⚠️ 免責事項
この記事はTJ個人の見解や実体験、決算資料等からまとめたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年8月27日時点。
今回は、TJが保有しているサンゲツ(8130)の紹介だよ!壁紙や床材でおなじみ、インテリアの国内最大手だね。
12期連続増配の手厚い株主還元がいちばんの見どころ。ただ、稼ぐ力にはちょっと気になる点もあってね。良い面も心配な面も、いっしょに確かめていこう!
東証プライム | コード 8130 | 卸売業 | 決算月:3月
サンゲツ
高配当株 銘柄分析スコアシート | 2026年3月期(2026年5月公表)
現在株価(2026/08/27 終値)
3,210円前日比+10 (↑0.31%)
時価総額 約1,900億円
配当利回り(予)
4.83%
155.00円(2027年3月期予想)
PER(予)
13.98倍
利益急減年を除き約9〜35倍
PBR(実)
1.55倍
過去レンジ 約1.0〜1.8倍
配当性向(予)
67.5%
2027年3月期 会社予想
(当ブログ算出)
ROE(予)
11.11%
ROA(予)7.15%
※データ取得日:2026/08/27
サンゲツ(8130)はどんな会社?【事業内容】
サンゲツは、壁紙・床材・カーテンなどを手がけるインテリアの国内最大手です。国内インテリアが売上の約8割・利益の大半を稼ぎ、海外売上比率は約17%。壁紙・床材の製造の多くを外部の仕入先に任せる事業構造で、自己資本比率は6割台、有利子負債の軽い低負債経営が特徴です。
📈 株価・PER・配当10年チャート
8130 サンゲツ|10年
株価(円)
1株配当(円)
PER(倍)
当月点
出典:IR BANK・Yahoo!ファイナンス
数値データを見る(表)
※株価は各年度末時点の値です。2022年3月期のPER(328.82倍)は純利益が一時的にごく小さくなったことによる極端値のため、チャート上では表示していません(表には記載)。最新の株価・指標はページ上部のスコアシートをご覧ください。出典:IR BANK・Yahoo!ファイナンス・株探
| 年度 | 株価(円) | 1株配当(円) | PER(倍) |
|---|
| 2017/03 | 1,861 | 52.5 | 19.08 |
| 2018/03 | 2,204 | 55.5 | 31.97 |
| 2019/03 | 2,009 | 56.5 | 35.08 |
| 2020/03 | 1,605 | 57.5 | 68.15 |
| 2021/03 | 1,677 | 58 | 21.24 |
| 2022/03 | 1,529 | 70 | 328.82 |
| 2023/03 | 2,234 | 105 | 9.36 |
| 2024/03 | 3,340 | 140 | 13.72 |
| 2025/03 | 2,908 | 150 | 13.61 |
| 2026/03 | 3,090 | 155 | 12.41 |
配当金がずっと右肩上がりでキレイ!10年でどれくらい増えたの?
この10年で約3倍だよ。2015年3月期から数えて、12期連続の増配なんだ。
増配のペースが株価の上昇より速かったから、予想配当利回りは5%台まで高まっているよ。ただ、2027年3月期の会社予想は「据え置き」。この背景は、あとでくわしく見ていこう!
📊 配当性向・配当利回り 10年推移
8130 サンゲツ|10年
配当性向(%)
配当利回り(%)
出典:IR BANK・決算資料
数値データを見る(表)
※2020年3月期(244.1%)・2022年3月期(1,503.5%)の配当性向は、純利益が一時的に大きく減った年に配当を維持・増配したことによる極端値のため、チャート上では表示していません(表には記載)。2019年3月期の配当利回りは、決算資料で確定した年間配当56.5円から算出しています。最新の株価・指標はページ上部のスコアシートをご覧ください。出典:IR BANK・決算資料
| 年度 | 配当利回り(%) | 配当性向(%) |
|---|
| 2017/03 | 2.82 | 53.8 |
| 2018/03 | 2.52 | 80.5 |
| 2019/03 | 2.81 | 98.6 |
| 2020/03 | 3.58 | 244.1 |
| 2021/03 | 3.46 | 73.4 |
| 2022/03 | 4.58 | 1,503.5 |
| 2023/03 | 4.70 | 44.0 |
| 2024/03 | 4.19 | 57.5 |
| 2025/03 | 5.16 | 70.2 |
| 2026/03 | 5.02 | 62.2 |
📊 EPS・営業利益率・ROE 10年推移
8130 サンゲツ|10年
EPS(円)
営業利益率(%)
ROE(%)
出典:IR BANK・決算資料
数値データを見る(表)
※最新の株価・指標はページ上部のスコアシートをご覧ください。出典:IR BANK・決算資料
| 年度 | EPS(円) | 営業利益率(%) | ROE(%) |
|---|
| 2017/03 | 97.52 | 5.58 | 5.95 |
| 2018/03 | 68.95 | 3.22 | 4.29 |
| 2019/03 | 57.27 | 3.67 | 3.61 |
| 2020/03 | 23.55 | 5.75 | 1.54 |
| 2021/03 | 78.97 | 4.61 | 5.12 |
| 2022/03 | 4.65 | 5.32 | 0.31 |
| 2023/03 | 238.70 | 11.52 | 14.63 |
| 2024/03 | 243.43 | 10.06 | 13.40 |
| 2025/03 | 213.59 | 9.05 | 11.11 |
| 2026/03 | 249.07 | 9.40 | 12.05 |
📊 BPS・自己資本比率 10年推移
8130 サンゲツ|10年
BPS(円)
自己資本比率(%)
出典:IR BANK・決算資料
数値データを見る(表)
※最新の株価・指標はページ上部のスコアシートをご覧ください。出典:IR BANK・決算資料
| 年度 | BPS(円) | 自己資本比率(%) |
|---|
| 2017/03 | 1,646.41 | 65.2 |
| 2018/03 | 1,648.70 | 61.4 |
| 2019/03 | 1,612.56 | 58.0 |
| 2020/03 | 1,539.56 | 56.8 |
| 2021/03 | 1,547.89 | 58.8 |
| 2022/03 | 1,497.19 | 59.4 |
| 2023/03 | 1,631.56 | 58.2 |
| 2024/03 | 1,816.15 | 62.5 |
| 2025/03 | 1,922.95 | 61.4 |
| 2026/03 | 2,067.45 | 64.3 |
EPSのグラフ、なんかガタガタしてるね。とくに2020年と2022年って、何があったの?
どちらも、北米子会社Koroseal(コロシール)に関連する一時的な損失だよ。純利益だけが大きく削られた年なんだ。
売上そのものは大きく崩れていないから、本業が止まったわけではないんだよ。
利益がほとんど出なかった年もあるのに、配当は減らさずに増やし続けたの?
そうなんだ。当時の中期経営計画では、配当と自社株買いを合わせた株主還元を、3年間の総額で利益とほぼ同じ規模まで出す方針だったんだ。
単年の利益ではなく3年まとめて管理していたから、利益が薄い年も配当を維持できたんだよ。
コロナ以降も増配は止まらなかった。一時的な利益の落ち込みで配当を減らさない姿勢は昔から一貫していて、サンゲツの株主還元への本気度がよく表れているところだと思うよ。
📋 財務指標 分析一覧
| 指標 |
評価 |
| 売上高 |
この10年で約1.5倍に拡大し、2026年3月期は過去最高を更新。2027年3月期も会社予想2,130億円と増収基調が続く見込み。 |
| 経常利益 |
近年はおおむね185〜210億円の高水準で推移。2027年3月期の会社予想は192億円と減益見込みで、伸びはいったん一服。 |
| EPS |
一時的な利益急減の年を挟みつつ、直近は240円台まで回復。ただし、きれいな右肩上がりの成長トレンドとは言いにくい推移。 |
| ROE |
直近ピークの約15%から11〜12%台へゆるやかに低下傾向。中期経営計画は2030年3月期にROE14.0%を目標に掲げる。 |
| ROA |
直近はおおむね7%台。資産を大きく膨らませずに利益を出す、効率のよい経営が続いている。 |
| 営業利益率 |
直近ピークの11%台から9%前後へ微減傾向。中期経営計画では営業利益率10%の達成を掲げる。 |
| 売上原価率 |
おおむね67〜73%で推移し、直近は68%台。原材料高を価格改定でどこまで吸収できるかが今後の焦点。 |
| 自己資本比率 |
一貫して55%超をキープし、足元は6割台半ば。無理のない資本構成で、財務基盤は厚い。 |
| 利益剰余金 |
約800億円と過去10年で最高水準まで積み上げ。株主還元と成長投資の両立を資金面で支える。 |
| 有利子負債比率 |
有利子負債は自己資本の1割前後にとどまる低負債経営。借入に頼らない身軽な財務体質。 |
| BPS |
一時1,500円前後まで縮む局面を挟みつつ、直近は2,000円超まで増加。1株あたりの会社の中身(純資産)は厚くなってきた。 |
| 営業CF |
この10年、毎年黒字を確保し、直近も年140億円超を創出。本業で現金を稼ぐ力は安定している。 |
| 投資CF |
新工場や物流体制の強化へ機動的に投資しつつ、おおむね営業CFの範囲内に収まる健全な水準。 |
| 財務CF |
配当支払いを中心とした流出超が基本形。稼いだ現金を株主還元へ回す構図が定着している。 |
| 現金等 |
350億円規模まで積み増し、手元流動性は厚い。逆風時にも配当を守る余力につながっている。 |
| 配当推移(10年) |
2017年3月期52.5円→2026年3月期155円と約3倍。2015年3月期を起点に12期連続増配(実績)。2027年3月期の会社予想は155円で据え置き。 |
| 配当性向 |
中期経営計画で「60%以上を目安」と明示。実績は年により4割台〜10割近くまで振れ、利益急減年はさらに大きく上振れした。 |
| 自社株買い |
2021〜2022年に69.5万株(約11億円)を取得し70万株を消却した実績。現行の中期経営計画でも、市場環境や資本効率をふまえて自己株式の取得を検討する方針。 |
| PER推移(10年) |
期末ベースで、利益急減年を除きおおむね9〜35倍で推移。足元の水準はページ上部のスコアシートを参照。 |
| PBR推移(10年) |
おおむね1.0〜1.8倍で推移し、期末ベースで1倍割れの年はなし。この10年、純資産の裏付けを上回る評価が続いてきた。 |
| 配当利回り推移 |
期末ベースで2%台後半から5%台へ段階的に切り上がってきた。増配の積み重ねが配当利回りを押し上げた形。 |
リーマンショック後 の配当推移 |
2006〜2012年3月期は年75円(2015年4月の1:2株式分割前の実額)を維持し、減配なし。2014年3月期に年間合計が3円減って見えるのは前期の記念配当分がなくなったためで、普通配当は横ばい。普通配当ベースで20年以上非減配の銘柄。出典:決算短信、有価証券報告書 |
| 株主還元方針 |
「1株当たり年間配当金155円の下限設定と配当性向60%以上を目安に増配を目指す」(中期経営計画2029)。下限額まで踏み込んだ還元方針。 |
| セグメント |
国内インテリアが売上の約8割・利益の大半を稼ぐ。海外は損失幅が縮小してきており、中期経営計画では「成長の起爆剤」と位置づけ。 |
| 海外売上比率 |
約17%。事業は内需が主体だが、原材料は国際市況や為替の影響を受けやすい構造。 |
▼ くわしくデータを見る
出典:IR BANK・Yahoo!ファイナンス・有価証券報告書・中期経営計画
自己資本比率は6割超で、現金もたっぷり。借金も少ないんだね。財務はかなりガッチリしている印象!
そのとおり。営業キャッシュフローも毎年黒字で、リーマンショック期にも配当を守った歴史があるんだ。
いまの厚い財務が、この高配当の下支えになっているんだね。
いちばんの注目は、原材料の高騰だね。
中東情勢の影響で壁紙や床材の原料が値上がりして、会社は主要商品の値上げを発表したんだ。この値上げが浸透するかは要ウォッチ。くわしくは、このあとの総合評価で!
🏆 サンゲツ(8130)総合評価
業績・財務・キャッシュフロー
売上高はこの10年で約1.5倍に拡大し、直近の本決算でも過去最高を更新しました。
一方で、営業利益率は直近ピークの11%台から9%前後へ、ROEも約15%から11〜12%台へとゆるやかに低下しており、2027年3月期の会社予想も増収ながら減益です。「稼ぐ力」の伸びはいったん踊り場にあると、TJは見ています。
財務は自己資本比率が6割台と厚く、有利子負債も軽い低負債経営です。営業キャッシュフローは毎年黒字を確保し、手元資金も潤沢。この財務の固さが、後述する手厚い配当を支える土台になっています。
割安性・投資タイミング
過去10年の期末PER(利益急減年を除きおおむね9〜35倍)と比べるとレンジの下寄りにありますが、後述の3社比較でも中位にあり、際立って割安な位置とは言いにくいです。PBR(実)も過去10年レンジ(約1.0〜1.8倍)の真ん中よりやや上。当ブログでは、ベンジャミン・グレアムが著書『賢明なる投資家』で示した割安の目安(PER×PBR、すなわちMIX係数が22.5以下)を判断のものさしとしていますが、サンゲツのMIX係数もこれを下回っており、指標のうえでは割高ではありません。
ただ、2022年以降の業績回復とともに株価も水準を切り上げてきており、「割安放置」の銘柄というより、業績の回復を市場がすでに評価してきた銘柄です。5%台の高い予想配当利回りをどう評価するかが、判断の中心です。
■ 住宅・インテリア関連3社との比較
| 銘柄 |
PER(予) |
PBR(実) |
配当利回り(予) |
営業利益率 |
基準日 |
| サンゲツ(8130) |
13.98倍 |
1.55倍 |
4.83% |
9.40% |
2026/08/27 |
| 立川ブラインド工業(7989) |
16.64倍 |
0.95倍 |
4.42% |
10.35% |
2026/08/28 |
| アイカ工業(4206) |
13.35倍 |
1.34倍 |
3.50% |
11.58% |
2026/08/28 |
※住宅・インテリア関連の一部との比較です。各社の数値は当ブログの各スコアシート記事より。PER・配当利回りは会社予想、PBR・営業利益率は前期実績ベース。
配当・株主還元
2015年3月期を起点に、2026年3月期まで12期連続増配(実績)を続けています。さらに、リーマンショック期を含む過去20年以上、普通配当ベースで減配していません。配当を守り抜いてきたディフェンシブ性の高い1社です。
株主還元姿勢が非常に強く、現在の中期経営計画では「1株当たり年間配当金155円の下限設定と配当性向60%以上を目安に増配を目指す」と、下限額まで明言しています。ただし、これは会社の方針であり、将来の配当を確約するものではありません。統合報告書でも「1980年の株式上場以来、黒字決算で底堅く推移」と説明している会社です。
注意点・リスク
最大の注意点は原材料の値上がりです。最新の有価証券報告書「事業等のリスク」には、中東情勢の緊迫化で壁紙や床材の原料となる石油化学製品の価格が大きく上昇し、調達にも支障が出始めていると書かれています。会社はこれを受けて2026年4月、7月1日の受注分から主要商品を18〜30%程度値上げすると発表しました。値上げで利益を守れるか、それとも需要が離れてしまうかは、今後の業績を左右する分かれ道です。
また、サンゲツは商品の製造の多くを外部の仕入先に任せる事業構造のため、仕入先のトラブルが自社の販売に直結します。実際に2024年12月には仕入先工場の火災で一部床材の供給が滞り、販売数量減少の一因になりました。加えて、国内の新築や改築の市場は少子高齢化で大きな成長が期待しにくいと会社自身が認めており、「成長の起爆剤」と位置づける海外事業が計画どおり育つかが中長期のカギです。
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サンゲツ(8130)のよくある質問
Q. サンゲツはどんな事業をしている会社ですか?
A. 壁紙・床材・カーテンなどを扱うインテリアの国内最大手です。売上の約8割を国内インテリア事業が占め、壁紙・床材の製造の多くは外部の仕入先に委託しています。海外売上比率は約17%です。
Q. サンゲツに株主優待はありますか?
A. 2026年7月時点で、サンゲツに株主優待制度はありません(Yahoo!ファイナンスおよび株主優待ナビで確認)。株主還元は配当が中心です。
Q. サンゲツの配当はどうなっていますか?
A. 2015年3月期を起点に2026年3月期まで12期連続で増配しており(実績)、リーマンショック期を含む過去20年以上、普通配当ベースで減配していません。中期経営計画では「1株当たり年間配当金155円の下限設定と、配当性向60%以上を目安に増配を目指す」と掲げています。決算期は3月です。
Q. サンゲツの最大のリスクは何ですか?
A. 原材料の値上がりです。有価証券報告書の「事業等のリスク」では、壁紙や床材の原料となる石油化学製品の価格上昇と調達への影響が挙げられており、会社は2026年4月に主要商品の18〜30%程度の値上げを発表しました。加えて、製造の多くを外部の仕入先に委託しているため、仕入先のトラブルが販売に直結する点にも注意が必要です。
▼ 質問と回答をすべて見る
💬 【TJの視点】
TJ(運営者・個人投資家)
サンゲツの株は、私も実際に保有しています。
買った一番の決め手は、高い配当利回りと12期連続増配の実績。そして「年間配当155円を下限にする」と自分から宣言しちゃう株主への誠実な姿勢でした。
リーマンショック期も配当を維持した20年以上非減配の歴史は、長期保有の高配当株として本当に心強いです。
ただ、気になる点もあります。
EPSの推移はきれいな右肩上がりではなく、「稼ぐ力」の成長性には物足りなさを感じています。
いまの株価には、私が好きな「業績が良いのに安く放置されたお買い得ゾーン」ほどのお得感はありません。国内市場の先行きには不安もあるので、この会社の伸びしろは海外事業がどこまで育つかだと見ています。
いますぐ買い増したいとは考えていません。
事業の成長性と収益性の改善をじっくり注視しながら、好材料を待っているところです。
保有者のひいき目も入っているかもしれません。本記事の一次情報をアナタ自身の目でもたしかめて、最後はご自身で判断してくださいね。
執筆:TJ(個人投資家・プロフィール/記事の品質管理について)
⚠️ 免責事項
この記事はTJ個人の見解や実体験、決算資料等からまとめたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身にてお願いいたします。本記事の情報は、2026年8月27日時点。
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