当株投資家
- 一度買ったら長期保有が基本
- 2022年から株式投資をスタート
- 15〜20年非減配を基準に銘柄分析
- 独自のスコアシートと10年チャートを作成
- 小型株とバリュー株が好き
- スーパーの半額シールも好き
きょうの結論
小型株が割安のまま放置されやすい背景には、「機関投資家が参入しにくい」という市場の構造があります。会社の実力の問題とは限りません。そしてこの構造は、時価総額のしばりなく、1株からコツコツ打診買いで、急がずに動ける個人投資家の強みになり得る——私はそう考えて、小型株を主戦場にしています。


はじめに1つだけ。正直に告白するね。
私は投資を始めたころ、小型株が眼中にありませんでした。
そもそも「小型株って何?」というレベル。
時価総額の小さい会社を目にしても、「名前も聞いたことのない企業に投資して大丈夫?」「SNSやブログで調べても情報が少なくて不安」——そんな気持ちが先に立っていました。
いま振り返ると、当時の私は他の人も持っているから安心という他人軸で銘柄を見ていたのだと思います。
その私が、いまでは時価総額の小さい会社を中心に銘柄分析・投資をしています。何を知って、見方が変わったのか。
今日は、その話です。
「人気なさそうな株」をスルーしていたTJが、「誰も見ていないからこそ」と考えるようになった理由。順番に話していくね!
【なぜ?】小型株が割安のまま放置される理由
前回のPERのキホン第4弾では、業績も財務も健全なのに安いまま——「ミスプライス(値付けの間違い)」の見極め方をお話ししました。
では、相場におけるミスプライシングは、どこで起きやすいのでしょうか?
私の答えは、時価総額が小さい小型株の世界です。

時価総額が小さいと、なんで値付けの間違いが起きやすいの?会社の大きさと株価の正しさって、関係あるの?

会社の大きさじゃなくて「誰がその株を売り買いしているか」が関係するんだ。
小型株の世界には、株価をいつも見張っているプロが比較的少ない。ここがポイント!
カギは、ファンドなどの機関投資家——いわゆる「プロ」の事情にあります。
プロは、巨額の資金で株を売り買いします。
ところが、1日の売買が少ない小型株を大きな資金で買い集めると、自分の買いで株価をつり上げてしまう。売るときは逆に、自分の売りで株価を押し下げてしまう。
つまり、プロが動かす資金はデカすぎるので、小型株の売買では利益を出しにくいのです。
プロの目が届きにくい市場では、実力と値段のズレ——PERのキホン第4弾でお話ししたミスプライスのまま、放置気味に残りやすくなります。
私がこの構造を知ったのは、個人投資家のヘムさんがX(旧Twitter)で発信されていた小型バリュー株の分析がきっかけでした。そして、ヘムさんの著書で理解が一気に深まりました。
参考書籍
ヘム著『「増配」株投資 年1,075万円もらう資産3.7億円の投資家が教える!』(KADOKAWA・2025年)。この章で紹介する市場の構造の考え方は、同書の第1部を参考にしています。著者のヘムさんはX(@pygmy_hem)でも小型割安株の分析を発信されています。ご参考までに。
※書籍リンクはAmazonアソシエイト(広告)リンクを使用しています。

同書によると、日本市場参加者の8割はプロ。そのプロがほとんど参加できないのが、小型株という特殊な市場です。
「安いまま誰も買わない」のは、みんなが調べたうえで見送った結果とはかぎらない。
そもそも値段を見直せる参加者が、その市場に少ない——この見方を知ったとき、私の小型株への苦手意識は、魅力に変わりました。

プロが来られない市場かぁ…。でも、プロがいないってことは、正しい値段を知ってる人がいないってことでしょ?それって逆に危なくない?
そうなんだ。値段のズレは割高の方向にも起きる。プロ不在=安全、じゃないんだ。
だからこそPERのキホン第4弾でやった「業績と財務で確かめる手順」とセットで分析して欲しいんだ!
【重要】個人投資家の強み プロの空白地帯で戦える
「プロがいない場所」は、個人投資家にとってどんな意味を持つのか?ここが今日の核心だよ!
まず、日本のマーケットの広さを数字で見てみます。
2026年8月27日時点で、東証に上場する約3,900社のうち…
小型株(時価総額1,000億円未満)=約2,870社。市場全体の約74%を占めます。
中型株・大型株(同1,000億円以上)=合わせて約1,030社。プロの主戦場はこっち。
※上記企業数は日本取引所グループ「上場会社数」とYahoo!ファイナンスの時価総額ランキングで私が数えた値です。小型株の厳密な定義はありません。上の区分けは同書の分類(大型株=3,000億円以上/中型株=1,000〜3,000億円/小型株=1,000億円未満)に沿ったものです。
プロは、限られた大きな銘柄の中で、大勢のプロ同士で競い合っています。一方、残りの約7割:2,800社を超える小型株の世界は、プロの監視があまい。
この広い小型株の世界で、個人投資家は自由に泳げます。
では、この構造はアナタにとって何を意味するのか?
私が感じている個人の強みは、次の3つです。
私が感じている個人投資家の強み3つ
①時価総額のしばりがない=プロと違って「時価総額○○億円以上でないと買えない」という決まりがない。約3,900社ぜんぶが調べる対象になる。
②少額で動ける=1株から買えるので少額から始められる。私くらいの金額なら、自分の注文で株価を大きく動かしてしまうことも起きにくい。
③急がなくていい=個人には「いつまでに結果を出す」という締め切りがない。私は市場が見直すまで、配当を受け取りながら待つつもりでいます。
✔ 注意=強みは「勝てる保証」ではありません。小型株には後述の弱点(売買のしにくさ・値動きの荒さ・情報の少なさ)もセットであります。

いいことばかりに聞こえるけど、プロが避ける市場ってことは、それなりの理由もあるんじゃないの?

あるよ!しばっちの言うとおり、弱点はハッキリしてる。
出来高(その日に売り買いされた株数)が少ないから、売りたいときにすぐ売れないことがある。値動きも荒れやすいし、情報も少ない。
あと、株価が見直されないまま何年も安いままってこともある。だからTJは、買い方も決めているんだ。つぎで紹介するね!
TJは小型株を、こう買っている

構造を知ってからの私は、時価総額1,000億円以下の小型株分析に重点を置くようになりました。
買った当時はPERが低く、「割安なのに、機関投資家が入りにくいぶん見過ごされているかも」と私が考えて買った銘柄の一部が、
このような小型株です(ほかにも複数あります。いずれも私が保有している銘柄です)。
温度計、鉄道の信号、熱に耐えるレンガ、工場の設備工事、ソフトウェア開発。どれも暮らしを支える仕事ですが、大型株と比べると市場参加者が白熱する場面は多くない——私はそう感じています。

TJはこういった小型株も、1単元=100株以上で買ってるの?

答えはNO!
1株から売買できる単元未満株で買ってるよ!
単元未満株は楽天証券、SBI証券等で買うことができます。
私は売買手数料無料のSBI証券を使っていて、日々コツコツ、数株ずつの打診買いで成行注文のみ、という買い方です。
数株で注文すれば、買う値段は自然に分かれます。値動きの荒い小型株を一度にまとめて買うより、私にはこのほうが落ち着いて続けられる。それが理由です。
そしてもうひとつ。私が決めていることがあります。
増配や上方修正などの好材料で株価が急騰した直後は、買わない。
投資家心理で、うれしいニュースほど飛びつく傾向にあります。でも、急騰した直後に買えば、高値づかみになる可能性もある。
だから配当利回りや株価の水準を見ながら、落ち着くのを待ちます。
以上がTJの基本的な買い方です。参考にしてみてください。

さあ、みんな!そろそろこの記事終わりに近づいてきたよ!TJの小型株との付き合い方、流れにするとこの3つだよ!
①分析 銘柄分析をして、TJ好みでなければ監視リストから外す
②監視 TJ好みなら監視銘柄リストに入れ、投資タイミングを待つ
③打診買い タイミングが来たら、1株〜コツコツ少額で買っていく
【ワンポイント】
これは私の実例の紹介であって、小型株やこのやり方をすすめるものではありません。1株ずつ買っても、株価が下がり続ければ損失は出ます。買う金額の上限は、生活に影響が出ない範囲であらかじめ決めておくことも必要です。
大きな一歩を1回、じゃなくて、小さな一歩を毎日コツコツ!
小型株の荒い値動きとは、歩幅を小さくして付き合う。これがTJ流だよ!
今日の宿題(1つだけ)
✏️ 気になる銘柄1つの「時価総額」を見てみる
- Yahoo!ファイナンスで、気になる銘柄を検索
- 銘柄ページを下にスクロールし、「参考指標」の欄にある「時価総額」を見る
- 1,000億円=100,000百万円より大きいか小さいかを見る——今日はここまで
※無料で確認できます。見るだけで、売買はしなくてOK。大きい・小さいに良し悪しはなく、「自分の気になる株が、プロの主戦場にいるのか・個人が主役の世界にいるのか」を知る練習です。
次に読む1本
本文で名前を挙げたうちの1銘柄『美濃窯業』は、熱に耐えるれんがをつくる会社です。私が確かめた業績と財務の数字は、この記事に載せています。
→ 美濃窯業(5356)銘柄分析|配当金・高配当株スコアシート
まとめ 連載「PERのキホン」 これにて完結

はい!PERのキホン連載シリーズ最終回。今日のまとめだよ!
- 小型株が割安のまま放置されやすい背景には、機関投資家が参加しにくいという市場の構造がある
- プロの空白地帯である小型株は、1株から・急がず動ける個人投資家の強みになり得る(ただし割高方向のズレや、売買のしにくさという弱点もある)
- コツコツ打診買い。1単元まとめて買わず、1株〜数株ずつ。好材料で急騰した直後は買わない

いままで連載していたPERのキホン 第1弾~第5弾の記事を以下に載せておくから、ぜひチェックしてみてね!
PERのキホン 全5弾
第1弾:PERは「投資資金の回収年数」という見方
第2弾:低PER株にひそむワナの見分け方
第3弾:割高・割安はPERの比べ方で分かる
第4弾:放置された割安株の見極め方6選
第5弾:小型株はなぜ割安のまま放置される?(本記事)

小型株=魅力があまりないって思ってたけど、「プロが来られないだけ」っていう見方は勉強になったよ!
まずは宿題の時価総額チェックで、ボクの気になる株がどっちの世界にいるか見てみる!
連載『PERのキホン』は今回で完結。第1弾から読んでくれたアナタ、本当にありがとう!
TJのバリュー株スタイルは、「プロの少ない小型株市場で、過小評価されたミスプライス銘柄を安く買う」。PERは、そのための道具の1つなんだ。
この連載が、アナタの銘柄分析の役に立ったらうれしいな!
TJの配当ゼミとは?
「TJの配当ゼミ」は、高配当株投資のキホンの考え方と道具を、週1ペースでひとつだけ学ぶ連載です。銘柄の答えではなく、自分で判断するための物差しをお渡しします。
平日=銘柄分析/週1=この配当ゼミでレベルアップ/日曜=TJの実際の売買記録、が当ブログの1週間のリズムです。これらの記事であなた自身の判断力が少しずつ身についていったら嬉しいです。
執筆:TJ(個人投資家・プロフィール/記事の品質管理について)



⚠️ 免責事項
この記事はTJ個人の見解や実体験、決算資料等からまとめたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年8月27日時点。
